東京商工リサーチは、「ラーメン店」倒産状況の調査結果を4月5日に発表した。本調査は、日本産業分類の「ラーメン店」の2023年度(2023年4月~2024年3月)の倒産を集計、分析したもの。
2023年度(4-3月)の「ラーメン店」の倒産(負債1,000万円以上)は、63件(前年度比173.9%増)で、前年度の2.7倍増と大幅に増加。これまで最多だった2013年度(42件)の1.5倍増で、過去最多を大幅に更新した。月次でも2024年3月は9件発生し、2008年度以降の16年間で月間最多を塗り替えた。
コロナ禍が落ち着いた2022年以降は、円安やウクライナ情勢などを背景に、小麦をはじめとする原材料価格の高騰や光熱費の上昇、人手不足に伴う人件費高騰が著しく、急激なコスト上昇に見舞われている。
倒産状況として、原因別では、最多が「販売不振」の52件で、8割超(構成比82.5%)を占めた。「既住のシワ寄せ(赤字累積)」4件と合わせた「不況型倒産」は56件で、約9割(同88.8%)を占める。このほか、開業時の見通しが甘く事業を軌道に乗せられなかった「放漫経営」は4件だった。
形態別では、「破産」が58件(前年度比163.6%増)で9割超(構成比92.0%)を占めた。「特別清算」1件と合わせた「消滅型」倒産は、59件(同93.6%)。一方、「再建型」倒産では「民事再生法」が4件(前年度1件)発生した。
資本金別は、「1百万円以上5百万円未満」が27件(前年度比237.5%増)で最多。次いで、「個人企業」が24件(同380.0%増)で続き、5百万円未満の小・零細企業が54件で8割超(構成比85.7%)となった。
負債額別は、「1千万円以上5千万円未満」が43件で最多となり、約7割(構成比68.2%)を占めた。また「5千万円以上1億円未満」が、15件で前年度2件より7.5倍増と大幅に増加した。複数店舗を運営する企業にも倒産が広がっている。
従業員数別は、「5人未満」が57件(前年度比200.0%増)で9割(構成比90.4%)を占めた。一方、50人以上(前年度ゼロ)の大型倒産は前年度同様、発生していない。