SHEは4月1日、「選択的夫婦別姓に関する女性のリアルな本音調査」の結果を発表した。調査は3月26日〜27日、同社が運営する女性向けキャリアスクール「SHElikes」で学ぶ女性670名を対象にインターネットで行われた。
調査によると、結婚後、パートナーの姓に改姓した女性は92.5%。年代別で見ると、20代は87.4%、30代では93.9%が改姓しており、年代が若くなるにつれ改姓している割合が減少傾向に。改姓した理由を聞くと、「違和感がなく普通だと思った」「改姓が当たり前の時代だった」など、女性側が選択肢を持つことなく改姓を受け入れている様子がうかがえた。
一方、現在未婚の女性にパートナーの姓に改姓したいかを聞くと、「はい」と回答したのは28.9%と3割未満。年代が上がるにつれて「合わせたくない」女性の割合が増加傾向に。改姓をしたくない理由を聞くと、仕事への影響や変更に対する手続きの負担や煩雑さ、慣れ親しんだ姓が変わることへの喪失感などを示す声が多くあがった。
また、結婚経験者にパートナーと姓について相談をしたか聞いたところ、57.5%が「相談した」と回答。その結果について、84.1%が「納得できた」「ほぼ納得できた」としており、8割以上が満足していることが分かった。
続いて、結婚経験者に、仕事で使う姓を尋ねたところ、「改姓後の新姓を使う」が54.9%と過半数の結果に。旧姓で働くことを希望する人が多くいるものの、実際には新姓を使って働く人の方が多いよう。一方、未婚者が仕事で使いたい姓は「旧姓」(51.5%)が多数派となり、既婚者の実態と未婚者の希望の回答結果が逆転していることが判明。また、4人に1人が結婚後も「改姓をしたくない」(24.4%)としており、それを含むとおよそ4人に3人が元の自分の姓で仕事をしたいと考えていることがわかった。
次に、新姓で働くことに対する不安を聞いたところ、「変更の手続きが面倒」(54.6%)が最多に。次いで「旧姓と新姓の使い分け」(26.6%)が続き、日常生活における不便を理由にする回答の割合が大きい結果に。その一方で、アイデンティティの喪失やキャリアの分断など、マインド面の要素を上げる回答も一定数見受けられた。
具体的には、「営業や企画など、外部の方とやり取りをさせていただくことが多かったので、姓を変えることによってまた1から名前を覚えていただかないといけないと思っていた」「改姓の話をすると仕事にプライベートを持ち込むようで、自分の気持ち的に居心地が悪くなりそう」「新しい姓にはこれまで積み上がってきた自分というものがなくなってしまう感じがする」など、キャリアにおける問題や個人のアイデンティティに紐づく声が多く見られた。
最後に、選択的夫婦別姓について賛成かを聞くと、75.3%が「賛成」と回答。「どちらでもない」は22.3%、「反対」という人はわずか2.4%だった。