仮面ライダーシリーズ50年の歴史をふりかえる展示イベント『生誕50周年記念 THE仮面ライダー展』が2024年3月30日より、埼玉県所沢市・ところざわサクラタウン EJアニメミュージアムにて開催されている。

オープン前日の3月29日には関係者向け内覧会と、埼玉スペシャルアンバサダー高岩成二・志田音々が登壇するオープニングセレモニーを実施。サプライズゲストとして『仮面ライダーV3』(1973年)で活躍した仮面ライダーV3/風見志郎役・宮内洋もかけつけ、子どもから大人まで幅広い世代の仮面ライダーファンを興奮させた。

  • 左から、宮内洋、高岩成二、志田音々

『生誕50周年記念 THE仮面ライダー展』は、国産テレビヒーロー史に残る大ヒットヒーロー作品『仮面ライダー』(1971~1973年)から、現在好評放送中の『仮面ライダーガッチャード』(2023年~)まで、長い歴史を持つ「仮面ライダー」シリーズ各作品のヒーロースーツや小道具、関連商品などを集めた大規模展示イベント。これまで名古屋、福岡、札幌、東京、静岡、大阪、宮城で開催され、幅広い世代の仮面ライダーファンを楽しませてきた。今回の埼玉会場は昨年の東京に続いて2度目となる関東圏での開催となった。

『THE仮面ライダー展』埼玉会場は、埼玉県所沢市の「ところざわサクラタウンEJアニメミュージアム(角川武蔵野ミュージアム3F)」での開催となった。サクラタウン本棟3Fにある「角川食堂」では、記念コラボメニュー「変身っ!1号カレー」「ソースを『ガッチャンコ!』ポテト」が用意されている。

サクラタウン入口付近には、仮面ライダー1号から最新ライダーのガッチャードまで、歴代ほぼ全ての仮面ライダーが結集した「仮面ライダー大絵巻」が掲示され、仮面ライダーファンを出迎えている。

オープニングセレモニーではサプライズも!

埼玉スペシャルアンバサダーを務めるのは、埼玉県出身で『仮面ライダーアギト』(2001年)から『仮面ライダージオウ』(2018年)まで歴代「主役」ライダーのアクションを手がけてきた(2005年の『仮面ライダー響鬼』を除く)ミスター平成ライダーと称えられる伝説のスーツアクター・高岩成二。地元・埼玉の思い出をMC(佐藤香織)から尋ねられた高岩は「所沢にある航空公園やミューズパークは、『仮面ライダー電王』(2007年)や『仮面ライダー鎧武』(2013年)、そしてニンジャレッドを担当した『忍者戦隊カクレンジャー』(1994年)でよく訪れた、懐かしいロケ地です」と、会場にほど近い場所に平成ライダーになじみの深いロケ場所があることを明かし、仮面ライダーファンにとっての「聖地」といえるのでは、と言って笑顔を見せた。

もうひとりの埼玉スペシャルアンバサダーは、こちらも埼玉出身で『仮面ライダーギーツ』に出演した桜井沙羅役の志田音々。沙羅は仮面ライダータイクーンとなって危険なゲームに挑む桜井景和を優しく見守る姉だったが、途中で邪な計略に巻き込まれ、自身も仮面ライダーハクビに変身して戦いに巻き込まれたことがある。地元の思い出については「所沢には来たことがなかったのですが、グリーンセンターや越谷レイクタウンは私が青春を過ごした大切な場所」と、川口市や越谷市で過ごした時間を今でも大事にしていると語ってニッコリほほえんだ。

イベントの前に『THE仮面ライダー展』をめぐってきた2人は、歴代仮面ライダーの要素が詰め込まれた展示内容の数々や、キャラクター相関図を含む紹介パネルに大興奮していた様子。高岩は「今回、3つの作品の紹介パネルにサインを入れさせていただきました。さてどこにサインしてあるか、探してみてください」と自身の携わった思い出深い作品の紹介パネルに記念サインを入れていることを明かした。ちなみに高岩がサインをした作品のパネルは『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)『仮面ライダー電王』(2007年)『仮面ライダーゴースト』(2015年)の3作。ぜひ高岩のサインをすべて見つけ出してほしい。

志田は「会場内を高岩さんの解説付きで回ることができて嬉しかったです。私が出演した『仮面ライダーギーツ』コーナーでは、めちゃめちゃテンション上がりました。ファンの方たちの記憶に新しい作品だと思うんですけど、紹介パネルを見ていると、すごく昔のことのような懐かしさを覚えました(笑)。仮面ライダーハクビの立像も展示されているので、ぜひ沙羅ちゃんに会いに来てください」と、自身が変身したハクビの立像が、埼玉会場で初めて展示されていることを強くアピールした。

ここでMCからのリクエストに応え、高岩が「スーツアクターとして好き放題に演技やアクションが出来た」と思い出に残っている『仮面ライダー電王』ソードフォームの決めポーズを披露。

高岩は「恥ずっ!」と照れながらも、堂々としたポーズと「俺、参上!」というモモタロスのセリフを決めてみせた。

志田は「大好きな妹(志田こはく)が先に『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)でオニシスター/鬼頭はるかを演じていたので、私も変身できると聞いたとき、はるかの『アバターチェンジ』のポーズを取り入れたいと思っていました」と、ハクビへの変身ポーズを考案する際、オニシスターが腰に手を当てるポーズを入れ込みたいと要望したことを打ち明けた。そこで、まずオニシスターのアバターチェンジの後、ハクビへの変身ポーズを披露。

オニシスターとハクビ、どっちが強いか? という問いに対しては「圧倒的にハクビのほうが弱いです!」と沙羅の「弱さ」を強調。あくまでもなりゆきでライダーになっただけで、常に一般人の感覚を持ち続けている沙羅のキャラクター性を説明した。そして、ハクビになってからは自宅でこはくと一緒に、仲良く変身ポーズをしていたことも明かしてくれた。

トークが盛り上がる中で突然、不穏なテーマ曲(悪魔のショッカー)に乗って、世界征服を企む悪の秘密結社ショッカーとデストロンの戦闘員が乱入するという「怪事件」が勃発。すべては、自分も埼玉出身なのにアンバサダーに選ばれなかった「ちりがみ博士」の仕業であった。毎年夏に開催される仮面ライダー&スーパー戦隊の恒例イベント『Wヒーロー夏祭り』をはじめとする各種イベントに出没するちりがみ博士とは、かつてのショッカー大幹部・死神博士のお父さんの弟のお家の隣に住んだことがあるという、由緒正しいのかほとんど無関係なのかわからない経歴が自慢の科学者らしい。ステージ上の高岩成二を倒せば、平成ライダーを倒したも同然! とばかりに、戦闘員をけしかけた。

しかし、歴代仮面ライダーの動きを極めている高岩は強かった! 力強いアクションでまたたく間に戦闘員たちを蹴散らし、ちりがみ博士を慌てさせた。

しかし、ちりがみ博士は「ヒーローショーってのはこういうもんなんだよ!」と豪語しながら、志田を人質にとって高岩の動きを封じる卑劣極まりない作戦に出た。

たちまち戦闘員におさえこまれた高岩。このままでは『THE仮面ライダー展』を楽しみにしているファンのみんなにショッカーの危険が迫るかもしれない!

絶体絶命のピンチという状況の中で、志田はたまらず「助けて、仮面ライダー~~!」と、ステージショーのお姉さんのように大きな声で叫びながらヒーローの到来を願った。

するとどこかから「待て待てぃ!」と、日本で一番頼もしい声が会場内に響き、仮面ライダーV3/風見志郎を演じる俳優・宮内洋がサプライズ登場して、客席のファンを大いにどよめかせた。

50年以上にわたり、デストロン、ゴッド、デルザー軍団、ネオショッカー、ドグマ王国、バダン、クライシス帝国といった歴代悪の軍団と戦い続けてきた風見は、今もなお果てしない戦いの道を爆走し続けていた。多くの仮面ライダー、そして後輩ヒーローたちのピンチを救ってきた「不死身の男」風見が、ひさびさにショッカー、デストロンとのアクションを披露し、往年の昭和仮面ライダーファンを歓喜させた。

「ちりがみ! 正義というのはな、不死身なんだよ!」と博士に向かってタンカを切った風見(宮内)は、「変身、V3ァァアアア!」のかけ声と共に変身ポーズを決め、空中髙くジャンプしたかと思うとその直後、仮面ライダーV3となってステージ上に降り立った。

主題歌「戦え!仮面ライダーV3」(歌:宮内洋とザ・スウィンガーズ)に乗って、ショッカーとデストロン戦闘員に戦いを挑む仮面ライダーV3。

さらに「俺もいるぞ!」という声と共に、仮面ライダーギーツがステージにかけつけた。

V3は「みんな来てくれたか! ようし、ちりがみ、覚悟しろ!」と号令をかけると、V3、ギーツ、高岩の混成「3人ライダー」が戦闘員にとどめを刺し、最後に残ったちりがみ博士に必殺のキックを放った。高岩は『仮面ライダーカブト』(2006年)のライダーキックをシャープに決めてみせ、右腕をスッと垂直に掲げる「天の道を往き、総てを司る」天道総司の印象的なポーズでフィニッシュを飾った。

改めて、仮面ライダーV3/風見志郎役・宮内洋がステージに登場。その腰に、バンダイから発売された大人向け変身ベルト「CSMダブルタイフーン」が巻かれているのにご注目! まさにホンモノの迫力だといえる。

高岩は幼少時代に好きだったライダーが「V3」だといい、憧れのレジェンドヒーローである宮内と「アクションショー」で共演できたことを大いに喜び、感謝していた。志田もまた「高岩さんのアクションだけでも凄いのに、宮内さんまでいらっしゃって、豪華すぎます! そして、私も大好きなギーツとまた会えて、思わず『英寿さま~!』って嬉しくなりました」と、『THE仮面ライダー展』にふさわしいライダー共演のゴージャスさに喜びながらコメントした。

宮内は「東京会場にはあったのに、埼玉には『ハリケーン』がなかったんです。V3ホッパーで探してみようかな」と、V3の愛車ハリケーンが今回展示されていないことをネタにしつつ、往年の決めゼリフ「ハリケェェーーン!!」と、広範囲の情報を集めることのできる特殊レーダー・V3ホッパーを射出するときのかけ声「V3ィー、ホッパァーーッ!」を連続で放つという『V3』ファン感涙のサービスまでしてくれた。

最後の挨拶で志田は「ついにライダー展が埼玉にやってきました。埼玉は人口が多く、たくさんの人が集まってくれると思います。オリジナルグッズも販売しているので、ゲットしてくださいね!」と、より多くの仮面ライダーファンがかけつけ、展示会やグッズを楽しんでほしいと強くアピールした。

高岩は「僕が撮影現場で身に着けていたスーツや小道具がズラリと揃っています。目をこらして観てくださると、激しい戦いの影響で傷だらけのものがあるかもしれません。ぜひそういったところも探してみて、楽しんでください!」と、過酷な撮影の証というべき傷や汚れもまた、実物ならではの凄みだということを強調し、ファンに見てもらいたいと語った。

宮内は「全世界に向かって発信します。THE仮面ライダー展、ぜひ観に来てください!」と力強く挨拶し、今や日本だけでなく世界各国に熱烈なファンが存在する仮面ライダーの魅力が詰まった本展を、ぜひとも実際に会場へ足を運んで「体感」してもらいたいと語った。

フォトセッションでは、宮内、高岩、志田のそろい踏みに加えて、仮面ライダーV3と仮面ライダーギーツも加わって盛り上がりを見せた。

時代がどれだけ変わっても、正義を守る勇気、悪に挑む闘志、弱い者をいたわる優しさといった大切な感情を子どもたちに教えてくれる仮面ライダー。たとえ初めて会ったライダー同士でも、心さえ通じ合えば力強い仲間になれる。そんなドラマを感じさせる「V3とギーツの握手」という最高の画を、ここにお届けしよう。