第72期王座戦(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)は二次予選が進行中。3月26日(火)には計3局が行われました。このうち、関西将棋会館で指された谷川浩司十七世名人―菅井竜也八段の一戦は86手で菅井八段が勝利。得意の中飛車を駆使して挑戦者決定トーナメント進出を果たしました。

本戦まであと1勝

本二次予選は4~5名からなるトーナメントを勝ち抜いた12名が本戦に進むもの。谷川十七世名人は稲葉陽八段に、菅井八段は大橋貴洸七段に勝っての登場です。振り駒が行われた本局は後手・菅井八段が得意のゴキゲン中飛車を採用、銀対抗に進めて戦いの時を待ちます。

局面を動かしたい谷川十七世名人はこちらも5筋に飛車を転戦、中央に繰り出した二枚銀の圧力で盤上制圧を図ります。両者全軍を繰り出してのねじり合いはしばらく続きますが、駒交換が一段落した局面では菅井陣の駒の乱れと駒損が響き、谷川十七世名が有利と思われました。

菅井八段が逆転勝利

手番を握る谷川十七世名人は後手陣に打ち込んだ飛車を角と刺し違えて攻勢をキープしますが、ここで菅井八段に受けの好手が出ます。「玉の早逃げ八手の得」の格言通りに玉を一路寄ったのがそれで、こうなると先手は駒を渡さず玉を寄せるのが難しくなっています。

優位に立った菅井八段は手にした豊富な持ち駒を生かして反撃に乗り出します。終局時刻は19時18分、最後は自玉の詰みを認めた谷川十七世名人が投了。辛抱の時間帯を乗り切った菅井八段は第67期以来5年ぶりとなる挑戦者決定トーナメント進出を決めています。

水留啓(将棋情報局)

  • この日行われた別対局の結果、伊藤真吾六段と久保利明九段も本戦進出を決めている

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