――2024年の春に配信をスタートした今作ですが、安達さんの名前を一躍世に広めた『家なき子』がスタートしたのが94年4月なので、ちょうど30年になります。
30年なんですね! 遠い昔ですが、自分の人生を振り返る時に必ず通る作品なので、お話しさせていただく機会が多いんです。そういう意味では、わりと身近にありますね。
――そこからずっと順調に役者の道を歩んできた印象もあります。
いや、かなり乱高下を繰り返してきました(笑)。でも、ようやくここ数年で平穏な日々を送れていますね。5年とか10年先の目標を定めて、それに向けて進むということをやれていて、5年前に思い描いた目標がかなってるなという状態に今なっているんです。
子どもの頃は自分の足で自分の人生を歩いている感じではなかったので、大人になってちゃんと自分で歩き始めて、一つ一つ夢や目標をかなえている感じは、今が一番しているかもしれないですね。
――ちなみに、5年前に今の状態をどのように思い描いていたのですか?
ちょっと具体的すぎて言えないです(笑)。でも、やりたいことはやれています。
――その目標に、「大人の恋愛ラブストーリーをやる」というのは…
全くの想定外でした! マネージャーさんと2人で、「私に恋愛ドラマ!?」「人違いじゃないの!?」って、ちょっと笑っちゃったくらいですから(笑)
もし普通に学生生活を送っていたら…
――物心がついたときにはすでにこのお仕事をされてきた中で、本当に自分のやりたい仕事は何だろうと考えたことはあるのですか?
『家なき子』をやっていたときくらいから、「一生この仕事をしていこう」と思っていたので、他の仕事はあんまり考えてこなかったですね。でも、宮大工のような職人さんに憧れる気持ちがすごくあって、もし芸能界にいなくて普通に学生生活を送っていたら、そういう職業を目指していたかもしれません。
――やはり下町・浅草で育った環境も大きいのでしょうか?
その影響もあるかもしれないですが、私、人見知りなんです。だから、一人で黙々と作業することが向いてるんだろうなって思います(笑)
――では最後に改めて、今作の見どころを教えてください。
私の演じる樹は、自分の気持ちを素直に表現できないんですけど、すごくモテて(笑)。いろんな人との出会いや別れがあるのですが、その中でどんどん心からの「愛してる」に近づいていく姿がすごく愛おしく思えます。それと、3人の男性たちがそれぞれの魅力を発揮してくださっているので、そこにときめいたり、「男って…」ってあきれたりして(笑)、楽しんでもらえると思います。すごく泣ける展開もあるので、ぜひ見ていただきたいです。
●安達祐実
1981年生まれ、東京都出身。2歳で芸能界入りすると、93年に銀幕デビューとなる『REX 恐竜物語』で主演を務め、翌94年に主演ドラマ『家なき子』で大ブレイク。その後も、『ガラスの仮面』『大奥』『初めて恋をした日に読む話』『捨ててよ、安達さん。』『カムカムエヴリバディ』『星降る夜に』などのドラマ、『ヒーローインタビュー』『お墓がない!』『LOFT ロフト』『花宵道中』『#バンド全力』といった映画に出演。現在配信中のドラマ『愛してるって、言いたい』に主演し、5月24日には映画『三日月とネコ』の公開が控える。