暖冬の影響で、例年よりも早く飛散している花粉に悩まされている人も少なくないはず。一方で、風邪の症状か花粉症なのか、判断がしづらいことも。そこで今回は、リンナイが耳鼻咽喉科専門医の石井正則先生に依頼して作成した「花粉症診断テスト」と花粉症対策を紹介する。
花粉症診断テスト
花粉症でつらい症状のなかには「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」といった、風邪と似た症状が複数ある。石井先生が監修した「花粉症診断テスト」では、5つの観察ポイントから花粉症と風邪を見分けることができるという。早速見ていこう。
□1.鼻水
花粉症:水のようにさらっとして透明
鼻水:粘り気があり、時には黄色や緑色になることもある□2.くしゃみ
花粉症:1度始まると繰り返し出ると同時に、大量の鼻水が出ることで鼻がつまる
鼻水:冷たい空気を吸い込んだときなどに1〜2回出る□3.全身の症状
花粉症:目のかゆみ、頭重感、頭痛、けん怠感、睡眠障害、集中力の低下、顔や手首など露出した皮膚のかゆみ、気分の落ち込み
風邪:のどの痛み、せき、たんなど、悪寒や発 熱、関節痛□4.時間帯
花粉症:(強風、雨のあと、起床時や夕方など) 時間による症状の差がある
風邪:時間による症状の差はない□5.期間
花粉症:2週間以上症状が続く
風邪:数日〜10日間程度症状が続く
診断テストの結果はいかがだっただろうか。同社が実施した調査では、花粉症と風邪の症状の違いを理解している4問以上正解のエキスパートは、3割に留まったのだそう。
花粉症の主な症状
花粉症の症状は関節痛もなく、喉の痛みよりも違和感や鼻詰まり、かゆみを伴うことがほとんど。目のかゆみに加え、顔や手首など露出した皮膚のかゆみの症状を訴えることがあるという。また、気象や時間帯にも影響を受けるため、花粉が大量に舞う風の強い日と雨上がりの日は要注意なのだとか。
■すぐに実践できる5つの花粉対策
石井先生によると、花粉症への対策は「吸わない」「触らない」「近寄らない」ことが重要だという。そこで次に、同氏が解説する花粉症対策を紹介する。
1. マスクやゴーグルを着用する
同社が実施した花粉症対策への調査では、「マスクの着用」が最も多い回答だったという。花粉を「吸わない」「触らない」、花粉に「近寄らない」ためには、マスクのほかに"ゴーグル(眼鏡)"を身につけることも、花粉症対策に有用なのだそう。
2. 洗濯物の天日干しを避ける
家の中に花粉を持ち込まないためにも、洗濯物の天日干しは避けた方がいいとしている。花粉の時期は室内に洗濯を干し、乾燥機の使用を推奨するとのこと。
どうしても外に干したい場合は、取り込むときに払うのも一つの対策だが、舞い上がった花粉を吸い込み、さらには取り除けなかった花粉が家の中に入り込む可能性がある。そのため、乾燥機や空気清浄機、掃除機をまめに使用することが花粉症対策に有効なのだとか。
3. 医療機関へ早めに受診する
同社の調査では、花粉が発生する時期に「医療機関にかかる」との回答が4割に満たない結果に。花粉症の症状が気になったら、医療機関への早めの受診を推奨している。
4. 水拭きは禁物! 乾拭きで花粉を除去する
床の掃除で水拭きをするのは禁物。花粉は水分に触れると膨らんではじけ、はじけた花粉は体に入りやすくなってしまうからだそう。また、短時間の散歩でも予想以上に花粉を家に持ち込むことになるため、部屋に入る前に服や髪についた花粉を取り除くのも重要。その際、目や鼻に花粉が入らないよう掃除機や粘着テープを使うのが望ましいとしている。
5. 外出時の衣服は革製品を避ける
革製品の表面には見えない凹凸があり、付着した花粉が取り除きにくいという。革製品以外にも、毛皮やウール、フリース、ボアなども避けた方がいい、としている。
■鼻づまりがスッキリ! 「考える人のねじり」体操
花粉によるくしゃみによって起こる鼻づまりで苦しいときに、石井先生監修の「考える人のねじり」を試してみてはいかがだろうか。
【やり方】
1. 足を組み、上になった足と反対の手のひらで耳を包むように手を添える
2. 親指を首の後ろの生え際に、その他の指をこめかみの位置へ置いて「考える人」のポーズをイメージ
3. その状態のまま体をひねり、頭の重さを使って刺激するのがポイント
この「考える人のねじり」によって、上半身の筋膜刺激エリア・頭と首の境目に圧をかけることができるのだそう。上半身の交感神経が優位になることで、鼻詰まりや目の疲れがすっきりする効果が期待できるという。
石井正則先生は、耳鼻咽喉科専門医、JCHO 東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長、JAXA 宇宙医学審査会委員。また、ヨギー・インスティチュート認定のヨガインストラクターとしても活動しており、最新の著書に『めまい・耳鳴り・難聴 を自分で治す本』(二見書房)などがある。