スーパーで買えるおすすめイチゴ品種

イチゴは旬が長く、特に最盛期の2月から4月にかけて、各産地から多くの品種が一堂に並びます。いろいろなイチゴを試して、不動の定番や新たな“推し”を見つけるチャンスです。

それでは、各品種の特徴について見ていきましょう。

章姫(あきひめ)

静岡県のイチゴ生産者、萩原章弘(はぎわら・あきひろ)さんが「久能早生(くのうわせ)」と「女峰」を交配して選抜育成し、1992年に品種登録されました。果形は特徴的な縦長の円すい形。果皮は鮮やかな紅色で、果心は白。果肉は柔らかめで果汁が多く、酸味が少ないため糖度以上に甘みが感じられます。主な産地は、静岡県、愛知県など。

あまおう

福岡県農業総合試験場(現・農林業総合試験場)で育成され、2005年に品種登録されました。品種名は「福岡S6号」。福岡県のみで栽培されるブランドイチゴの代表格です。果形は大粒で整った短円すい形。果皮は濃赤で、果肉にも赤みがあります。果汁が多く、酸味が少ないぶん甘みが感じられ、バランスがよく濃厚な味わいです。

いちごさん

佐賀県とJAグループ佐賀、生産者によって育成され、2018年に品種登録された新しいイチゴ。品種名は「佐賀i9号」で「いちごさん」は登録商標。佐賀県のみで栽培されるブランドイチゴです。果形は大きめの円すい形で、果皮は光沢のある赤、果肉も赤、果心は淡い赤。果肉は硬めで、酸味の効いた上品な甘さ。すっきりとした味わいです。

おいCベリー

農研機構九州沖縄農業研究センターにより育成され、2012年に品種登録されました。ビタミンCの含有量が多く、平均的な大きさの果実7粒で1日分のビタミンCを摂取できます。果形は円すい形から卵円形、果皮は濃赤色で、果肉も鮮やかな赤色で光沢があります。硬めで、糖度が高く食味のいいイチゴです。

さちのか

農林水産省野菜・茶業試験場久留米支場(現・農研機構九州沖縄農業研究センター)で、「とよのか」と「アイベリー」を交配して育成され、2000年に品種登録されました。果形は大きめで縦長の円すい形。果皮の色は濃赤色で、果肉と果心は淡紅色。硬めで香りが高く、穏やかな酸味と甘みのバランスがよいイチゴです。長崎県、佐賀県などの西日本を中心に全国で栽培されています。

さぬきひめ(さぬき姫)

香川県によって「三木2号(さちのか×とちおとめ)」と「さがほのか」を交配して選抜育成され、2009年に品種登録されました。果形は大きくふっくらと丸みのある円すい形、果皮は紅色で張りと艶があり、果肉まで薄紅色。果汁が多く、甘みもあり、爽やかで上品な味わい。香川県のみで栽培されるオリジナル品種です。

スカイベリー

栃木県農業試験場いちご研究所によって育成され、2014年に品種登録されました。品種名は「栃木i27号」。公募で「スカイベリー」と名付けられ、栃木県のみで栽培されているブランドイチゴです。果形は大粒で、なで肩の円すい形。果皮は艶のある濃い橙赤(とうせき:オレンジ色がかった赤)色で、果肉は薄い橙赤色、果心は淡赤色です。糖度と酸度のバランスがよく食味が良好。

とちあいか

栃木県農業試験場いちご研究所によって育成され、2018年から品種登録出願中。品種名は「栃木i37号」。栃木県のみで栽培される新たなブランドイチゴで、主力品種の「とちおとめ」からの転換が進められています。果形は大きめの円すい形で、縦半分に切った断面がハート形。果皮は鮮赤色で、果肉は薄い赤。硬めで酸味が弱く、甘みが引き立ちます。

とちおとめ

栃木県で開発され、1996年に品種登録されました。栃木県をはじめ全国で栽培され、東日本の主力品種ですが、各産地で新品種への切り替えが進みつつあります。果形は大きめで整った円すい形。果皮は鮮紅色、果肉は薄紅色、果心は紅色です。果皮・果肉ともに硬めながら果汁が多く、甘みと酸味のバランスのとれた良好な味わいです。

とよのか

農林水産省野菜・茶業試験場久留米支場(現・農研機構九州沖縄農業研究センター)で育成され、1984年に品種登録。果形は大きめの円すい形。果皮は艶のある赤で果肉は黄白色、果心は白。果肉は柔らかく果汁が多く高糖度です。栃木県生まれの東の横綱「女峰」に対して西の横綱と呼ばれ、西日本の主要品種でしたが、「あまおう」の登場以来、各産地で世代交代が進んでいます。

紅ほっぺ

静岡県農業試験場(現・農林技術研究所)で「章姫」と「さちのか」を交配し選抜育成され、2002年に品種登録。静岡県を中心に関東や九州など広い地域で栽培されています。果形は大きめで縦長の円すい形。果皮は艶のある鮮赤色、果肉も鮮紅色で、果心まで薄赤色。硬めでしっかりとした食感で、甘み・酸味ともに強く、イチゴ本来の甘酸っぱさを残しています。

もういっこ

宮城県で開発された寒冷地での栽培に適したイチゴ。2008年に品種登録されました。宮城県のオリジナル品種ですが、県に利用許諾を受ければ県外でも栽培することができます。果形は比較的大粒で円すい形。果皮は鮮やかな赤色でガクの付近まで色づき、果肉の中心部まで薄赤色。果肉は硬めで、糖酸比(※)が高くやさしい甘さです。
※ 糖度を酸度で割った値。作物によっておいしいとされる目安の数値が異なる。

やよいひめ(やよい姫)

群馬県園芸試験場(現・農業技術センター)で、「とねほっぺ」と「とちおとめ」を掛け合わせたイチゴにさらに「とねほっぺ」を交配して育成され、2005年に品種登録されました。主な産地は群馬県ですが、関東を中心に他県でも栽培されています。果形は大きめの円すい形。果皮は明るい赤、果肉は橙赤、果心は淡い赤。果肉は硬めで、甘みが強く、酸味は控えめで、食味のよいイチゴです。

ゆうべに

熊本県農業研究センターにより「07-13-1」と「かおり野」を交配して育成され、2017年に品種登録されました。品種名は「熊本VS03」。熊本県のみで栽培されているブランドイチゴで、全国からの公募で「ゆうべに」と名付けられました。果形は整った円すい形。果皮は光沢のある赤、果肉は橙赤で、果心も薄紅に色づいています。硬めながら果汁が多く、酸味がやや少ないぶん甘さが引き立ち、濃厚な味わい。

ゆめのか

愛知県で「久留米55号」と「系531」を交配して育成され、2007年に品種登録されました。同県の許諾があれば県外でも栽培でき、長崎県では県産イチゴの品種のひとつに選定してブランド化しています。果形は整った円すい形で大きく、果皮は全体的に鮮やかな赤、果肉は薄紅、果心は薄赤です。果肉はほどよい硬さで、果汁が多く、甘さと酸味のバランスが絶妙。

見かけたら買ってほしい、イチゴのネクストブレーク候補

ここからは、生産量の少ない新品種や希少品種を中心に、これからブームがくるであろうイチゴを紹介していきます。いつもスーパーの店頭に並んでいるわけではありませんので、見かけたときに迷わず買い物かごに追加できるよう、情報をインプットしておきましょう。

阿波ほうべに

徳島県で待望の新品種が誕生。徳島県立農林水産総合技術支援センターにより「さちのか」と「かおり野」を交配して選抜育成され、2018年に栽培が始まり、2021年に品種登録されました。果形は円すい形でサイズは大きめ。果皮は鮮やかな赤で光沢があり、果肉は薄い橙赤、果心は白。硬めで甘く、食味のよいイチゴです。

淡雪(あわゆき)

近年人気の白イチゴの中でも比較的栽培しやすく、多くの産地でつくられている品種です。鹿児島県志布志(しぶし)市の生産者、山下さんによって「さがほのか」の突然変異から育成され、2013年に品種登録されました。果形は整った円すい形。果皮はほんのり赤みがかった白、果肉は橙赤、果心は淡い赤。酸味は少なく、爽やかな甘さが感じられます。

あまりん

埼玉県オリジナルイチゴの新品種。「やよいひめ」に「ふくはる香」を交配して選抜育成し、2019年に品種登録されました。品種名は「埼園(さいえん)い3号」で、埼玉出身の落語家、林家たい平さんによって愛称「あまりん」と名付けられました。果実はやや縦長の心臓形。果皮は艶のある赤、果肉は硬く薄い橙赤。糖度が高く、酸味が少なく、食味のよいイチゴです。

かおりん

「あまりん」と同時に埼玉県で開発された新品種。「ふくあや香」に「ゆめのか」を交配して選抜育成されました。品種名は「埼園い1号」で、林家たい平さんによって愛称「かおりん」と名付けられました。果形はやや小ぶりで円すい形。果皮は艶のある赤で、果肉は硬く薄い橙赤。糖度が高く、酸味もある程度あり、濃い味が楽しめます。

古都華(ことか)

奈良県のオリジナルイチゴ品種。育成系統「7-3-1」に「紅ほっぺ」を交配して育成し、2011年に品種登録されました。果形は整った円すい形、果皮は艶のある赤、果肉は硬めで薄い赤。甘みを際立たせるやさしい酸味により、濃厚な味わいとなっています。

奈乃華(なのか)

大粒のイチゴで奈良県オリジナルの新品種。育成系統に「古都華」を交配し、品種名は公募によって「奈乃華」と名付けられました。2020年に品種登録を出願し、出願公表されています。果皮は光沢のある赤、果肉は淡い紅色。ほどよく硬く、甘みと酸味のバランスの取れたイチゴです。

真紅の美鈴(しんくのみすず)

通称「黒イチゴ」と呼ばれる品種で、千葉県大網白里市の育種家、成川昇(なるかわ・のぼる)さん(ナルケンいちご園)によって開発され、2015年に品種登録されました。果形は縦長の円すい形、果皮は濃赤で、果肉、果心まで赤いのが特徴。コクのある濃厚な味わいで、アントシアニンを多く含んでいます。

桃薫(とうくん)

モモのような香りが特徴。完熟しても赤くならないイチゴです。農研機構野菜茶業研究所と北海道農業研究センターが共同で育成し、2011年に品種登録されました。果形は縦横比がほぼ同等の円すい形、果皮は艶のある淡い桃色、果肉は白。モモやココナッツ、甘いカラメルのような香り成分が含まれ、新たな用途の開発と需要の広がりが期待されています。

ミルキーベリー

栃木県オリジナル品種の白イチゴ。「初恋の香り(和田初こい)」をもとに開発され、2018年に「栃木iW1号」として品種登録を申請。2020年から県内の生産者への苗の販売を開始しています。果形は大きめの円すい形。果皮は黄白色で種子は赤く着色するのが特徴。果肉は白く緻密で滑らかで、酸味は少なくまろやかな味わい。新感覚のイチゴです。

ハナミガキ

宮城県山元町の農業生産法人、株式会社GRAのオリジナル品種。被災したイチゴ産地の復興を目指して設立された同社では、複数品種を厳選したMIGAKIーICHIGO(ミガキイチゴ)をブランド化。ハナミガキは栽培品種のひとつで、果皮は艶のある濃赤で果肉も赤く、花のような香りで芳醇(ほうじゅん)な味わいが特徴。同社のイチゴ狩り園「ICHIGO WORLD(イチゴワールド)」でしか食べられない希少品種ですが、スーパーに並ぶこともあります。

まとめ

イチゴ大国といわれる日本。全国の産地や研究機関で品種改良が重ねられています。スーパーの店頭に並ぶのは、300以上ある品種のごく一部ですが、店舗によって仕入れが異なり、シーズンを通してラインアップが変化します。足しげく売り場に通えば、目新しい品種に出会えるかもしれません。