「第56回ミス日本コンテスト2024」が22日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われ、愛知県出身でモデルの椎野カロリーナ(しいの かろりーな)さん(26歳)がグランプリに選ばれた。
今年で56回を数える同コンテストは、過去に藤原紀香ら芸能人をはじめ、学問研究や政治経済、医療スポーツや地域家庭など様々な分野で活躍する女性を輩出してきた歴史あるミスコンテスト。この日は最終選考が行われ、12人のファイナリストが着物・ドレス・スポーツウエアの審査に臨み、愛知県出身でモデルの椎野カロリーナさんがグランプリの座を射止め、賞金100万を手にした。なお、椎野さんは同コンテスト史上、最年長(26歳)の受賞となる。
名前を呼ばれて顔を手で覆った椎野さん。「本当に夢のようで、名前を呼ばれた瞬間、涙が止まらなくなりました」と涙を流し、ウクライナにルーツがあるということもあって「人種の壁というものがあり、日本人として生きてはいますが、なかなか受け入れてもらえないことも多くあり、今回、日本人として認められたという気持ちで感謝の気持ちでいっぱいです」と満面の笑み。ミス日本のグランプリとしての目標は「日本の心というものは見た目ではなく中身の部分に宿ることが大きいので、本当の意味での日本の心を伝え続けながら人を見た目で判断しない人の心を尊重する社会を作っていきたいです」と目を輝かせた。
椎野さんは、5歳の頃にウクライナ人の母親とともに来日し、そのまま日本に住んでいる。「気づいたら日本語を話していて、普通の小学生と同じように学校に通っていました。ただ周りから髪の色が違うとかクマがあると言われたりと、私は日本人と見た目が違うと幼い頃に気づきました」と幼少期は見た目がコンプレックスだったというが、「自分自身は日本人だと思っているのに国籍はウクライナ。これからは日本で生きていこうと思ったので、その時に帰化を考え始めました。最終的に絶対帰化しようと思ったのは、日本国民として選挙権を得るために帰化したことが大きな理由ですね」と2年前に帰化した理由を赤裸々に告白した。
現在は、東京を拠点にしながらモデルとして活躍している。「中学3年生の頃にお友だちとショッピングしている時に声を掛けられました。当時は見た目をネガティブに感じていたのでモデルなんて出来ると思っていませんでしたが、母に『頑張ってみたら?』と言われ、そこからモデルのお仕事を始めました」と明かしつつ、「今はこの見た目を商品にしてお仕事をしていますが、私のメッセージだったり多様性や人を見た目で判断しない社会を作品としてお仕事が出来たり、何かもっと多くの方の心に響くお仕事が出来たらと思います」と大きな目標を掲げた。
なお、ミス日本みどりの天使とミス日本ミス着物の2冠に東京都出身で慶應義塾大学商学部4年の安藤きらり(あんどう きらり)さん(23歳)、ミス日本「水の天使」に神奈川県出身で日本大学生物資源科学部応用生物科学科2年の安井南(やすい みなみ)さん(19歳)、ミス日本「海の日」に鹿児島県出身で東京大学前期教養学部理科一類2年(工学部航空宇宙工学科内定で4月に進学予定)の有馬佳奈(ありま かな)さん(22歳)、準ミス日本に大阪府出身で関西大学商学部商学科2年の石村彩華(いしむら あやか)さん(20歳)がそれぞれ選ばれた。