このたび第1話が放送されたテレビ朝日系ドラマ『離婚しない男―サレ夫と悪嫁の騙し愛―』(毎週土曜23:30~)のスペシャル対談が東京・六本木のテレビ朝日本社で某日に行われ、俳優の伊藤淳史、小池徹平、脚本を担当した鈴木おさむ氏が登壇。鈴木氏が篠田のキャスティング理由を明かし、篠田から鈴木氏へは手紙のサプライズが行われた。

  • 左から鈴木おさむ氏、伊藤淳史、小池徹平

■鈴木おさむ氏地上波連ドラ最後の作品『離婚しない男』

大竹玲二氏による人気漫画『離婚しない男』(講談社ヤングマガジンKC)をドラマ化する今作は、妻の不倫に気づかぬフリをしながら不倫の証拠を日々収集し、わずか1割と言われる父親の親権獲得を目指す男の姿を描くリコン・ブラックコメディ。3月31日をもって、32年間活動してきた放送作家業と脚本業から引退することを発表している鈴木おさむ氏の地上波連ドラ最後の脚本作で、主演は伊藤淳史が務める。

今作で伊藤は、主人公の不倫サレた夫=サレ夫の岡谷渉を演じる。大手新聞社の社会部エース記者・渉は、妻・綾香(篠田麻里子)の不倫を目撃し離婚を決意するが、相談した敏腕弁護士の財田トキ子(水野美紀)からは「父親の親権の獲得率はわずか1割」と突き放されてしまう。そこで相棒となった探偵・三砂裕(佐藤大樹)とともに、不倫の証拠集めに勤しみ、勝率1割の困難な戦いに挑むことに。一方小池が演じるのは、渉の妻・綾香と不倫を繰り返す芸能事務所のチーフマネージャー・司馬マサト。芸能界を目指す渉と綾香の娘・心寧の将来を考えるふりをしつつ、綾香と情事を重ねて渉を振り回していく。

■鈴木おさむ氏、篠田麻里子に「女優として大ブレイクしてほしい」

スペシャル対談では3人で今作の注目ポイントを挙げるランキングを発表したが、1位は「これぞ熱演! 篠田麻里子を見てくれ」。鈴木氏は綾香役のキャスティングについて「濡れ場が多いので、まずはそれをやってくれる人。そしてプロデューサーと話していて僕の中に「篠田さんがやっていたら面白いな」、とパンと降りてきました。年もキャラクターに近かったし。『まぁでも、やってくれないだろうな』と思っていたんですよ、お子さんもいらっしゃいますし。でも『やる』と言っていただけて」と明かす。小池が現場での篠田を「すごい気合いだったよね」と振り返ると、伊藤も「麻里子ちゃんは体を張っていて、小池くんと2人して体当たりで演じていた」と頷く。

鈴木氏は「ドラマ『奪い愛』シリーズで水野美紀さんが“怪演女優”と呼ばれて、『M 愛すべき人がいて』では田中みな実さんがブレイクされて。この作品では、篠田さんが女優さんとして大ブレイクしてほしいと思っています。皆、AKB48時代から知ってるじゃないですか。でもこの作品をきっかけに、お芝居がすごくお上手なので、女優として大ブレイクしてほしいというのが本当の目的ですね」と、語った。伊藤は、「ワークショップなどでお芝居をすごく勉強されていて、努力されてるんだなと、僕も勝手に尊敬、感動しています」と篠田の努力を明かすと、「実はここで、篠田麻里子さんから手紙を預かっています」とサプライズ。篠田から鈴木氏への手紙を読み始める。

  • 鈴木おさむ

■篠田麻里子からサプライズの手紙「一生の思い出です」

手紙で篠田は「オファーをいただいた際に、私の名前を挙げていただいたと聞き、すごくうれしかったことを昨日のように覚えています。同時に色々な不安も葛藤もありましたが、脚本を読ませていただいて、原作ワールドもさることながら、おさむさんワールド全開でとても面白く、世界観に引き込まれ、ぜひチャレンジしたいと思いました」と出演を快諾したことを振り返り、「母親として共感できるところもあり、綾香の悪い部分や綾香なりの正義など、とことん振り切ることを意識して、演じさせていただきました」と役作りについて話した。そして「役者としてすごく成長ができた作品だと感じていました。色々な意味で、それこそ体当たりでした(笑)」と語り、「おさむさんの地上波連ドラ最後の作品に、伊藤淳史さんはじめ、素敵なキャストの方々と参加させていただき、綾香を演じさせていただいたことは、私にとって一生の思い出です。思い切りできた作品、やりきったなといえる作品に出会わせていただき、改めて本当にありがとうございました」と感謝を述べた。

  • 伊藤淳史

鈴木氏は「最初は、篠田さんの役どころや濡れ場、変な台詞で話題になると思うんですけど、最終回には原作にない台詞があって。篠田さんが演じると想像して書いたんですけど、もともとそれを言わせたかったんです。最終回のあの台詞は、どんな女優よりも、篠田さんが綾香として言うのが一番なんじゃないかなと思って」と最終回のこだわりのシーンを告白。伊藤も「『ここで涙を流す』と、今作の台本にも書かれてましたが、綾香のおかげで、本当に『台本通りに涙って出るんだ』と。正直、ほぼ初めてと言っていい経験でした」と、篠田の芝居によって自然と涙が出てきたことを明かし、「最高のシーンになったんじゃないかな」と太鼓判。最後に鈴木氏は「篠田さんの綾香には、普通の脚本家だったら書かないような台詞もあって、それを彼女が引き受けてくれたという男気と、綾香をやり遂げてくれたときに、最終回の台詞がすごく響くものになるんじゃないかなと思うので、楽しみにしていてほしいし、その瞬間に拍手したくなるんじゃないかなと思います」と篠田の熱演をアピールした。

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  • 小池徹平

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