たくさん知ってもらえる機会が突然訪れた

――続いて、鈴木さんの2023年についてもお伺いします。YOASOBIさんの「アイドル」をカバーした動画が1,000万回再生、インスタグラムのフォロワー数が100万人を超えたり、地上波ドラマの主演も務めたり、新たなCMが決まったりと大躍進の一年だったのではと思いますが、振り返ってどんな一年でしたか。

2023年は、環境が大きく変わり始めた一年でした。20周年イヤーが6月で終わって、今22年目を走り出しているところなんですけど、今まで見たことのない景色や、置かれたことのない環境、たくさんの方に知っていただける機会が突然訪れたので、今の状況に自分が一番ついていけてません。とにかく、いつ映されてもいいように、肌の管理と体調管理をしながら、寝られるときによく寝て過ごしてきました。激動でした。

――“世界が変わった”という感覚はありますか。

変わった……いや、“変わり始めそう”という感じです。来年30歳になる20代最後の年でもあったので、まだまだこの年齢でも新しいことにチャレンジできるんだと思えましたし、さらにスピードを落とさず貪欲にやっていきたいなと気を引き締められた一年でしたね。

  • 鈴木愛理

もともと苦手意識があったカバー

――先程エゴサもすると仰ってましたが、“どう見られているか”という点でも変化があったのでは。

ありましたね。ソロデビューしてすぐの頃は、歌手のほかにモデル活動やお芝居をしていることに対して「何をしたい子なの?」というマイナスな意見もお見かけすることが多くて。でも最近は、マルチに活躍するのが当たり前な時代になってきたので、いろいろなお仕事をさせていただいていることに対して肯定的な意見が多くて、頑張ってきて良かったなって思います。

――YOASOBIさんの「アイドル」のカバー動画をたくさんの方に見ていただけたことについてはどう感じていますか。

もともとカバーには苦手意識があったんです。ご本人の歌が一番いいに決まってるじゃないですか。だからこそ番組でやらせていただくことが決まったとき、私が大事にしたいのは「どれだけリスペクトを持ってできるか」だなと思って。アニメも歌も好きだからこそ、どれだけ研究に時間をかけられるか、愛情をかけられるかというところにこだわってやってきました。今年は「アイドル」を歌ったことでいろんな輪が広がって、これをきっかけに知ってくれる方も多かったですし、諦めなくて良かったな、こだわり続けて良かったなと思いました。私のことを少し分かってもらえたかもしれない、って。まだまだこれからですけど!

年離れた後輩に声かけられ「知ってるんだ!」

――“アイドルが憧れるアイドル”と紹介されることも多い鈴木さんですが、古巣であるハロー! プロジェクトの後輩のために、成功している姿を見せてあげたい、道を作ってあげたいという思いはありますか。

そんな大それたようなことを言える立場ではないので……私自身も、ハロプロにいるときに叶えたかったけど叶えられなかった夢がもちろんありますし、卒業後も表舞台に立つことを決めた以上は、その夢の続きを叶え続けていくだけです。後輩たちは皆すごいので、後輩に見せられる背中なんてありませんが、でも、「ハロプロを卒業したあとも、自分らしく生きていける道はあるよ」と言えるくらいの存在になりたいなとは思っています。でも本当に皆すごいので、私が言えるようなことではないです!

――謙虚ですね。今年はハロー! プロジェクト25周年ライブで後輩の皆さんと共演する機会もありましたし、「憧れてます」「好きです」という声もかけられたのでは。

今のハロプロの現役メンバーは、同じステージに立ったことのない子がほとんどですし、年齢も10歳くらい離れていたりするのに、「あの動画見ました!」「あのパフォーマンスを見てファンになりました」「憧れです」と声をかけていただいて、「えっ!? 私のこと知ってるんだ!」と驚きました。同時に、ハロプロは歴史が継承されていく場所でもあるので、自分が残してきたものが少しでも受け継がれているとうれしいなと。後輩に会うたびに、「まだまだ私もキラキラしていかなきゃな!」と気合いが入ります。皆知らないところでどんどんスキルアップしていくので、置いていかれちゃいけないなって。

表舞台に立ち続ける理由はファンの皆

――それでは最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

もう2023年は感謝と愛にあふれて止まらないですね……。いろんな活動をしていく中で、自分の中で唯一、絶対にこれからも変わらないであろう軸であり、私が表舞台に立ち続ける理由は、ファンの皆さん。「愛理ちゃん、いつも笑顔でいてくれてありがとう」とか、「愛理ちゃんがこういうこと言ってたから私もまた明日頑張ろうと思えたよ」って言ってくれるような明日への活力であれたら、そんなパワーを送れたらと思ってすべてのお仕事をやっているので、30歳になる来年も、そんな存在であり続けられたらと思います。皆さんが私を“鈴木愛理”として存在させてくれるから活動できているので、これからも変わらずに応援してくれたらうれしいです。そしてこの番組を始めてから、声をかけていただくことが増えたり、ライブにこれまで見なかったようなお客さんが来てくれたりして、改めて影響力を感じています。私自身も毎収録に気合いを入れて、さらに「あざとくて何が悪いの?」って気持ちで頑張っていきたいなと思っています!

――ありがとうございます。2023年、お疲れ様でした!

  • 鈴木愛理
■鈴木愛理
2002年6月、8歳で「ハロー! プロジェクト・キッズ オーディション」に合格。2005年6月に℃-uteを結成し、2017年まで活動。あぁ! 、Buono! としても活動した。2017年12月より、ソロ活動をスタート。女性ファッション雑誌『Ray』の専属モデルや、『オーイシマサヨシ×鈴木愛理のアニソン神曲カバーでしょdeショー!!』、『クラシックTV』のMCも務めている。10月5日よりテレビ朝日系バラエティ番組『お願い! ランキング presents そだてれび「あざとくて何が悪いの?」』の新MCに就任。2023年10月期にはドラマ『推しが上司になりまして』(テレビ東京系)で主演を務めた。