お笑いコンビのさや香、ヤーレンズ、令和ロマンが漫才師の王座決定戦『M-1グランプリ2023』の決勝戦ファイナルステージ進出を決めた。令和ロマン、ヤーレンズ、さや香の順番で漫才を披露する。

  • さや香 (C)M-1グランプリ事務局

■松本人志、塙のドッキリ騒動をイジる

決勝戦では、ダンビラムーチョ、カベポスター、くらげ、マユリカ、ヤーレンズ、真空ジェシカ、さや香、令和ロマン、モグライダーの9組と、敗者復活戦で勝ち上がったシシガシラが対決。審査員は、サンドウィッチマンの富澤たけし(7回目)、中川家の礼二(9回目)、博多華丸・博多大吉(4回目)、ナイツの塙宣之(6回目)、ダウンタウンの松本人志(17回目)、山田邦子(2回目)、そして、今大会審査員初登場となる海原やすよともこの海原ともこが務めた。

松本は、後輩へのM-1ドッキリが騒動となった塙に「よく来てくれたなって! ヤホーで調べたんですけど、また志らくさんに変わるんじゃないかなって」とツッコミ。塙は「ネットが爆発して」と答えしようとしたが、噛んでしまい「すみません……噛んじゃいました」と苦笑い。そして初登場のともこは「人を審査するような性格ではないんですし、漫才の説明が難しくて。感覚でやっちゃってますから」と不安な点を述べながらも、「漫才愛だけで頑張ります」と意気込んだ。

ファーストステージの順位、獲得点、審査員の主なコメントは以下の通り。([]は決勝進出回数)

■1位.さや香(出番順3番、659点)[3回目]

山田邦子:98点、博多大吉:94点、富澤たけし:95点、塙宣之:93点、海原ともこ:96点、礼二:94点、松本人志89点

礼二「いいしゃべくり。中盤笑いが来なかったところもありましたが盛り返して、さすが」、山田「面白かったですね。だんだん新山が好きになってきたね」、富澤「どんどん展開があって、最後の最後に逆転、裏切りがあった」、ともこ「1つの話なのにずっと展開があって、漫才の世界に入ってました」、塙「題材が僕自身がピンと来ないからこそ、ホームステイに関してここまで怒れるところがだんだん面白くなった」、大吉「純粋にもう1本みたい」、松本「令和ロマンで90点つけちゃったから、それを超えてないかなと僕は思ってしまいました」

■2位.ヤーレンズ(出番順6番、656点)[初]

山田邦子:93点、博多大吉:91点、富澤たけし:97点、塙宣之:93点、海原ともこ:96点、礼二:93点、松本人志:93点

富澤「ずっと笑ってられるのがいい」、ともこ「ずっとニヤニヤさせられてずっと面白かったです」、松本「ずっと面白いから、後半笑いが少し減ってきた気になりましたけど、皆面白すぎて疲れちゃった感じ。全ボケ誰かにハマるようにできてる」、山田「ここも12年で初登場なんでしょ。何やってたの。めちゃくちゃ面白い」、礼二「心地いいテンポとボケの数。M-1にはよく合ったネタだなと。楢原くんがすごく雰囲気持ってますよね」、大吉「ウザい系の漫才師さんってたくさんいらっしゃるんですけど、散りばめてる小ボケにセンスが光ってて、だからこそ最後がもったいない。もっとドーンと来るかなと」、塙「題材が分かりやすくて、シンプルイズベストでベタが一番面白いと思わされた」

■3位.令和ロマン(出番順1番、648点)[初]

山田邦子:92点、博多大吉:91点、富澤たけし:94点、塙宣之:93点、海原ともこ:94点、礼二:94点、松本人志90点

松本「最初からウケていて審査員泣かせですね。ただあんまり高くつけちゃうと上がなくなっちゃうので。でも80点台はないなと思いました」、礼二「ここ何年間かのトップで一番すごかったんかなと。クルマくんのボケの度胸というか、すぐ空気を自分の空気にしてしまう、なんとも言えない才能。高いかなと思ったけど、これくらいつけないとなと」、富澤「トップから爆発してましたね」、ともこ「トップということを忘れるくらい会場を巻き込んでいたので。勢いがあって好みだなと。顔じゃないですよ、漫才のスタイルがいい」、塙「自分の空気感にする掴みと脱線と暴走と、全部うまいこと入ってきた」、山田「全部の中で一番若いお2人がトップバッターで若さ爆発。すごく面白かった」、大吉「めちゃくちゃ面白かったですが、後半がちょっともったいないかなと」

■4位.マユリカ(出番順5番、645点)[初]

山田邦子:92点、博多大吉:90点、富澤たけし:96点、塙宣之:92点、海原ともこ:92点、礼二:92点、松本人志:91点

富澤「ツッコミの中谷くんの言葉は全部ちゃんと聞こえますし、阪本くんは演技がうまくて面白かったです」、山田「12年おやりになってて初登場なんですよね。いつも何だったの? すべってたの? すごく面白かったです」、松本「心地のよい笑いの上がっていき方ですよね。気持ちいいなって感じで聞けましたね」、礼二「阪本くん、なんとも言えないキャラでじわじわ来ますね。いろんなネタを見てみたいです」、ともこ「中谷くんだけじゃなくて、2人ともちょっと“きちゃない”んです。でもやっぱり漫才は最後にあれだけ爆発するのがすごいなと」、大吉「相当緊張してたのかなと思って、普段と間が違ったりとか、もっと面白いネタだと思いました。今日の出来だとこの点数になるかなって」、塙「浴槽でおでん作る友達とか、ああいう自由なボケを確実に笑いを獲ってたので、もっとほしがっちゃいましたね。もっと入れてほしかったなって」

■5位.真空ジェシカ(出番順7番、643点)[3回目]

山田邦子:90点、博多大吉:95点、富澤たけし:93点、塙宣之:91点、海原ともこ:91点、礼二:91点、松本人志:92点

大吉「今年はオリジナリティや新しさを審査対象にしてるので、このネタはこの2人にしかできないな、と」、塙「映画泥棒に勝ったっていうのは今日イチ沸いてたボケでしたね。もっとわけわかんないネタもM-1でやってほしい」、富澤「ボケが結構高度で、僕はヤーレンズのくだらないほうにハマってしまった」、ともこ「もっともっと奇抜なことができるんじゃないかなって期待してしまった」、松本「漫才は遠近感。昨年はマニアックだった。近すぎるとベタになるし、今年はちょうどいい距離感で良かったんですけどね。そうか、敗退か」

■6位.カベポスター(出番順4番、635点)[2回目]

山田邦子:94点、博多大吉:89点、富澤たけし:88点、塙宣之:89点、海原ともこ:95点、礼二:92点、松本人志:88点

山田「私は昨年より10点多く入れたわけですけど、すごくコンビネーションが良くて、このネタ面白いし好きです。品が良いですね」、ともこ「私自身は噛んだりするのは嫌いじゃないというか、私も大事なところで噛んだりするので、そこは関係なく。ネタとして面白かった」、礼二「ネタは間違いないけど、爆発した数が少なかったかな」、松本「4分に向いてないのかな。もう2分あればもうちょっと面白くなっていきそうでもったいない」、富澤「最初の説明が長い分、途中もうちょっと勢いよくいけないのかなと」、大吉「1つの爆笑のフリ、我慢の時間が長い」、塙「M-1って4分しかないので、掛け合って熱を出さないと難しいかもですね。個人的にはすごく好きなんですけど」

■7位.モグライダー(出番順10番、632点)[2回目]

山田邦子:87点、博多大吉:89点、富澤たけし:90点、塙宣之:91点、海原ともこ:93点、礼二:91点、松本人志:91点

ともこ「私はやっぱり人が出る漫才好きなので、色が出てて好きでした。時間が経つのも早くて入り込んでたんですけどね」、礼二「歌ネタだけどモグライダーらしくて高度なことをやっていてワクワクしたけど、もう少し笑いが来ても良かった」、大吉「歌ネタの宿命というか、歌詞とか展開をお客さんが分かってるので、どう乗り越えて詰めていくかで、もう少し爆笑があっても良かったのかなと」、富澤「ともしげがいつもアップアップなのが面白いので、できすぎてたのかな」、松本「待ち疲れと、モグライダーも売れちゃって、練習不足かなっていう感じがしました」

■8位.ダンビラムーチョ(出番順8番、631点)[初]

山田邦子:93点、博多大吉:89点、富澤たけし:92点、塙宣之:91点、海原ともこ:90点、礼二:89点、松本人志:87点

富澤「1曲目にそんなに長く使わなくてもいいのかな」、塙「寄席でやるなら今日の中で一番ウケるのはダンビラムーチョ。この場だと爆発はしなかった」、ともこ「最初がちょっと長くて入り込めなかった。その後、どのタイミングでも入れるタイプの漫才ではないのかな」、松本「一曲目のツッコミまでが長かったかなと思いましたし、僕には刺さらなかった」、礼二「歌ネタ以外を聞きたかったです」

■9位.シシガシラ(出番順2番、627点)[敗者復活組・初]

山田邦子:87点、博多大吉:88点、富澤たけし:91点、塙宣之:90点、海原ともこ:92点、礼二:91点、松本人志:88点

富澤「後半ちょっと失速したのがもったいない」、塙「ハゲネタだけだったので、爆発力がそこまでなかったかな」、大吉「面白いところはものすごくわかるんですけど、もっと面白くなりそうな状態がずっと続いていて、爆発しなかった」、ともこ「面白いワードはあるんですけど、もっと、もっとって思っちゃって」、松本「ツカミはめちゃくちゃ面白かったんですよね。それだけにずっとハゲでいっちゃうのかって」

■10位.くらげ(出番順9番、620点)[初]

山田邦子:89点、博多大吉:87点、富澤たけし:89点、塙宣之:90点、海原ともこ:89点、礼二:90点、松本人志:86点

松本「嫌いじゃないんですけど、ミルクボーイを思い出させた。ミルクボーイを超えてないので、もっと違うやり方があったのかなと」、大吉「M-1でいろんな審査をするとなると、同じ味のボケにはちょっと点数が入れられなかった。ネタ自体はすごく面白い」、塙「初めて見たので、こういうシステムいいなと思いましたが、どういう人たちなのかが伝わってこなかった」、山田「面白かったけど、決勝はすごいレベルだから」