さいたま市・秋ヶ瀬公園で「自転車の運動会」と「自転車の文化祭」をミックスしたアウトドアイベント「秋ヶ瀬の森バイクロア13」が、12月2日・3日の2日間にわたって開催された。

大人から子どもまで楽しめるレースをはじめ、さまざまなジャンルの様々なアウトドアアクティビティを存分に味わえる本イベント。今回は1日目に実施されたレースのもようなどを紹介する。

■老若男女が楽しめるユニークなレースの数々

自転車にまつわる各種展示や催しものが実施され、バリエーションに富んだレースが開催される「バイクロア」。秋ヶ瀬の森バイクロアの自転車レースは、公園内に特別に製作した2km前後のダートコースを周回するシクロクロススタイルのレースで、初心者から上級者までみんなが楽しめるバイクロアの目玉となるイベントだ。

レース自体の勝敗だけでなく、それぞれの基準で自由にレースを楽しみやすいのが特徴のようで、参加者は日本代表レベルの選手から、年に1回バイクロアで走るのを楽しみにしている近所の方まで幅広い。参加者の年齢も最年少は2歳から最年長は70歳までと文字通り老若男女が参加する。

初レースの人のための「バージンクラス」、ランと自転車をミックスする「パークラン&ライド」、日没に合わせて走る「サンセットレース」、荷物を運ぶ量と速さを競う「カーゴバイクレース」、車種不問服装不問の名物レース「オウルクラス」など、今回もさまざまなレース種目が用意されていた。

今回のバイクロアでは、海外で広く行われている犬と人間のチームを組む「ワンクロ バイクジョアリング」(犬と自転車)と「カニクロス」(犬とラン)(ショートコース)をそれぞれ初開催。多くの人が愛犬とのレースを楽しんでいた。

中学生以上が参加対象とする「カーゴバイクレース」は、単にスピードだけでなく、速さ+運んだ荷物の量で勝負を競うバイクロアの名物カテゴリー。 ママチャリはもちろんのこと、カゴ付きのスポーツバイクやカーゴバイクで参加でき、コースを1周して順位と運んだ荷物ごとに設定されたポイントで競う。運ぶ荷物は丸太や廃タイヤなどの重量物や、麻袋や風船など軽いけどかさばるものなど多種多様だ。

スタート直後、参加者たちはスタートラインを越えたコース上に配置されている荷物を重い思いに自身の自転車へと積載していく。積載する荷物の種類や積み方、レースの順位結果も含めて戦略的にポイントを稼ぐことが大切なレースのようだ。

スタート前には参加者に対して積載用の荷物が足りず急遽、荷物を追加する場面もあった。例年、カーゴクラスで使用する運搬用の荷物はバイクロアの運営委員会などが清掃活動で回収したタイヤなどゴミなども積み荷として使ってきたそうだが、近年は清掃活動が功を奏して、大きなゴミは減ってきているらしい。

■レースだけじゃない! ブース出展も多数

レース参加や観戦以外にも、バイクロアマーケットのエリアにはキャンプやランニング、ボルダリングといったアウトドアアクティビティ、参加型の企画が盛り沢山。

地元さいたま市のお店を中心にさまざまメニューを提供するキッチンカー、自転車・アウトドア関係のワークショップを実施するブースなどなど、美しい公園のロケーションの中で工夫を凝らしたブースが数多く出店していた。

シマノのブースでは、今年9月に12段変速にアップグレードされた機械式グラベル専用コンポーネント「GRX」を追加しており、同製品をアッセンブルした自転車を紹介していた。

このバイクはレバーの形状の見直している点も特徴だそう。「グラベルの場合とくに今はフレアハンドルがよく使われているので、フレアとレバーの設置部分のエッジに少し削りを入れています。手のひらの痛みを軽減して長距離を乗った時によりストレスなく、快適にライドできます。ギアレシオは3種類で、フロントシングルはMTBで培われてきた『マイクロスプライン』によるリアトップ10Tとなったことが大きな変更点。これまでにもあった『より幅広いワイドで乗りたい』というお客様の声に応えるかたちの仕様になっています」(シマノスタッフ)

またシマノは釣具製品も手掛けており、今回のブースではキャンプや釣りといったレジャーを楽しめるようコンセプトの自転車や、シマノの本社がある堺のビルダーである「ソウカワガレージ」などが手がけた世界で1台のカスタムバイクの展示も行っていた。

「昨年以上に出店数も客数も多く、イベントの盛り上がりを感じます。こうした自転車を通じてさまざま楽しみを味わえるイベントでの出店は非常にありがたい機会。我々のブースにも幅広い年代の方が来られていて、本当に自転車文化がいろんな人に広がっているなと実感しているところです」(シマノスタッフ)