ギャラクシー賞の11月度月間賞が20日に発表され、『有吉弘行の脱法TV』(フジテレビ、11月13日放送)、『ドキュメント 20min.「ニッポンおもひで探訪~北信濃 神々が集う里で~」』(NHK、11月19日放送)、『NNNドキュメント’23「いろめがね~部落と差別~」』(山口放送、11月19日放送)、『それって!?実際どうなの課 ゴールデン2時間SP』(中京テレビ、11月28日放送)が受賞した。

  • 有吉弘行(左)と森川葵

講評は、以下の通り。

■『有吉弘行の脱法TV』

「コンプライアンス」の観点から地上波テレビで放送できないとされているもの(タトゥー、乳首、著作権、大人のビデオ)がどこまで映せるか、という原田和実らしい着眼点が光る。笑いのなかにも「コンプライアンス」の曖昧な面が垣間見えて、現在のテレビバラエティのあり方に対するひとつのメッセージにもなっている。

■『ドキュメント 20min.「ニッポンおもひで探訪~北信濃 神々が集う里で~」』

時代の流れのなかですでに失くなってしまった小さな集落を取り上げ、元の住民たちによって1日限りの集落復活を見せてもらう企画。そのとき限りの復活であったことは番組後半で視聴者に明かされるが、制作者と元住民たちの協力によって作られたファンタジーがジブリ映画のなかの異世界を思わせて、じんわりと感動的だった。

■『NNNドキュメント’23「いろめがね~部落と差別~」』

憲法14条に「すべての国民は法の下に平等……」と唱えても、いわゆる部落差別はなくならない。ネット上での差別拡散が大きな問題になっている。番組は部落差別の実情を正面から捉えて、強い説得力を感じた。最後に差別されない権利を認めた東京高裁の判決があったが、番組主人公の活動に差別のない未来に向かう強い姿勢を感じた。

■『それって!?実際どうなの課 ゴールデン2時間SP』

これまでいろいろな分野の高難度の技を瞬時に会得して挑戦ものバラエティの常識を覆してきた「ワイルド・スピード森川」こと森川葵が、スポーツスタッキングで世界大会に出場、メダルを獲得する快挙を成し遂げた。もうひとつの視力回復企画に出演していたチャンカワイもそうだが、とにかく真面目に取り組む姿が感動的である。