コロナ禍を機に再び“自転車熱”が高まる中、東京・調布市にある味の素スタジアムでは12月2、3日の2日間、自転車の魅力やサイクルスポーツの見どころを広く発信するイベント「スタジアムフェスタ」(GRAND CYCLE TOKYO実行委員会主催)が開催された。

自転車に関連したコンテンツをはじめ、多摩・島しょエリアを中心としたグルメなどもずらりと並び、多くの家族連れで賑わったこのイベント、今回はその詳細をレポートしよう。

▼多摩・島しょエリアの市町村のPRブースがずらり!

スタジアムフェスタは、12月3日に多摩地域の公道で行われる「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2023」に合わせて開催されたイベントだ。

THE ROAD RACE TOKYOは国内外のトップ選手らがタイムを競う本格レースだが、味の素スタジアムで行われたスタジアムフェスタは天候にも恵まれ、終始和やかなムードに包まれていた。

スタジアム外のコンコースエリアには、多摩・島しょエリアに属する市町村のPRブースが立ち並んだ。

日野市のブースは地元の英雄・土方歳三や土方が副長を務めた新選組にまつわるグッズなどを展開。

東京都で最も人口が少ない市として知られる羽村市は「羽やすめマルシェ」をオープン。羽村産生ホップ使用 クラフトビール「多摩の恵」などを販売し、地域名産の日本酒や、羽村市産ブドウで造った赤ワインの新酒「はむらヌーボー」などもアピールした。

東村山市は「東村山黒焼そば」などを販売した。東村山黒焼そばは、地元のソースメーカーが開発した黒ソースを使用した焼そばのことで、ご当地グルメとして地域で愛されているという。

また、ブースではGRAND CYCLE TOKYOが実施した「ヘルメットコンテスト」の入選作品なども展示されていた。

コンテストには都内の大学、短期大学、高等学校などに通う学生たち有志が参加。ニット帽型のヘルメットやデニム生地で作られたキャップ型のヘルメット、鮮やかにペイントされたヘルメットなど、優れたデザインのヘルメットがずらりと並んだ。

▼子ども向けコンテンツも大充実の「スタジアムフェスタ」

スタジアム内は、特に子ども向けのコンテンツが充実していた。

「KIDSスポーツバイクスクール」では、プロのライダーたちが子どもたちにスポーツバイクの乗り方を指導。

コースには一本橋や簡単なパンプトラック(起伏のある凹凸のコブが連続した波状コース)なども用意。最初は慣れないスポーツバイクに苦戦していた子どもも、プロによる丁寧な指導でメキメキと上達したよう!

まだ自転車に乗れない子どもたちは、「へんしんバイク」のブースに集合。初心者でも安心の自転車乗り方教室に参加した。

へんしんバイクとは「ペダル後付けキックバイク」のことで、バランスバイク(ペダルが付いていない、自分の脚で前進させるバイク)にペダルを後付けして自転車に変身させられるという特徴がある。

この日参加した子どもたちは、まずはバランスバイクに慣れ、その後は後輪を固定した状態でペダルの練習に臨み、最終的には自転車モードで自走することを目指した。当然、成長には個人差があるが、多くの子どもたちにとって、自転車デビューへの第一歩としてはこれ以上ない機会となったようだった。

「サイクルクラフトワークショップ」のブースでは、ステッカーを使ったヘルメットのデコレーションや、オリジナルリフレクターの作成などの体験会が開かれていた。

ステッカーの種類はバリエーションに富んでおり、しかも無料とあって多くの参加者が集まった。

普段から愛用している自前のヘルメットをデコレーションする子どもたち。ますます愛着が湧いたに違いない。

自転車コンテンツばかりで飽きないよう、会場にはボルダリング体験コーナーも。インストラクターが丁寧にレクチャーしてくれるので、初めての子どもたちも思い切りチャレンジできたようだ。

場内では「ストライダーエンジョイカップ」も開かれた。ペダルなしのバイク「ストライダー」を使った年齢別のレースで、「ワールドチャンピオンシップ」も開催されるほど世界的に人気を博している。

このレースには、12月2日だけでも約300〜400人の子どもたちが参加したという。

主催側のスタッフは、「順位はあまり重要じゃありません。むしろ、こういうレースに参加してもらうことで自転車に乗ることは楽しいことなんだと実感してほしいですし、将来的にロードバイクやマウンテンバイク、BMXといった自転車スポーツを楽しむキッカケになってもらえると嬉しいですね」と語った。