俳優のオダギリジョーが主演・プロデューサーを務めるドラマ『僕の手を売ります』(FOD・Prime Video、毎週金曜0:00最新話配信)の脚本・監督を務める冨永昌敬氏が7日、J-WAVEのラジオ番組『GOOD NEIGHBORS』(毎週月~木曜13:00~)にゲスト出演し、ドラマ続編の意欲を語った。
『僕の手を売ります』は、45歳の主人公・大桑北郎(オダギリ)が、多額の借金を返済するため、全国各地でアルバイトをして回り、そのゆく先々で起こる様々なトラブルに巻き込まれながらも、家族と向き合っていく物語。冨永監督は、映画『パビリオン山椒魚』(06年)、『南瓜とマヨネーズ』(17年)に続き、オダギリと3回目のタッグとなる。
番組では、そんなオダギリからのメッセージが流れ、冨永監督に対して、「一言で言うと、不思議な人ですね。同い年で、同じ中四国から同じような映画の世界に飛び込むという似たような感覚を持ってる人ですけど、本当に脚本を毎回読んでも、『また不思議なこと書いてるなあ』と思わせてもらえます。今回の『僕の手を売ります』に関しても、最初に監督が『こういう設定はどうですか?』っていうのを持ってきてくれた時点で、『なんでそんなこと思いつくんだろう?』『なんでそれをテレビ(配信ドラマ)でやろうとするんだろう?』とか、いろんな気になる引っかかりを作ってくれる人です。でも、明らかにそれは面白くて、『それでどうなるんですか?』みたいな広がり方をさせてしまうし、出来上がった脚本はやっぱり面白かったし、出来上がった作品も面白い。だから、普段何を見て、何をどう感じてるのか。よく言われる言葉かもしれないですけど、頭の中を見てみたい、僕にとってはそういうタイプの人ですね」と印象を述べた。
それを受け、冨永監督は今回の作品をやるタイミングとして、「僕とオダギリさんで、この年齢で何をしたら僕らも楽しめるし、面白さを分かってくれる人に届くかということで、今だなと思いました」と感じたのだそう。「大桑は失敗も多いですけれども、いろんな人と出会って、とにかく人見知りをしないんです。オダギリさんも僕も50(歳)前なんで、人見知りもしてられないような年ですから(笑)」と、主人公に自分たちを重ねる部分もあるようだ。
この大桑のキャラクターを作る上でモデルになった1人が、冨永監督の祖父。「大桑は自分の背中に『オークワ』って名前が書いてある男なんですけど、僕の祖父も物をなくしたくないから、何にでもすぐ名前を書く人で、自分のものにだけ書けばいいのに、僕がグローブを買ってもらったその日にマジックで名前書かれたんです(笑)。つまり実用に関してのアイデアがものすごくある人なんですね。何かあったときの備えとか、そういう用心深さをずっと覚えています」と、エピソードを交えて背景を明かした。
そんな大桑という人物は、「オダギリさん含めスタッフみんなの中で、好きな主人公になったので、もう1回会いたいというのがあるんです」と愛されるキャラクターになっているそうで、「いつ実現するか分からないですけど、自分の中では『次、大桑にどんなことしてもらおうかな』と考えていきたいと思っています」と、早くも続編への意欲を示した。
同番組は、放送後1週間以内であればradikoで聴取可能(エリア外の場合はプレミア会員のみ)。
【編集部MEMO】
『僕の手を売ります』は、オダギリジョーが企画段階から参加し、冨永監督と構想したオリジナル脚本を、オダギリは演技で、冨永監督は映像で具現化。ゆるく柔らかくも、クスッと笑えて、どこか知的で色気のある空気感を感じられる、2人のエッセンスが存分にあふれ出す作品となっている。
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