■出費20%カットは難しい「物欲がないので」

――第1話で円は経費20%削減に取り組みましたが、橋本さんが出費を20%カットしてくださいと言われたら何をカットしますか。

物欲がないので本当にお金を使わなくて、削減のしようがないぐらいです。光熱費の明細やいくらカードで使ったかもしっかりチェックするタイプ。光熱費は冬の暖房が高いぐらいでそんなに上下しないですし、今は物価高なので、卵を買うにも値段を比較して、安くて個数が多いものを選んで買ったり(笑)。普段から必要なところに必要なお金を出しているだけなので、削減しろと言われたら難しいかもしれないですね。何かできるとしたら家を変えるぐらいでしょうか。東京の家賃は高いので、福岡の地元に帰るとか。ただ、仕事のために飛行機に乗らなきゃいけないので、交通費がかかって削減にならないかもしれません(笑)。

――かなりきっちりお金の管理をされているんですね。逆に、ここにはお金をかけるというものはありますか。

普段あまり使わない分、旅行にはお金をかけます。両親に海外旅行をプレゼントしたり、3人で九州の温泉に旅行したりするのですが、旅行のときには美味しいご飯を食べたり少し贅沢なホテルに泊まったりします。むしろ時間も有限だと思っているのでしっかりスケジュールを組むんですけど、電車よりレンタカーのほうが高くても、時間がかかるならレンタカーにしようかな、とか。

■女優業は自己肯定感の上がる仕事

――第2話では、「人は何のために働くか」、「ワークライフバランス」というテーマが描かれましたが、橋本さんは「何のために働いてるか」と聞かれたらどう答えますか?

「楽しいから」ですかね。何日か休暇が取れたりすると、「結局働いている方がいいな」と思ったりするんです。あ、でもこういう話をマネージャーに聞かれると休みがなくなるかもしれないので、今の発言はなかったことにしたいくらいなんですけど(笑)。「休みがほしい」と言っているうちが幸せだと感じるぐらい、このお仕事はすごくやりがいがあると感じてます。自分が頑張ったことが形になって、その歴史が積み重ねられていって、認めていただけて、達成感があって。SNSが発達した世の中でマイナスなこともありますが、ファンの方の応援がダイレクトに届くので、すごく自己肯定感の上がるお仕事だと思います。だから傲慢にならないようにしたいなとは常に思っています。

――天職だと感じていますか。

ほかの仕事をやった事が無いのでなんとも言えませんが、自分では天職だなと感じています。

■ワークライフバランスは「めちゃくちゃ取れている」

――その分お忙しくて、ワークライフバランスとなると、ワークが多めだと感じることもあるのでしょうか。

めちゃくちゃバランスが取れていると思います。それは、ライフが欠如していないから。ワークが忙しいことでほかに手が回らないとバランスが崩れるかもしれませんが、私は一日休みができたら絶対に出かけるようにしているんです。家にこもることがまずないので。家事も忙しくておろそかになっていると気持ちが落ちてしまうし、結局は毎日の積み重ね。忙しくてもちょっとだけでも家事をやろうと行動に移しています。

――すごい! 仕事から帰ってきてすぐに寝転がったり、休みの日にぐだぐだと時間を過ごすことはないんですか。

寝転がったら終わりだと思っているので、帰ってまずソファーに座る、ということがないんです。お風呂に入ったり、メイクを落としたり、次の日の台本を全部確認してから、やっと愛犬とソファーでたわむれる時間に移れるようにしています。最初にソファーに寝転がると本当に何もやらなくなるので。大事なのは時間があるかないかではなく、使い方なんだと思います。

■忙しく行動することが“充実”につながる

――お仕事が忙しい中でも、生活も疎かにせずバランスが保てるのはなぜですか。

お休みのときに特に感じるのですが、忙しいときの方が「今のうちにこれしておかなきゃ」と時間を有効に使えるなと。それが私にとっての“充実”につながるんです。もちろんのんびりする時間にこそ充実を感じる方もいるので、そこは人それぞれですよね。私は、分刻みの緻密なスケジュールを立てて実行することに充実感を覚えるので、忙しいときの方がバランスが取れる気がします。

――円が一円をも大事にするように、橋本さんは一分をも大事にしているんですね。では最後に今作のこれからの見どころを教えてください。

第1話で紹介されたキャラクターたちが、第2話、第3話と進むにつれどんどん個性が爆発していきます。私は第4話が好きで、円は至って真面目なのですが、私としてはちょっとふざけて楽しむようなお芝居ができたので、楽しみにしていただけたらなと。スーツの替えが3着あるのに、3着ともびしょ濡れになったり、そのクリーニング代が月に4万かかったり、いきすぎた不運が面白いにつながるキャラクターはなかなかいないと思うので、そんな円の姿にクスッと笑っていただけたらうれしいです。

■橋本環奈
1999年2月3日生まれ、福岡県出身。主な出演作に映画『セーラー服と機関銃-卒業-』(16年)、『銀魂』シリーズ(17年〜18年)、『十二人の死にたい子どもたち』『キングダム』『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(19年)、『シグナル 100』『小説の神様 君としか描けない物語』(20年)、『バイオレンスアクション』『カラダ探し』(22年)、ドラマ『警視庁いきもの係』(17年)、『FINAL CUT』『今日から俺は!!』(18年)、『1ページの恋』(19年)、『インフルエンス』(21年) 、舞台『千と千尋の神隠し』(22年、24年に再演予定)など。2023年は、映画『湯道』『ネメシス 黄金螺旋の謎』『春に散る』『禁じられた遊び』『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』、ドラマ『王様に捧ぐ薬指』『トクメイ!警視庁特別会計係』に出演。昨年に続く『NHK紅白歌合戦』の司会、2024年後期放送予定の『連続テレビ小説 おむすび』で主演を務めることが決定している。