「ジャパンモビリティショー2023」のキャンピングカーエリアで珍しいクルマを見つけた。トヨタ自動車「シエンタ」に車中泊も可能なカスタムを施した「JUNO」という1台だ。アレンジ次第で車両後部をいろいろなスタイルに変えられる面白いクルマだが、市販車なのか? 話を聞いてみた。
シエンタが走るマイルームに?
「JUNO」はトヨタが協力会社と企画・開発を進めるシエンタがベースのコンセプトカー。シエンタの前席を残して2人乗りとし、車両の後部に生まれる広い空間をアレンジ次第でさまざまに使えるスペースとして活用しようという趣向だ。「JUNO」(ジュノ)という車名は「順応」にかかっているとのこと。「いろんな方に順応するとか、環境に順応するとか、いろんな方の『好き』に順応する」といった意味を込めた。ちなみに、ローマ神話の女神「ユーノー」(Juno)のことも意識はしたそうだ。
車両後部の空間は、木製の四角いアタッチメントとクッションのようなものを組み合わせることでアレンジできる。アタッチメントは組み合わせ次第で机としても椅子としても使えるし、クッションを組み合わせればソファにもなる。床面をフラットにしてクッションを敷き詰めれば車中泊にも使える。出先でリビングのようなアレンジにしてくつろぐのも楽しそうだし、デスクのようにアレンジすることも可能なので、景色や空気のいいところまで出かけてテレワークを行うといったような使い方も考えられる。
JUNOはスタディ段階のコンセプトカーであり、いつ、だれが、どんな形で、いくらくらいで発売するかといったような情報は聞いても教えてくれなかった。ただ、ここまで完成しているわけだから、このまま企画がポシャることもなさそうな気がする。
シエンタは街でよく見る人気のクルマだが、例えば子供が大きくなった家庭などでは、広い後部座席/荷室を活用しきれていない個体があるかもしれない。そんなシエンタをトヨタの販売店に持ち込めば「JUNO」に改造してもらえる、そんなサービスが実現すれば、けっこう嬉しいというユーザーはいるかもしれない。