オダギリジョーが主演・プロデューサーを務め、冨永昌敬の脚本・監督のドラマ『僕の手を売ります』(FOD、Prime Video)。45歳の主人公・大桑北郎(オダギリ)が、多額の借金を返済するため、全国各地でアルバイトをして回り、そのゆく先々で起こる様々なトラブルに巻き込まれながらも、家族と向き合っていく物語だ。
そんな北郎の娘・丸子を演じるのが、當真あみ。デビューわずか2年で様々な作品で活躍しているが、演技への臨み方や、今作で両親役を演じるオダギリと尾野真千子の印象などを聞いた――。
■カレーうどんに緊張感「衣装を汚したらヤバい」
――『僕の手を売ります』はどんな作品なのでしょうか。
主人公の大桑北郎が少し珍しい働き方をしているので、非日常を体験できる作品だと思います。北郎はいろいろな仕事をしながらたくさんの人たちの人生に関わっていきます。
――北郎の働き方について、當真さんはどう感じましたか?
毎回違う仕事をするのは、役者に近いなと感じました。北郎本人が一番楽しんで働いているので、すごく面白い生き方だと思います。つらそうだったり、仕方なくやっているなら全然違う印象になると思うのですが、何事も好きでやっている姿は素敵に見えるし、尊敬できると思いました。
――印象に残ったシーンはありますか?
北郎が仕事を通して関わった猟師さんから熊の肉をもらったりするので、それを丸子たちが家で料理して食べるんです。撮影に使われたのが本物の熊だったのか分からないのですが、いい匂いがして美味しかったです。
あと、丸子がそばを打つシーンがあって、初めておそばを切りました。思ったより難しくて太さがバラバラになってしまいました(笑)
意外と食べるシーンが多くて、食べながら演技をするのがまだ少し苦手なので難しかったです。カレーうどんが出てきたときは、「衣装を汚したらヤバい」という緊張感がありました(笑)。すするのが得意ではないので、はねないように気をつけていました。
■今までやったことがないような髪型に
――當真さんが演じる丸子はどんな女の子なのでしょうか。
興味を持ったことには真っすぐに突っ走っていく女の子です。私自身はそこまで没頭できないので、好きなことに全力で向き合えていいなと思います。
丸子は学校では優等生みたいな見た目なのですが、プライベートでは服装や髪型も個性的で面白いんです。自分なりにオシャレを研究していて、お父さんのお下がりのベストや大きめのズボンを着たり、お母さんが若い頃に買ったヘアバンドを付けたりして、全体的に見るとどこかチグハグなファッションなんです(笑)
撮影のときはヘアメイクさんと相談しながら髪型を決めました。「格好良く決まりすぎると丸子じゃないよね」と話しながら、面白いヘアスタイルにしていました。髪の毛を全部細かい三つ編みにしてみたり、今までやったことがないような髪型にしているのでそこも楽しんでもらえたらうれしいです。
――當真さんと丸子は似ていますか?
丸子は高校受験の面接でもハキハキと自分のペースで答えられる女の子なのですが、私はその場の空気に飲まれてしまうので違うタイプだと思います。自分の高校受験を思い出すと、緊張してしまうので「事前に考えておいたことだけを話そう」と決めていました。
――父親の北郎のことを丸子はどう思っているのでしょうか。
丸子は両親のことをすごく観察しているんです。だからお父さんが借金を背負っていて家計が少し苦しくても、楽しそうに暮らしている両親を見て育っているので「うちは大丈夫」と捉えているんだと思います。
北郎は丸子にとって父親というより、かっこいい憧れの人に近いんだと思います。人の役に立つことを仕事にしていることを1人の人間として尊敬しているんです。
――尾野真千子さん演じる雅美はどんなお母さんなのですか?
雅美はすごく強い心を持っている女の人です。北郎が全国を転々として家を長期間空けることもある中で、毎日を楽しんで暮らしています。無理をしているのではなく、北郎との信頼関係があるからこその明るさなんだと思います。