国土交通省鉄道局は、リニア中央新幹線開業後の東海道新幹線静岡県内駅における停車頻度の増加や経済波及効果など、東海道新幹線の利便性向上等のポテンシャルを取りまとめたと発表した。
リニア中央新幹線の開業により、現在の東海道新幹線における需要の一部がリニアに転移し、東海道新幹線の輸送力に余裕が生じると見込まれる。その輸送力の余裕を活用することで、東海道新幹線の静岡県内での利便性向上・経済波及効果等が期待されている。国土交通省鉄道局は、リニア開業に伴う東海道新幹線の輸送余力を活用した静岡県内における利便性向上と、地域にもたらす効果等について調査分析を実施した。
リニアが開業することにより、東京~名古屋・新大阪間の直行輸送需要の多くがリニアにシフトし、輸送量が約3割程度減少する可能性があり、東海道新幹線の輸送力に余裕が生じる見込み。この輸送力の余裕を活用して、東海道新幹線静岡県内駅における列車の停車回数が現状の約1.5倍程度増加するとした場合、利用者利便性が大きく向上するという。
新幹線の停車回数増加で新幹線の待ち時間短縮が見込まれ、同じ時間内でより遠くまでの移動が可能となる。あわせて新幹線駅における在来線と新幹線との乗継ぎ利便性も向上するとしている。
静岡県内駅で列車の停車回数が増加することにより、県外からの来訪者が増加し、県内を新幹線で移動する利用者の増加等が期待される。これにともない、静岡県における観光等消費が増え、10年間累計で約1,700億円の経済波及効果等をもたらすと分析している。