• 熊本阿蘇ステージで優勝したアスタナ・カザクスタンのアンドレイ・ゼイツ=8日午後0時4分、熊本県南阿蘇村(撮影・中村太一)

福岡、熊本、大分3県を舞台に開催中の国際自転車ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」は8日、熊本県南小国町から南阿蘇村までの約108キロのコースを走る「熊本阿蘇ステージ」が行われた。国際自転車競技連合(UCI)の最高カテゴリー「ワールドチーム」から唯一参戦したアスタナ・カザクスタン(カザフスタン)のアンドレイ・ゼイツが優勝。記録は2時間57分12秒だった。21秒差の2位も同チームのアントニオ・ニバリが入り、世界トップクラスの実力を見せつけた。

最終日の9日は大分県日田市内の約129キロを競い、ステージ優勝とともに、初日のエキシビション「小倉城クリテリウム」を除く3ステージの個人総合優勝などが決まる。

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世界トップクラスの実力がベールを脱いだ。強い雨の中の熊本阿蘇ステージで、アスタナ・カザクスタンの2人がワンツーフィニッシュ。優勝したゼイツは時差の影響で睡眠不足と明かしながらも「チーム全体で1位を勝ち取ることができた」と笑った。

レース後半、大会の最難所である南阿蘇村での周回コースでは、急勾配の上りにゼイツを含む先頭集団から他チームの選手が徐々に脱落。6チーム8選手に絞られたラスト5周目のゴールまで約10キロでゼイツはチームメートとともに加速し、後続を置き去りにした。

チームは2006年に始まったカザフスタンの国家プロジェクトを起源とする。ゼイツは7日の福岡ステージは17位で終えたが、暫定で個人総合トップに躍り出た。「明日も1位を守っていきたい」。気負いのない言葉に貫禄がにじみ出た。(森亮輔)