NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション10月5日、「NPS ベンチマーク調査2023」の結果を発表した。同調査は8月25日~28日、8,458名を対象に、インターネットで実施した。

  • NTTコム オンライン NPS ベンチマーク調査2023

NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを測る指標のこと。NTTコム オンライン NPSベンチマーク調査は、NPSの指標を共同開発した米国サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems)の調査手法に基づき実施している。

対象のクレジットカード会社18社のうち、NPSのトップは「楽天カード」(-27.1ポイント)、2位は「dカード」(-28.7ポイント)、3位は「ANAカード」(-29.7ポイント)だった。対象18社のNPS平均は-42.9ポイント、またトップ企業とボトム企業との差は38.7ポイントだった。

業界全体のNPSについて昨年と比較をしたところ、業界平均は4.2ポイント低下しており、特に昨年のNPS上位企業3社ではNPSが大きく低下している。

NPSが大きく低下した昨年の上位企業3社に絞り、昨年と今年の満足度を比較したところ、差分の大きい上位5項目としては、「ポイント・マイルの交換景品や移行先の豊富さ」や「ポイント・マイルの貯まりやすさ・還元率」、「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」といったロイヤルティに与える影響も大きいポイント・マイルに関連する項目がみられた。

  • 2022年のNPS上位企業における満足度項目の昨年比較 (差分の大きい上位5項目)

業界全体のロイヤルティを醸成する要素としては、「ポイント・マイルの利用手続きのしやすさ」のほか、「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」、「カードのブランドイメージの良さ・ステータス」といった項目となった。

  • 業界全体のロイヤルティ要因分析(ドライバーチャート)

今後の改善が期待される項目としては「ポイント・マイルの交換商品や移行先の豊富さ」や「店舗での商品やサービスの割引、ポイント付与など特典の充実度」といったポイントやマイルに関連した項目となっている。会員向けの特典やキャンペーン、Webサイトの使いやすさ・分かりやすさ、会員専用ページや公式アプリ、メルマガ、会報誌などのコミュニケーションの充実度でも今後の改善が期待される結果となっている。

クレジットカード会社から発信される情報において、利用者の利用状況に応じた情報発信(パーソナライズ化された情報)が役に立っているか聞くと、「過去に購入・利用した商品やサービスに関連したレコメンド情報」は5.9%、「検索履歴に応じた商品やサービスのレコメンド情報」と、「ライフスタイルに合わせた商品やサービスのレコメンド情報(誕生日や記念日など)」はいずれも3.8%にとどまった。

  • カードステータス別に見た、パーソナライズ化された情報が役に立っている利用者の割合

利用しているクレジットカードにおいて、QRコード決済や電子マネー、またApple PayやGooglePayといったスマートフォン決済のサービスを連携させている利用者は18.0%だった。これらの決済手段をクレジットカードに紐づけている利用者別にNPSも分析したところ、QRコード決済や電子マネー、スマホ決済を連携させている利用者のNPSは-37.7ポイントとなり、連携させていない利用者に比較して高かった。

  • QRコード決済や電子マネー、スマホ決済を連携させている利用者の割合

今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.5ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.2ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となった。

  • 推奨セグメント別継続利用意向