昨年解体された建築家・黒川紀章の代表作「中銀カプセルタワービル」を構成していたカプセルを活用した新スペース「SHUTL(シャトル)」が、東銀座の東劇ビルの隣接地に10月7日にオープンする。

  • 「SHUTL(シャトル)」外観

銀座エリアにおける文化的シンボルとして知られ、メタボリズム建築を代表する「中銀カプセルタワービル」。そのカプセル2基を松竹が取得・再利用し、“伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場=ラボ”として、東銀座エリアの文化の発信拠点となることを目指す。

  • 中銀カプセルタワービル(画像提供:中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト)

「SHUTL(シャトル)」は、伝統文化と現代のカルチャーの融合や日本文化の新陳代謝の促進を目的に、2基のカプセルを含む空間を活用したアートや工芸作品の企画展示・販売、映像上映などのイベントの自主企画とスペースレンタル事業を、松竹と協働で事業に参画する株式会社マガザンのキュレーションにより行っていくという。

カプセル2基のうちのひとつ、「CAPSULE A - A906(ORIGINAL)」は、竣工当時の姿に修復された8.5平方メートルのオリジナル・カプセル。当初はビジネスマンのセカンドハウス/オフィスとして構想されていた。

  • 「CAPSULE A - A906(ORIGINAL)」

  • 「CAPSULE A - A906(ORIGINAL)」

もう1基の「CAPSULE B - A1006(SKELETON)」は、内装を取り払い解体したカプセルの姿を残した、10平方メートルのスケルトン・カプセル。

  • 「CAPSULE B - A1006(SKELETON)」

  • 「CAPSULE B - A1006(SKELETON)」

2つのカプセルの間の空間と、敷地内に設けられた屋外スペースを含めて、さまざまな表現に対応できる場を創出する。レンタルスペースとしては、展示会、映像上映会、トークイベント、取材会場、撮影、音楽イベントなどでの利用を想定している。カプセルAのみ、カプセルBのみ、全スペースの利用も可能で、収容人数は定員30名。常駐のスタッフが、接客や物販の補助や代行にも対応する(手数料は別途)。

  • 竣工当時の姿に修復された「CAPSULE A - A906(ORIGINAL)」の外観。手前の空間が「FREEDOM SPACE」

また、オープニングを飾る最初の自主企画展示として、10月13日から11月5日まで、シリーズ展示企画「伝統のメタボリズム」の第1期展示「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」を開催。詩や現代美術、デザインといったカテゴリーからアーティスト・クリエイターを選出し、最果タヒ+佐々木俊、松田将英、三重野龍などのアーティスト作品を展示する(入場無料)。

また、10月7日と8日には一般公開を実施。オリジナルグッズの販売も予定しており、展示物がない状態で2基のカプセルとその収容空間を自由に内覧できる、貴重な機会となる。時間は13:00から19:00まで(入場無料)。

■information
SHUTL(シャトル)
東京都中央区築地4-1-8
開業:2023年10月7日
開廊:月・木・金・土・日・祝 (13:00~19:00)/火・水休