秋の全国交通安全運動に合わせて、西東京・田無の田無神社境内にて安全祈願イベントが開催され、「警察官がデザインしたラッピングタクシー」がお披露目された。
警察官デザインのラッピングタクシーがお披露目
秋の全国交通安全運動は、交通安全思想の普及と浸透を図り、交通ルールの順守と実践を習慣づけるために開催されており、さまざまな取り組みが行われている。
道路交通法の一部改正により、令和5年4月1日から自転車に乗る際にヘルメットの着用が努力義務化。
警視庁によると、自転車の死亡事故の多くが頭部へのダメージが原因となっており、この日お披露目されたラッピングタクシーには、自転車のヘルメット着用を促すイラストが描かれている。
このラッピングタクシーの実現は、交通安全ポスターを目にした大和自動車が、タクシー事業者として事故防止啓発の一助となりたいと発案し実現したもの。
田無警察署の河本署長は「これから交通事故が増える傾向にある。イベントを機に、交通事故が一件でも減るようになれば」と願った。
そして、大和自動車交通 執行役員 下田安全管理部長は「このラッピング車両が西東京市内を中心に走ることにより、自転車のヘルメット着用と交通ルール順守の徹底について、1人でも多くの方に意識してもらいたい」と話した。
イラストを手掛けた同署 交通課の池田巡査部長は「イラストの作成には、たくさんの人の応援を受けて、本当に励みになりました。これを機に交通安全の意識がみなさんの中にどんどん広がっていけば」とコメントした。
イラストは通常業務の合間を縫って作成されたが、業務用パソコンを使って書いているため、イラストレーターなどのイラストソフトを使うことができず、マイクロソフトのオフィスを駆使して制作されたという。
車体には白と水色がベースのさわやかなイラストと、赤と黒がベースのインパクトのあるイラストが描かれているが、乗車側にさわやかなイラストを配置し、子どもが怖がらないように配慮した。
自転車安全利用指導啓発隊(BEEMS)の平野氏(警視庁交通総務課交通安全対策第二係)は「日頃、交通安全啓発や自転車の実技教室などに参加しております。実は、ポスターはタレントさんを使うことが多いんですが、私がイラストを使おうと企画させていただきました。それがこのような形でラッピングタクシーになることを本当に嬉しく思います。1件でも事故を無くせるよう、引き続きよろしくお願いします」とあいさつした。
イベントには近隣の保育園から子どもたちも駆けつけ、ラッピングタクシーとの記念撮影も行われた。
「もしラッピングタクシーや白バイ、パトカーを見かけたら、手を振ってもらえたらとってもうれしい。でも、道路に飛び出したりはしないでくださいね」と伝えられた子どもたちは、笑顔でその言葉に応えていた。
イベント後には、ラッピングタクシーをはじめ、警察車両や自転車部隊などにより、西武鉄道新宿線「田無駅」前まで交通安全パレードが行われた。沿道に居合わせた人々は足を止めてタクシーなどを見守った。