放送開始40周年を迎えた特撮テレビドラマ『宇宙刑事シャリバン』(1983年放送)のBlu-ray BOX(全3巻)とVシネマが、東映ビデオより新価格となって2023年12月6日に廉価販売されることがわかった。さらには『シャリバン』メインキャストが集結する記念イベント【宇宙刑事シャリバンSHUKETSU 】が12月17日に開催されることも発表された。
『宇宙刑事ギャバン』(1982年)に続く「宇宙刑事シリーズ第2弾」となった『宇宙刑事シャリバン』は1983年3月に毎週金曜よる7時30分というゴールデンタイムに放送された。前作『宇宙刑事ギャバン』で宇宙犯罪組織マクーを撃滅し、銀河パトロール隊の隊長に昇進した宇宙刑事ギャバン/一条寺烈(演:大葉健二)の後任を務める宇宙刑事シャリバン/伊賀電(演:渡洋史)は、地球を狙う邪悪な宇宙犯罪組織マドーを相手に、若い生命を燃え上がらせて戦い抜く。これが『シャリバン』の基本設定だ。
ギャバンが銀色のコンバットスーツをわずか0.05秒で「蒸着」するのと同じく、シャリバンは赤いソーラーメタル製のコンバットスーツを1ミリ秒(0.001秒)で「赤射蒸着」するなど、ヒーローキャラクターの設定は『ギャバン』で好評だった部分を多く継承している。特撮ファンの血を熱くたぎらせる主題歌を生み出した、「作詞:山川啓介、作曲:渡辺宙明」のコンビもそのままだ。『シャリバン』は『ギャバン』パート2として、スタッフが前作のノウハウを活かしつつアクション、ドラマ、特撮など各方面の強化を目指し、ハイクオリティな映像作りに情熱を燃やしていたことがうかがえる。
『シャリバン』では、悪のマドーに挑む伊賀電のストレートな「怒り」を赤射というビジュアルに落とし込むような演出が回を重ねるごとに研ぎ澄まされていき、幅広い世代のファンを魅了していった。マドーによって不幸な状況に追い込まれた市井の人々を助けるため、わが身を捨てる覚悟で危険な罠へ飛び込んでいく電。その人間味あふれるドラマは上原正三氏、高久進氏に代表される実力派の脚本家や、小林義明氏、田中秀夫氏、小笠原猛氏など東映特撮ヒーローを支えた演出陣の手腕によって、フィルムに焼き付けられた。
とある事件をきっかけに自らのルーツを知ることになった電が、滅亡した遠い祖先の復讐と故郷(イガ星)の再生という重大な使命を背負う第19話「魔境岬に一人立つ神秘の少女」第20話「荒波が呼ぶ七色水晶の孤島」の前後編や、死霊界から来た軍師レイダー(演:安藤三男)の精神攻撃でダメージを受けた電が、安らかな楽園のような「死の国」への誘惑を断ち切り、無限の荒野にしか見えない「生の国」に踏み出す=どんなに苦しく、辛くとも生き抜くことを誓う第34話「総毛立つ幽鬼は死霊界への案内人」などは、苦難を乗り越えて高みを目指すヒーロー像を追い求めた『シャリバン』ならではのドラマチックなエピソードとして、長きにわたって多くのファンから愛され続けている。
Blu-rayBOXのVOL.1にはテレビシリーズ第1~18話、VOL.2には第19~35話、VOL.3には第36~51(最終)話を収録。いずれもネガスキャンHDリマスターが行なわれ、最高水準の高画質でパッケージ化されている。今回はさらに、2014年にリリースされたVシネマ『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION』も廉価販売が決定。初代シャリバン/伊賀電からそのコードネームを受け継いだ二代目宇宙刑事シャリバン/日向快(演:三浦力)が、新たなる宇宙の脅威に挑むバイオレンス風味のSFアクションドラマを、特撮ヒーロー界の第一人者・坂本浩一監督が演出。姉妹編となる『宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION』と合わせ、新世代の宇宙刑事像を打ち立てた作品となっている。
2023 年12 月17 日に、東京都立産業貿易センター台東館「アメイジング商店街7」内にて開催される『宇宙刑事シャリバン』放送40周年記念・Blu-rayBOX発売記念イベント【SHUKETSU】は、10月6日18:00からチケットが販売開始となる。
出演は、宇宙刑事シャリバン/伊賀電役の渡洋史、女宇宙刑事リリィ役の降矢由美子、銀河連邦警察の長官秘書マリーン役・名代杏子、電の友人であるルポライター大山小次郎役・鈴木正幸、ギャバンの父ボイサー(演:千葉真一)の親友・星野博士の娘で、後に宇宙刑事になるためバード星へ旅立つ月子役の立花愛子、宇宙犯罪組織マドーの幹部ドクターポルター役の吉岡ひとみ、同じく幹部ガイラー将軍役の栗原敏、女スパイのミスアクマ1(二代目)役・長門美雪。さすが放送40周年記念と銘打つだけあって、かつてない人数の番組オリジナルキャストが文字どおり会場へ「集結」。抜群のチームワークとプロ意識で作り上げた『宇宙刑事シャリバン』への熱い思いを語りあってくれるのではないかと、大いに期待させられる。
主催:昭和特撮同窓会プロジェクト 東映ビデオ株式会社 共催:合同会社マクラウド (C)東映