ゴジラやウルトラマンなど、特撮モノでもお馴染みの「怪獣」。毎回大暴れしては街を壊し、人々を窮地に追いやるとてもやっかいな存在ですが、こちらの怪獣はちょっと事情が違うようです。

スーパー大喰獣シリーズ④
卵包米獣オムライノス
(@s_kumacoより引用)

  • (@s_kumacoより引用)

画像をXにポストしたのは、フリーデザイナーの「クマコロ@擬生物作家(@s_kumaco)」さん。「スーパー大喰獣シリーズ④」と題し、「卵包米獣オムライノス」と名付けられた怪獣のイラストを投稿し、注目を集めています。

そこにはオムライスをモチーフにした怪獣が描かれており、トロトロの卵がとても美味しそうである一方、恐竜の鱗のようなケチャップライスのトゲトゲ感や目つきの鋭さが勇ましく、いろんな意味でとても魅力的な怪獣に仕上がっています。「古代種」は昔ながらの洋食屋さんのオムライス風にデザインされているのも面白いですよね♪

食べ物を怪獣にするという発想が斬新で、見ていて楽しいですし、急にお腹が減ってきます……!!

このイラストは大きな反響を呼び、1.5万件のリポスト、10.8万件のいいねを獲得(9月7日時点)。「卵のふわとろ感とご飯部分の恐竜感好きです! 」「威嚇姿が斬新。こんなオムライス見れないもんね」「凄い発想だ…! 」「かっこいい おいしそう…並んじゃいけない言葉が並んだ気がする??」「半熟トロトロ具合がたまらない怪獣だ…いただきます」「Very cute!」など、数々のコメントも寄せられました。

投稿主さんに聞いてみた

大人気となったこのイラストについて、作者のクマコロさんにもう少し詳しい話をお聞きしました。

ーー食べ物を怪獣にしてみようと思ったきっかけや理由などを教えていただけますか?

擬獣化については、学生時代の課題がきっかけでした。「野菜」をテーマにした広告を作る課題だったのですが、さまざまな年齢の人に押し付けがましくなく、興味を持っていただける手法が「擬獣化」ではないかという考えから、野菜「ベジタリオン」シリーズを作ったのが始まりでした。
(始まりは10年以上前になりますが、この「ベジタリオン」はより種類を増やし図鑑として2023年にリメイクしています)

  • 野菜の生態図鑑『新ベジタリオン図鑑』(@s_kumacoより引用)

それ以降は、一瞬、生き物にも食べ物にも見える面白さやひらめきを共有したくて活動を続けています。さらに、もともと絶滅動物やその図鑑が好きで、誰も実物を見たことがないが確かに「いるかもしれない」と思うロマンを形にしたくて「食べ物の擬獣化、その生態図鑑」という作風になっていきました。

ーー擬獣化の中でも、「怪獣」にした理由はありますか?

活動を続けてきたうえで、「食卓で特撮風怪獣バトルやったら面白いのでは?」という発想がきっかけでした。その中でも、からあげの怪獣「カラアゲラ」は最初に出したアイデアで、油から浮き上がってくるその姿はそのまま怪獣映画風になるな…という確信(?)から『スーパー大喰獣』シリーズで作っていこうと描き始めました。

  • スーパー大喰獣シリーズ『鶏唐獣カラアゲラ』(@s_kumacoより引用)

  • スーパー大喰獣シリーズ②『茹潰獣ポテサラス』(@s_kumacoより引用)

ーー描いていて気をつけているところや楽しいところなどお聞かせいただけますか?

あまり元モチーフの形をいじらず、パッと見た瞬間一瞬見間違えるような「見立て」を大切にしてます。これがうまくいって、遠くから見た時に食べ物にしか見えなかった時が一番楽しいです。

ーーこれまで特に反響があったキャラクターがいたら教えてください。

まずは寿司を擬獣化した「スシニギリス」シリーズ、中でもサーモンの寿司の「サーモンニギリス」です。

  • スシニギリスシリーズ『サーモンニギリス』(@s_kumacoより引用)

そしてリンゴを剥いている途中の皮を首に見立てた「リンゴドラ」。

  • 『リンゴドラ』(@s_kumacoより引用)

オムライスの怪獣「オムライノス」、トンカツの怪獣「カツラス」などです。

  • スーパー大喰獣シリーズ③『揚豚獣カツラス』(@s_kumacoより引用)


どれも好奇心を掻き立てられるような、とても素敵な怪獣たちですよね。クマコロさんは、今回の「オムライノス」など、食べ物擬獣化の同系列の自作図鑑やソフビを、クリエイターショップで販売しています。

また、今年の10月には寿司を擬獣化した「スシニギリス」というオリジナル作品のガチャが発売されるとのこと。クマコロさんのイラストが気になった方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね♪