「日本三大がっかり観光地」と呼ばれてしまうスポットをご存知ですか? 札幌市時計台、はりまや橋、オランダ坂がそれに当てはまるという声があります。

有名な観光スポットであるにも関わらず、「実際にでかけてみたらちょっと期待外れだったな」と言われてしまうこれらの観光地。本記事ではマイナビニュース会員にアンケートを実施し、「がっかり」と思った理由を紹介したうえで、改めてその見どころを探っていきます。

日本三大がっかり観光地とは

  • 日本の三大がっかり観光地とその理由

    意外とがっかりな日本の観光地

写真でよく見かける有名スポットなのに、行ってみたらちょっと期待外れ。そんな「三大がっかり観光地」と呼ばれてしまうこともあるのが、札幌市時計台(北海道札幌市)、はりまや橋(高知県高知市)、オランダ坂(長崎県長崎市)の3カ所です。

「三大がっかり観光地」は別の組み合わせで呼ばれることもありますが、本記事ではこの3カ所に注目して紹介します。

札幌市時計台、はりまや橋、オランダ坂に行ったことはある?

札幌市時計台、はりまや橋、オランダ坂のいずれかに行ったことがあるという人は、どのくらいいるのでしょうか。マイナビニュース会員517人に聞いてみました。

はい 66.3%
いいえ 33.7%

アンケートでは、3カ所のうちどれか1つでも行ったことがあると答えた人が、全体の6割以上という結果に。さすが有名スポットというだけあって、多くの人が訪れたことがあるようです。

札幌市時計台とは? 見どころとがっかりな点

  • 札幌の時計台

    意外とがっかり札幌時計台

札幌市時計台とは、まるで人形の家のように、赤い屋根と白い壁がかわいらしい時計塔。時計は毎週ネジ巻きの作業が行われ、今も正しい時刻を札幌の街に知らせています。

この札幌市時計台は、正式名称を「旧札幌農学校演武場」といいます。札幌農学校とは北海道大学の前身となる学校で、1876年に開校。教頭で招かれたクラーク博士は、かの「少年よ 大志を抱け」という言葉でも有名ですよね。

そのクラーク博士の提言によって建設されたのが、演武場でした。演武場は入学式や卒業式、講演会などに使われ、そこへ1881年に設置されたのがアメリカの「E・ハワード社」製の時計装置です。

現在、札幌市有形文化財、国の重要文化財、「日本の音風景百選」などに選ばれている札幌市時計台。内部が資料館として公開され、その歴史を写真や物品で垣間見ることができます。

見どころ

1. 歴史的な建造物
アメリカのコロニアル様式とされる古風な外観と、今も現役で時を知らせる時計の存在感。建物全体から、明治期より続く歴史的な重みを醸し出しています。

2. 展示室
2階の展示スペースには、札幌農学校の歴史や札幌の開拓時代について、また時計が取り付けられた当時の様子などを学ぶことができます。

3. 美しい夜景
日没後、時計台はライトアップされます。LEDライトで浮かび上がる時計の姿は荘厳で、幻想的。とくに冬は時計台の周囲に積もる雪も照らされ、一層、ロマンチックな雰囲気が楽しめます。

意外とがっかりな点

「思った以上に小さく、また街中にあるので目立ちません」(54歳男性)
「自分が想像していた時計台より小さく感じた」(48歳女性)
「昔は目立ったのかもしれないが、今は周りに目立つ建物が多すぎ」(42歳男性)
「周りの騒音に消されて鐘の音が聞こえない」(55歳男性)
「思っていたよりもかなり小さくて逆に驚いた」(49歳女性)
「前もってわかっていたので、それほどがっかりはしなかった記憶があります。ただ、確かに小さいなあという感想でした」(29歳男性)
「時計台は、北海道の開拓の象徴の意味はあると思いますが、周りの建物と比較すればあまりに小さく見えてしまう」(60歳男性)
「周りの建物が近代的で、歴史的建造物とあわない感じがします」(66歳男性)
「写真を撮ろうと思ったら全体を撮る時にどの位置にいればいいのかイマイチつかめなかった」(44歳女性)
「周囲を完全にビルに囲まれていて、時計台だけを写真に入れるアングルがどうしても見付からなかったこと」(54歳男性)

はりまや橋とは? 見どころとがっかりな点

  • 高知はりまや橋

    意外とがっかりはりまや橋

はりまや橋とは、高知県高知市にある朱色の橋。高知市内でもっとも交通量が多いとされる、はりまや橋交差点にあります。

江戸時代、堀にかけられた橋が起源で、何度も架け替えが行われるなかで朱色の欄干が加わり、今の姿へつながっています。堀は埋め立てられましたが、現在は親水公園として整備され、付近には水の流れが再現されています。

はりまや橋といえば、江戸時代に町をにぎわせた僧侶と町娘による恋物語の舞台として有名。地元に伝わるよさこい節には、「土佐の高知のはりまや橋で坊さんかんざし買うを見た」という一節も登場します。

見どころ

1. 朱色の欄干
交差点に面してたたずむ、朱色の欄干。晴天時に訪れると、太陽の光が当たって一層鮮やかに見えます。隣に植えられた柳の木も、江戸時代の雰囲気を演出しています。

2. はりまや橋公園
付近は親水公園として整備されており、水のせせらぎを感じることができる空間に。恋物語に登場する僧侶と町娘のモニュメントや、はりまや橋の昔の姿も復元されています。

3. 『南国土佐を後にして』の歌声
1959年に大ヒットした『南国土佐を後にして』の歌碑が設置され、1時間おきに歌手・ペギー葉山さんによる歌声が流れます。

意外とがっかりな点

「高知で有名な観光名所だったのでとても期待していたが、いざ行ってみたら、こんなに小さく短い橋で、あまりにも期待と外れていてがっかりした記憶がある」(61歳男性)
「川が流れていない。欄干だけポツンとある」(53歳男性)
「ものすごい大通りにあり、ものすごく短かった」(51歳女性)
「単なる飾りに感じました」(69歳男性)
「天気が悪く、周りにも特にこれといったものがなかった」(31歳男性)
「ものすごく小さくて、観光向け」(43歳男性)
「人混みだったので、あまり風情がなくこちらもがっかり」(66歳男性)
「街のど真ん中にあって特に何も思わなかった」(37歳男性)
「完全に観光のための橋としか思えなかった」(27歳男性)
「国道の横にあり、朱塗りでしたが10mくらいの可愛らしい橋でした」(55歳男性)
「はりまや橋のがっかり感は有名で、逆に親しみが感じられた」(51歳男性)

オランダ坂とは? 見どころとがっかりな点

  • 長崎のオランダ坂

    意外とがっかりオランダ坂

オランダ坂とは、長崎県長崎市にある石畳の坂道のことです。大浦天主堂やグラバー邸など、外国人居留地跡に残された坂道で、当時、日本にいた外国人を「オランダさん」と呼んでいたことから、この地区の坂道が「オランダ坂」と呼ばれるようになったと言われています。

長崎市内にはオランダ坂と呼ばれる坂がいくつもあったそうですが、現在は主に活水女子大学付近の坂を指しています。

見どころ

1. 風情ある石畳の坂
ヨーロッパを思わせる石畳の坂道は、映画やドラマのロケ地ともなっています。

2. レトロな西洋建築
外国の領事館などに使われていた、レトロな西洋建築を目にすることができます。なかでも「東山手甲十三番館 」は無料で見学することができ、併設のカフェでのんびりくつろぐことも可能。

3. 坂の上からの眺望
坂を上って振り返れば、レトロな洋館などが建ち並ぶ長崎の町を眺めることができます。

意外とがっかりな点

「石畳は素敵なんだけど、これといった見どころがなかった」(43歳男性)
「何がオランダなんだろうと思いました」(49歳女性)
「坂が結構つらかったです。場所自体は良かった」(47歳男性)
「思ったより現代的な町並みになってしまっていた」(40歳男性)
「周りの建物とかの方が印象的で、オランダ坂の印象はない」(36歳男性)
「普通の坂道だったなと思います」(26歳男性)
「周囲の建物や町並みは雰囲気があったが、わりと普通の坂だった。写真を撮っても観光名所という感じがしない」(40歳女性)
「想像以上に短い」(48歳男性)
「長崎には坂がいっぱいあるのでインパクトが弱いが、オランダ坂には歴史があるのでその点で印象に残りました」(51歳男性)
「普通に居住地にあるような坂。オランダ坂というネーミングに期待していたからちょっと期待外れだったが、長崎らしい光景で、特にがっかりまではしなかった」(61歳男性)
「神戸の異人館のような感じを期待していた。ハウステンボスは楽しかったので旅的には満足」(50歳女性)

札幌市時計台、はりまや橋、オランダ坂で一番がっかりしたのは?

それでは、3カ所のうちで一番「がっかり」が大きかったのはどこなのでしょう。

札幌市時計台 35.9%
はりまや橋 22.4%
オランダ坂 12.5%
全部は行ったことが無い 29.2%

札幌市時計台で一番がっかり点

「思った以上に小さく、街中にあるので目立ちません」(54歳男性)
「札幌時計台の後ろに高層ビルが建っていて景観が悪い」(48歳男性)
「小さい建物なのに、街のなかに埋もれてる感じが残念」(50歳女性)
「もっとロマンチックな時計台だと思っていたが、昼間に行ったので。夜がどうかは気になる」(56歳男性)

はりまや橋で一番がっかりした点

「単なる飾りにしか感じなかった」(69歳男性)
「きれいに塗装されているが、昔ながらの雰囲気がなく最近できた感じがする」(50歳男性)
「車で行くと、一瞬で通り過ぎる」(61歳男性)
「観光のために作られている感じがしたから」(57歳女性)
「ものすごく小さくてがっかりした」(43歳男性)

オランダ坂で一番がっかりした点

「ただの坂道にしか思えなかった」(53歳男性)
「西洋文化を感じられるかと期待していた」(66歳男性)
「雨で歩きにくかったこと」(44歳男性)
「思ってたよりも普通だったところ」(50歳男性)
「現代的な町並みになってしまっていた」(40歳男性)

「がっかり」だけじゃない! 見どころを総おさらい

「日本三大がっかり観光地」と呼ばれてしまう、札幌市時計台、はりまや橋、オランダ坂について紹介してきました。

アンケートに寄せられたコメントを見ると、「がっかり」の理由は主に「思ったより小さい」「名前の由来がわからない」「ほかに見どころがない」などが多いようです。

写真や絵はがきで見かけて「素敵だな、行ってみたい」と出かけたところ、イメージと違っていたらやっぱりショックですよね。それならば、この記事で紹介したようなコメントを事前に読んでみるのもいいかもしれません。

ここで、3カ所の見どころを総おさらいしてみます。

札幌市時計台の見どころ
1. 歴史的な建造物
2. 展示室
3. 美しい夜景

はりまや橋の見どころ
1. 朱色の欄干
2. はりまや橋公園
3. 『南国土佐を後にして』の歌声

オランダ坂の見どころ
1. 風情ある石畳の坂
2. レトロな西洋建築
3. 坂の上からの眺望

札幌市時計台の見どころ

札幌市時計台の見どころは、やはり歴史を感じる建物でしょう。がっかりポイントに「思ったよりも小さかった」とあげる声もありますが、このサイズ感も明治時代の建物だからこそ。

一見、無機質に見える時計も、今なお現役で正確な時刻を知らせるために余計な装飾なく、その役割を全うするためと思えば健気に見えてくるはず。高層ビルに囲まれても負けじと働いてくれています。

冬の夜のライトアップはぜひ生で見てみたいものです。

はりまや橋の見どころ

はりまや橋の見どころは、鮮やかな朱色の欄干。映えスポットとして写真を撮るのにぴったりですね。周囲も親水公園として整備されているので、のんびり一休みするのにもうってつけです。ペギー葉山さんの歌声が流れる昭和レトロな雰囲気にも癒やされそう。

オランダ坂の見どころ

オランダ坂の見どころは、建物好きにはたまらない西洋建築に触れられるところでしょう。外国の領事館などとして使われていた建物に入り、カフェで休憩しながら当時の様子に思いを巡らすのは何とも贅沢な時間です。

「オランダ」という名前が、かつてこの辺りに暮らしていた外国人を「オランダさん」と呼んでいたことが由来だとわかっていれば、また印象も変わってくるのではないでしょうか。

下調べしておけば、「がっかり」も変わるかも!?

札幌市時計台(北海道札幌市)、はりまや橋(高知県高知市)、オランダ坂(長崎県長崎市)についてご紹介してきました。

「日本三大がっかり観光地」とも呼ばれてしまうこれらのスポットですが、歴史がわかれば名所となった理由も見えてくるはず。これから出かけてみようという方は、今回ご紹介したようなコメントを読んでからにすれば、「がっかり」の度合いが変わり、新たな魅力が発見できるかもしれませんよ。

調査時期: 2023年7月21日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計517人(男性: 396人、女性:121人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート