現在公開中の『映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』キャスト・スタッフトーク付き応援上映が2023年8月23日に東京・新宿バルト9で開催され、佳久創、雛形あきこ、そして監督・上堀内佳寿也氏と脚本・高野水登氏がステージに立ち、つめかけたファンからの盛大な拍手と歓声を浴びた。

  • 左から高野水登氏、佳久創、雛形あきこ、上堀内佳寿也監督

『映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』は『映画 仮面ライダーギーツ 4人のギーツと黒狐』(監督:中澤祥次郎)との2本立てで、2023年7月28日から全国劇場にて上映中。クワガタオージャー/ギラ(演:酒井大成)がチキューの5王国のひとつ「シュゴッダム」の正式な王となる日を迎えた瞬間、「死の国ハーカバーカ」の扉が開き、王たちがさまざまな試練に挑む……というのが『アドベンチャー・ヘブン』のストーリーである。

農業の国トウフの王殿様、ハチオージャーに「王鎧武装」するカグラギ・ディボウスキを演じる佳久創。大きな声でのリアクションや、サイリウム&ウチワを手にしての鑑賞がOKな「応援上映」に向け、テンションが高まった客席からは「カグラギ殿~!」「王殿様~!」といった熱い歓声が飛び交い、カグラギ人気の高さを表していた。

映画ゲストの1人、死の国ハーカバーカでカグラギを迎えた前トウフ国女王殿・イロキを妖艶かつ豪快に演じ上げた雛形あきこ。

テレビシリーズや今回の映画など『キングオージャー』のミステリアスかつドラマチックなストーリーや魅力的な人物造形を担う脚本家・高野水登氏は「キングオージャーのオタクを代表して来ました!」と明るい表情で挨拶し、作品やキャラクターにかける深い愛情のほどを示した。

テレビシリーズ第1~5話で作品世界の骨子を作り上げたメイン監督・上堀内佳寿也監督は「どうも。高野水登のドレイの上堀内です」と、かつてない斬新なヒーロードラマを作り上げるべくタッグを組んでいる相棒との深いつながりを思わせる挨拶を行った。すると高野氏から「あっ、風評被害だ! 逆ですよ逆!」と勢いのいいツッコミが入り、MC(スーパー戦隊親善大使・松本寛也)から「めちゃめちゃしゃべるなあ!」と高野氏について驚きのリアクションが引き出された。

7月28日の公開日から約1ヶ月がすぎようとしている現在、舞台挨拶に雛形が登場したのは今回が初めてだという。まさに「満を持して」の登場ということで、ステージ上の雛形にはファンからの熱い拍手が巻き起こった。

佳久は「豊穣の王殿様、カグラギ・ディボウスキ~」と、大見得を切りながらの挨拶を披露し、客席を大いに沸かせた。

軽妙なトークで場を盛り上げる高野氏だが、実は『キングオージャー』イベントで人前に立つのが初めてということで、かなりの緊張があったことを明かした。そして「緊張をほぐすお守りとして、もっふんを持ってきました。私物です!」と、自分で購入した「黒子巾着」の中から取り出した「もっふん」のマスコットを見せ、胸ポケットへしのばせた。

今回『キングオージャー』映画へのオファーが来たことについての感想を尋ねられた雛形は「誰よりも、主人が喜んでいました(笑)」と、夫であり『仮面ライダー剣(ブレイド)』(2004年)で仮面ライダーギャレン/橘朔也を演じたことで知られる俳優・天野浩成が喜んでくれたことを明かし、会場をほほえましさで包んだ。さらに雛形は「前日に特製のウチワを作っていて『持っていけ』と言われましたが、さすがに……置いてきました。だって『バンザイして』っていう独特なメッセージなんですよ。こういうとき、バンザイってリクエストするものなんですか?」と、天野の作った応援用ウチワのメッセージが個性的すぎたため、持参しなかったと話した。

佳久は、天野の思いを汲んで「バンザイ」のリクエストに応えようと、みんなで両手を挙げながら「トウフ国バンザイ!」と叫んでニッコリほほえんだ。

撮影時のエピソードを話す佳久は「実は僕、天野さんと幼少のころ繋がりがありまして、そのため雛形さんとお会いした際、めちゃくちゃ緊張していたんです。映画の中で、カグラギとイロキは過去どういうつながりがあったんでしょうね、とお尋ねしたとき、僕のことキモくなかったですか?」と、雛形に質問。すると雛形は「映画の中でイロキとカグラギが2人でいるシーンは短かったから、2人の関係性についてすりあわせをしたかったんだな、真面目な方だなって思っていました」と、佳久の演技に対する真剣な取り組みを高く評価し、その後になって天野との関係を知り、驚いたと語った。

高野氏は雛形とは撮影現場で一度も会う機会がなかったため、今回が初めて直接言葉を交わす場となったといい「映画でイロキが高笑いをしていたシーンは台本になかったのですが、画面を観ていてすばらしい解釈だと思いました。あの芝居はどうやって生まれたのでしょうか」と、クリエイターならではの質問をぶつけた。これに対し、雛形は「台本にはククク……と低めの笑いをイメージして書かれていましたが、低い笑いはもう一人の王様(ライオニール役・中村獅童)がやると想像し、被らないように笑い方を変えてみたいと提案しました」と、明確なる回答を示した。さらに上堀内監督から「雛形さんの高笑いを見て、台本で笑うべきセリフの次のセリフのときに笑ってほしいとお願いしました」と、画面をさらに盛り立てるアイデアが投入されたことが判明。これを聞いた高野氏は「非常にマニアックなお話を、ありがとうございました。もう悔いはないです!」と、目を輝かせながら感想を述べた。

上堀内監督は「コアな話ですけど……」と前置きしつつ「カグラギとイロキのやりとりでは、全体像を映す”引き”の画をカット割りに入れていたんですが、カメラマンの上赤(寿一)さんから『監督、あそこの引きをやめて、イロキで押さない?』って言われて。いろいろ考えたらそうだなあと思い、イロキの方を向いたカットをちょっと多めに撮っています。もうね、絵面の強い雛形さん、切り返すとまた絵面が強い佳久くん。どこを取っても濃いシーンになりました」と、ふだんは多くを語りあわず、以心伝心で仕事ができているカメラマンからの、あえての提案を受け入れたことにより、よりよい映像に仕上がったと満足そうに話した。

映画が公開されてからの反響について雛形は「私の役名はイロキなのに、『ままのイロキ』って言われます。そこが、思った反響と違うところ」と、SNS上で天野が雛形を常に「まま」と呼び、何かとつぶやきの話題に取り上げ、人気を集めていることを踏まえて苦笑気味に語った。そして「でも、嬉しいですよ。いろんな方たちがそれだけ見てくれているんだなと思いますから」と、雛形と天野の仲睦まじい様子や、天野が発する個性的なつぶやきが、多くの人々にとっての「癒し」につながっていることについて、嬉しさがあると続けた。

映画の上映に先立ち、4人と松本が客席に座ってファンと一緒に「応援上映」を体験することに。松本の「みなさん応援上映は初めてですか?」という問いに対して、高野氏は「僕は2回ほど経験しています。『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』で……」と頼もしく返答し、松本をたじろがせた。

スクリーンには、イベントのために編集された約5分の特別ダイジェスト映像(オープニングとカグラギ&イロキの場面)が流され、4人は特製のウチワやサイリウムを手にして感情の赴くまま熱く「応援」した。

雛形はマイクを手にし「このような場に呼んでいただいて、本当に光栄だなと思っています。まだ夏休みはもうちょっと続きますから、映画を何度も観てくださると嬉しいです」と、8月も後半に差しかかった現在、もっと劇場で『仮面ライダーギーツ』と『王様戦隊キングオージャー』の映画を楽しんでほしいと強くアピールした。

続いて佳久は「この応援上映、告知されたのが1週間前であったにも関わらず、2日でチケットが完売したと聞き、『キングオージャー』がたくさんの方に支持され、応援されていることがわかりました。なんといっても、トウフ国がめちゃくちゃ人気なのかな(笑)!! 今回こうして実績として残りましたので、テレビ本編でもぜひ、カグラギとイロキの過去の因縁を描くようなお話をお願いしたく、よろしくお願いいたします!」と、高野氏と上堀内監督に「カグラギ&イロキの過去編」の製作を熱烈にリクエストしつつ、これからも映画を応援してもらえるよう、客席に熱い視線を投げかけた。

最後の締めくくりとして、佳久の「トウフの民は~!」に客席のファンが「チキューイチ!!」と応えるド派手なコール&レスポンスが行なわれ、トークイベントは大盛り上がりのうちに終了した。

『映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』と『映画 仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』は現在大ヒット上映中。

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