俳優の草刈正雄が、14日に放送されるドキュメンタリー番組『ファミリーヒストリー』(NHK総合/19:30~)に出演。両親の知られざる過去が明らかになる。

  • 『ファミリーヒストリー』に出演する草刈正雄 (C)NHK

■写真さえ見たことがなかった父の姿

大河ドラマ『真田丸』(16)での真田昌幸役が大きな話題を呼んだ草刈正雄。生まれた時から母子家庭で育ち、父は日本に滞在していたアメリカ兵で、母からはずっと「朝鮮戦争で戦死した」と聞かされ、写真さえ見たことがなかった。多くを語らぬまま母が亡くなって13年。正雄は番組への出演を通じて、父を知ろうと決心した。

取材を開始したのは昨年の夏。正雄によると父の名前は「ロバート・トーラ」。しかし、同じ発音でもいくつものスペルがあるため、取材は難航を極めるが、ある追加情報が決め手となり、ノースカロライナに住む父の親族にたどり着く。

■戦死したはずの父は10年前まで生きていた

正雄はNHKのスタジオでアメリカのロケ映像を見て、初めて父の顔写真と対面する。名前は「ローバト・H・トーラー」。伯母やいとこの存在と共に、父が朝鮮戦争から生還し、10年前まで生きていたという驚きの事実を知る。

今回の取材で、ロバートは福岡の築城空軍基地に駐留していたことが判明。母・スエ子と偶然に出会い、恋に落ちたと思われる。新しい命も授かり、幸せな将来を思い描いていたスエ子だが、ある時から2人は別々の人生を歩むことになる。

その背景をロバートの姉、97歳のジャニタが初めて語る。様々な事情が絡み合い、スエ子との別れを選んだロバート。実はジャニタにも、2人の別れに責任を感じる理由があった。

■草刈正雄の決断と“驚きのラストシーン”

一方のスエ子は、正雄を一人で育てると決意。アメリカ人と日本人との間に生まれた子供への偏見が根強い時代、何度か心中を考えるほど苦しみながらも、正雄を守り抜き、まっすぐな人間に育てようとする。

初めて知る事実の連続に、ゲストの正雄もMCの今田耕司も言葉を失う。それでも正雄は、「父と母が愛し合っていたことが分かってよかった」「長い間の謎が全て解けた」と涙を流す。

スタジオでは、97歳の伯母・ジャニタから託された手紙が代読される。涙を拭きながら聞いた正雄は数日後、大きな決断をする。そして番組は驚きのラストシーンで締めくくられる。