■新人脚本家のチャンスに協力したい

――『しょも恋』の近藤監督と松本監督は当時30歳と25歳、そして『ハレーションラブ』脚本の若杉栞南さんも20代前半です。若い制作陣との出会いで感じることはありますか。

『ハレーションラブ』は、今年社会人になる年齢の脚本家さんが書いた作品でありながら、舞台が写真屋でフィルムカメラも出てくるので、僕らの世代にとって懐かしい世界観になっているなと感じました。若い方が昔ながらのアイテムを題材に脚本を書くのは面白いなと思ったんですよね。連続ドラマの脚本家というポジションで、プロデューサーと打ち合わせをしたりとか、仕事を進めていく中で大変なこともあるだろうけど、今回若杉さんがとても素敵なチャンスをいただいたということは間違いない。僕もできることを一生懸命やって、協力したいという思いです。

――制作陣だけではなく、年下のスタッフ、キャストが多い現場もあるかと思いますが、どんな思いで接していますか。

どんな部署や仕事にもつらいことや大変なことがそれぞれあるであろう中で、「この仕事って楽しいんだな」と感じてほしいと思っています。またいつかどこかの現場で再会したときに「あの作品、大変でしたけど面白かったですね」と話せたらいいなって。そう思っていただけるように、自分でできる範囲ではありますが、場を盛り上げていい雰囲気を作ることをいつも心がけています。

■若い方は皆自分の子どものようでかわいい

――眞島さんも「仕事は楽しい」と常に感じていますか。

そうですね。もちろん難しい作品や役柄をいただいたときには不安になることもたくさんありますが、自分からどこかに楽しさを見出すようにしています。年を重ねるごとに「楽しいと思わなきゃもったいない」という思いも強くなってきています。

――どんなときに楽しいと感じますか。

「あの作品見ました。面白かったです」というお声をいただけるとやりがいにつながります。あとは現場で、天気とかスケジュールとか、何かがすごくうまくいった瞬間は楽しいですね。「このタイミングでこのお弁当!? すごくいいチョイスだね!」みたいな(笑)。

――(笑)。年を重ねたほうが小さな幸せに気付けるという方も多いかもしれません。

経験を積んできた分、視野が広がりますし、楽しめることが増えていくと思います。あとは男女問わず若い方たちが皆かわいく思えて。それこそ『しょも恋』のときに矢田(亜希子)さんとも話したことなんですけど、皆が自分の子どもたちに思えて「かわいいな」って思うんです。

――その「かわいい」は、掘り下げるとどんな感情なのでしょうか。

なんでしょうね……、「頑張れーっ!」みたいな(笑)。はははは(笑)。そう思うようになってきましたね。年を重ねると、いいことがたくさんあるなと最近感じています。

■七夕の短冊に願いを書くなら愛犬の健康

――素敵な年の重ね方をされているんですね。『ハレーションラブ』では“七夕”が1つの重要なキーポイントとして登場しますが、眞島さんはいつも七夕の短冊にどんなことを書いていますか。また、七夕の思い出があれば教えてください。

七夕というと、母の実家の近くの仙台の七夕まつりの風景が浮かびます。短冊はほとんど書いたことがないのですが(笑)、もし短冊を書くとしたら、毎年きっと愛犬の健康と長生きを願う言葉を書くでしょうね。

――自分の健康より先に愛犬のことなんですね。

絶対にそうなります。

――では最後に、『ハレーションラブ』の見どころを教えてください。

登場人物が皆、さまざまな事情を抱えているので、すべてのキャラクターに対して「この人にはどんな狙いがあるんだろう」と考えさせられるドラマになっていくと思います。僕の演じる浅海は、どこで、誰の前でいるかによって見え方が変わっていくはずなので楽しみにしていてください。今(取材時点)はまだどう演じようか悩んでいるところなので、実際に見て「こうなったんだな」と感じていただければうれしいです。

■眞島秀和
1976年11月13日生まれ、山形県出身。1999年、映画『青~chong~』の主演として俳優デビュー。映画『血と骨』(04)、『フラガール』(06)、『HERO』(07)、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(14)、『愚行録」(17)、『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(19)、『破戒』、『“それ”がいる森』、『ある男』(22)や、ドラマ『海峡』(07)、『なぜ君は絶望と闘えたのか』(10)、『僕のヤバイ妻』(16)、『未解決事件~ロッキード事件』(16)、『隣の家族は青く見える』(18)、『おっさんずラブ』(18)、『サウナーマン~汗か涙かわからない~』、『坂の途中の家』、『サギデカ』(19)、『おじさんはカワイイものがお好き。』(20)、『ケイ×ヤク -あぶない相棒-』、『純愛ディソナンス』、『パパとムスメの7日間』(22)など、数多くの作品に出演している。2023年は、ドラマ『大奥「3代・徳川家光×万里小路有功 編」』、『しょうもない僕らの恋愛論』、『Dr.チョコレート』などに出演。