日本FP協会は8月8日、「就職氷河期世代に関する意識調査」の結果を発表した。調査は4月24日~26日、就職氷河期世代の中心層、かつ個人年収500万円未満である全国の38歳~46歳の働く男女1,000人を対象にインターネットで行われた。

「貯蓄・投資はしていない」も15%、半数が300万円未満

  • 〈貯蓄・投資の総額〉と〈保有資産の種類〉

    〈貯蓄・投資の総額〉と〈保有資産の種類〉

世帯の貯蓄・投資の総額を教えてもらったところ、「貯蓄・投資はしていない」(15.0%)と「50万円未満」(15.8%)が高く、5割が「300万円未満」という結果に。

保有資産は、8割が「普通預金、通常貯金」(85.1%)を保有しており、現預金志向が高い傾向に。ただし、資産運用や投資、ライフプランを学ぶ機会があった層は、「株式」「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」など、投資している割合が高い傾向となった。

  • 現在の投資・貯金の行動

    現在の投資・貯金の行動

続いて、現在の投資・貯金の行動について聞いたところ、「節約している」(64.9%)、「投資額を増やしている」(11.9%)、「貯蓄を増やしている」(11.6%)、「収入を増やしている」(7.6%)、「投資の勉強をしている」(7.8%)等の積極的な行動は、資産運用や投資、ライフプランを学ぶ機会があった層が高く、学ぶ機会がなかった層より10pt-20pt上回る結果に。

貯蓄・投資の目的については、「病気や不測の災害への備え」(40.5%)、「老後の生活資金」(61.9%)、「何となく不安だから」(28.2%)、「何となく将来のために」(36.4%)が上位となった。

  • <リタイア後のセカンドライフについての考え>

リタイア後のセカンドライフへの考えを聞くと、「リタイア後の生活費が不足するのではと不安」(82.9%)、「自分や親族に介護が必要になったときのお金が不安」(75.4%)、「子どもに残せる資産がない」(69.0%)が上位に。

また、キャリア思考について聞くと、金融の意識・習慣が積極的であるほどキャリアアップに積極的であり、資格取得や大学院等での専門知識の習得への関心が高い傾向に。また、現在正規雇用の人は、金融への姿勢が積極的であるほど、起業やフリーランスなどの自由な働き方で働きたいという希望が高くなる傾向にあることがわかった。