ユーグレナは、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとにした「パクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を8月1日に発表した。同調査は2023年7月、21,371人のゲノムデータを対象に実施されたもの。
2012年に「Flavour」誌で発表された論文によると、匂い物質の感知に関係する遺伝子(嗅覚受容体遺伝子)群の中にある遺伝子型「SNP:rs72921001」がパクチーの独特な芳香の感受性に関連していることが明らかに。
「SNP:rs72921001」という遺伝子型で「C」を持っているほど、パクチーを石鹸のような味と感じやすい傾向があり、パクチーを苦手だと感じる人が多いという。また、遺伝子型「SNP:rs72921001」の付近に存在するOR6A2という遺伝子はパクチーの独特な芳香の成分であるアルデヒドの感知に関連していると、論文では説明している(※)。
今回の調査では、遺伝子解析項目「パクチーの味の感じ方(SNP:rs72921001)」として3つの遺伝子型、「パクチーが苦手な可能性はより低めのタイプ(遺伝子型:AA)」、「パクチーが苦手な可能性は低めのタイプ(遺伝子型:AC)」、「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に分け、パクチーを食べた時に石鹸のような味と感じる「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を都道府県(出生地)別に算出し、数値化した。
解析結果より、パクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位「福井県」、2位「熊本県」、3位「三重県」、4位「和歌山県」、5位「群馬県」、6位「沖縄県」、7位「滋賀県」、8位「山梨県」、9位「神奈川県」、10位「兵庫県」となった。
また、今回の調査で、パクチーを食べた時に石鹸のような味と感じる「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する日本人の割合は52.9%で、日本人の半数以上は遺伝的にパクチーが苦手だとわかった。
さらに、「一般的なタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を人種別にみてみると、割合が多い順に、アフリカ集団(64%)、東アジア集団(47%)、ヨーロッパ集団(39%)、南アジア集団(34%)という結果となり、人種によってもパクチーの味が苦手だと感じる遺伝子タイプの割合に差があることも明らかになったという。
※Eriksson N et al. (2012) "A genetic variant near olfactory receptor genes influences cilantro preference." Flavour 1:22.