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わさびは今やチューブに入って売られているのが普通。だが、わさびの本場、静岡県では茎の状態の「本わさび」をすり下ろして使うのがむしろ当たり前。
静岡市民に聞くと「わさびの本場は全然違う!」と断言する。
「すり下ろしたのを食べたらわさびの概念が変わる」とまで言うではないか。
静岡市民も認めるわさびの本場中の本場は、伊豆だという。
温泉やリゾート施設の多い伊豆半島だが、わさびの産地としても知られている。
「甘みもある、辛くて甘い。」と深い味わいを強調。
伊豆で育ったおにいさんは「生まれた時から食卓にわさびが置かれてる。」というほど馴染んでいるそうだ。
東京のスーパーにも本わさびを置いてる店もあるが、せいぜい5本程度。
伊豆のスーパーのわさび売り場には大量50本以上が並んでいた!
同じ値段で倍くらいちがう!
伊豆のみなさんは一本ずつ見比べて慎重に本わさびを選んでいる。
「乾いてないやつがいい。」「日が経つと香りがしなくなる、伊豆に住んでればみんな知ってる。」と
みなさん語る語る。「色味が鮮やかな緑色」が選ぶ基準になっているようだ。
すりたての本わさびとともに蕎麦を食べるのが、伊豆の常識らしい。
わさび農家のお父さんが言うには、「1kgのわさびをつくるのに2トンの湧水が必要と言われます。」
そうか、きれいな水が豊富な伊豆だから、わさびが育つのか。
わさび栽培の条件は、
年間平均気温13~15℃
常に流れる大量の水
水温が12~13℃
夏の強い直射日光は避ける
という4つ。これを満たすのは他の土地ではなかなか難しそうだ。
まずお父さんが茎をむしっているのはなぜ?
「新鮮なところからする」のがポイントで、むしってからするのがおいしさのコツ。
「向きで香りや辛味が違う」のだそうだ。そして「ガリガリやらずに優しくすれば、甘みも強く出る」んだって!
「さっぱりしてるから、食欲がない時にいい。お茶をかけてもおいしいね。」って、なるほど夏なんかいいよね!
それにしても、なぜ伊豆がわさびの本場になったのか。
静岡県山葵組合連合会会長・塩谷𠮷栄さんに聞いてみた。
その後、18世紀ごろに伊豆に栽培技術が伝わり、19世紀ごろには今の畳石式の栽培方法が確立して、伊豆市が本場の中の本場になったのだ。
地元の小学生はわさびの収穫体験でわさび田に来る。取ったわさびを、なんとアイスに乗せている!
「ちょっとだけピリ辛で、おいしかった。」さすがわさびの本場!小学生までわさび好きかい!大したもんだ!
【文:境治】
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