WOWOWで8月13日からスタートする連続ドラマ『事件』の放送に先立ち、主演の椎名桔平と共演の北香那が登壇した特別試写会と2人によるトークショーがこのほど、大阪・大阪ステーションシティシネマで行われた。
本作は作家・大岡昇平が1978年に第31回日本推理作家協会賞を受賞した不朽の裁判小説。今回のドラマ版では舞台を昭和から令和に移し、圧倒的な取材をもとに当時まだ導入されていなかった裁判員裁判制度での心理戦を描写。生まれ育った環境や過去から飛び出そうと葛藤する人々の姿を通じ、閉塞した今を生きる人々の孤独や苦悩と同時に社会の闇をえぐり、その先に光る繊細な希望を描いていく。
椎名演じる主人公の菊地大三郎は過去に裁判⻑として下した判決をトラウマとして抱えながらも、抜群の洞察力と機知に富む弁舌で「裁判」という空間と改めて向き合う決意をした元エリート裁判官の弁護士。北は菊地が担当する事件の被害者で、地元で小さなスナックを経営していた坂井葉津子役を演じる。
トークショーでは本作のオファーを受けた際「まずは原作を読みました。心理描写も複雑なのでこれをドラマ化するのは大変だな、自分に弁護士役ができるんだろうか? と思った」と第一印象を語った椎名。「裁判所に傍聴に行って裁判の雰囲気を味わって。また、大阪に幼馴染の弁護士がいるので、夜な夜なメールで質問して役を作っていきました」と役作りの過程を披露。
北は「まず、私が葉津子役をさせていただけるのかと緊張感が走った。葉津子の背景を想像して、自分に葉津子を落とし込んで撮影に臨みました」「葉津子についてすごく考えて、いつもとは違う役作りでした。ずっと北香那と葉津子の境界線を歩いているような、不思議な感覚で演じていました」と撮影を振り返った。
椎名は北が演じた葉津子について「全編通じて葉津子が中心のような。葉津子を通して物語が進む。鍵となる役柄なので、あまり言えませんが、徐々に彼女が本当はどういう人物だったのかが見えてきます。みなさんにとって衝撃のシーンもあると思うので、しっかり見てほしい」とコメント。
そして最後に北が「人間関係や人の感情、正義って何なんだろう、何が正しいんだろうといろんなことを考えさせられる作品です。私は椎名さんと髙嶋政宏さんのかけ合いがとても好きで、そこも魅力だと思います。個人的には葉津子役を頑張ったので、ぜひみなさんに見ていただきたいです」と本作の魅力を語り、椎名が「裁判セットがすごくリアルで、本物の法廷よりも法廷みたい。美術さんの力を感じました。そういういろんなものに助けられていることを実感しながら演じたので、人と人のぶつかり合いが芝居の醍醐味なんだと再確認できました。この作品は過去や現在を乗り越えていく人間賛歌のドラマです。見ごたえがあると思いますので、今日1話を見ていただいて、ぜひ2話3話とその先を見ていただきたいです」と締め括った。出演はほかに望月歩、秋田汐梨、高橋侃、ふせえり、貴島明日香、中村シユン、仁村紗和、入山法子、堀部圭亮、いしのようこ、永島敏行、髙嶋政宏。連続ドラマ『事件』はWOWWOプライムおよびWOWOWオンデマンドにて8月13日(日曜 22:00~)放送・配信。全4話(第1話無料放送)。