日本テレビ系ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(毎週土曜22:00~)が15日にスタート。第1話のクライマックスから、松岡茉優と芦田愛菜による心を揺さぶる魂の熱演が繰り広げられた。

この撮影シーンの現場の雰囲気を、生徒役で出演する本田仁美(AKB48)、窪塚愛流、山下幸輝、田中美久(HKT48)が、このほど行われた試写会後に振り返った。

  • 松岡茉優(左)と芦田愛菜=日本テレビ提供

高校の化学教師・九条里奈(松岡)が、卒業式の日に「担任生徒の誰か」に突き落とされると時をさかのぼり、1年後に自分を殺害する「30人の容疑者」である生徒と命がけで向き合う同ドラマ。クライマックスのシーンでは、松岡と生徒役の芦田の迫真の演技が展開され、試写会では客席のあちこちからすすり泣く声も聞こえた。

本田は「最後のシーンは4日間ぐらいかけて撮っていて、すごく緊張感のあるシーンでした。私は何も感じてないような表情をしてますけど、心はもうグラグラでした(笑)。本当にそれくらい、芦田愛菜ちゃんと松岡さんの演技がすごすぎて、心が揺さぶられていました」と告白。また、「あのシーンだけじゃなく、いつも福井(雄太)プロデューサーが、“毎日ちゃんと一人ひとりが、誰か1人でも救うっていう覚悟で現場に来てるか?”みたいな感じで喝を入れてくださって、私はそれがすごく自分にいい影響を与えてくださる現場だなと改めて思います」と語る。

窪塚は「僕はあれを聞いても舐めきってる役なんで、それを貫き通したんですけど、心ではちょっと同情しそうになりました。だから本当の僕は、芦田愛菜さんのセリフを聞いて泣きそうなぐらいになって、“何してんだよ、俺の役”って思いました」と言うと、ほかの3人も口々に「ほんとそうだよ!」「マジでそう思う」と心から共感。さらに、窪塚は「それぐらいの圧倒力と芝居だったんで、“生で見させてくださってありがとうございます”という気持ちでした。それを受けたので、僕らも次の話で頑張ろうという炎にもなりました」と、感化されたことを明かした。

田中は「福井プロデューサーが、私を見て合う役というのを作り上げたらしくて、その中で『自分が本当に初めてそこに立って感じた感情をカメラにぶつけてください』って言われていたんです。だから、元々決まっている内容の子になろうと思って演じるというより、ありのままの自分で感じたことを出すという感じだったので、すごく胸にグッときました」と回想。

山下は「すごい淡々と進んでたんですけど、僕がすごい印象的だったのが、そのシーンの最後のセリフが終わって、カットになったときに、松岡さんが芦田さんに『ごめんね。ありがとね』って言ってたんです。役と役でぶつかり合ってはいるんですけど、ちゃんと人間としてお芝居をしてるんだというのをそこで感じて、僕もこうなりたいなって思いました。前室に戻ると、おふたりともすごい普通な感じでいらっしゃるので、『役者だなあ』ってすごいなと思いましたね」と、その切り替えに驚いたことを語った。

  • (左から)山下幸輝、本田仁美、田中美久、窪塚愛流

そして、改めて主演の松岡について聞くと、田中は「つい最近まで生徒役をやってらっしゃったのに、今こうやって私たちの教師になってくださって、“絶対初めての教師役じゃないでしょ!?”って思います。演技をしながらもすっごく胸に刺さる言葉が多くて、松岡茉優さんみたいな先生がどんどん増えていったらいいなと思いました」と印象をコメント。また、「楽屋でもすごい緊張してたんですけど、気さくにな話してかけてくださるんです。みんなで本読みをしたのが、全員が初めて会う機会で、そこでプロデューサーさんが『自己紹介を一言しよう』と言うんですけど、すごい緊張してて、松岡さんがすぐ空気を読み取ってくださって、『絶対に緊張するから、一つ特技とか好きなことを添えて言ってみようか』って言ってくださって、すごい優しい方だなって思ったので、ドラマ中でも空き時間でも優しい方だなって思いました」とエピソードを紹介した。

本田は「私自身がまだ演技を全然経験したことがないんですけど、松岡さんの白熱の演技を間近で見させていただける環境がとてもありがたいなって思います」とした上で、「カメラが回ってるときと回ってないときで本当に人格が違うというか、スイッチの切り替えが本当にすごいなと思います。役に入られてるときは、“1人1人生徒を変えていこう”という熱い思いが本当に伝わるので、私も直視して目が合うと負けそうになっちゃうぐらい、胸に秘めた思いとかが伝わってくるんですけど、その一方でカメラが止まってるときは気さくに話しかけてくださるんです。私には『お手々ちっちゃいねー』って言ってくださったり(笑)、『みんなからなんて呼ばれてるの?』と言うので、『ひぃちゃんって呼ばれてるんですけど、抵抗あったら全然』って言ったら『じゃあ、ひぃちゃんって呼ぶね』ってすごく優しく接してくださって、そのスイッチの切り替え方はさすがプロだなってすごく思います。あと、私が不安に思ってしまうことが多いんですけど、そこでも『大丈夫だよ』って励ましてくださったりもして、とても心強い存在だなと思います」と、精神的に支えられているそう。

山下は、松岡の演技を「もはや鳥肌ものです」と表現。「ドラマって同じシーンで何回も芝居を繰り返す中で、僕はまだまだ未熟なところもありますし、何回も芝居をするにつれて、セリフのリズム感だったり音とかを忘れたりすると、パッとセリフが抜けたり、集中がたまにピュって切れるときがあるんですよ。でも、松岡さんは本当に九条先生になってるんだなと思って、それが本当すごいなと僕はシンプルに思いました」と感服した。

窪塚は「初めて台本を頂いたときに、九条先生ってどんな先生なんだろうって、自分の中で勝手な九条先生を作ったんです。でも、僕が考えていたものと180度違うお芝居がきて、圧倒されて魅了されるという感じでした。自分はいいなって思ったお芝居を、誰彼構わず自分のものにしてやろうっていうタイプの人間なんで、日々盗みに盗んで芝居をしています」と、大いに参考にしていることを語った。