ダンス&ボーカルグループ・EXILE、FANTASTICSの佐藤大樹が、ABCテレビ・テレビ朝日のドラマ『around1/4(アラウンドクォーター)』(ABCテレビ9日スタート 毎週日曜23:55~、テレビ朝日8日スタート 毎週土曜26:30~※ほか地域でも放送予定、TVer/ABEMAで見逃し配信)で地上波連ドラ単独初主演を務める。今作は、かつてのバイト仲間だった康祐(佐藤)、早苗(美山加恋)、明日美(工藤遥)、直己(松岡広大)、一真(曽田陵介)の5人が25歳前後(アラウンドクォーター:略してアラクオ)を迎えたことで直面する“25歳の壁”、“恋の分岐点”にフォーカスを当て、悩み傷つき過ちを繰り返しながらも、自分なりの乗り越え方を見つけていく恋愛群像ストーリー。

佐藤がリーダーを務めるFANTASTICSのTwitterアカウントでは、出演ドラマをメンバーが実況する“リアタイツイート”が毎回話題になっている。佐藤にSNSの取り組み方やブランディングへの思いについて話を聞くと、強い責任感や将来のビジョンが見えてきた。また、ABCテレビのスタッフが思わず前のめりになるSNS運用の具体的なアイデアが飛び出す場面も。

  • FANTASTICSの佐藤大樹 撮影:泉山美代子

    FANTASTICSの佐藤大樹 撮影:泉山美代子

■自身の25歳は「悔しかった思い出しかない」

――今作のタイトルを聞いての印象を教えてください。

アラサー、アラフォーは聞いたことがあるのですが「アラクオ」という言葉自体を知らなかったので「刻むなぁ」と(笑)。今28歳なのですが、最近までアラクオだったということで、背伸びせず演じられそうなドラマだなと感じました。

――“25歳”にどんなイメージを持っていますか。

大人になりたいけどなりきれない曖昧な時期なのかなと思っています。僕の25歳はちょうどコロナ禍が始まった時期でした。24歳のときには制服を着る作品が続いたり、写真集で初めてハワイに行ったりとすごく楽しくて、ここからさらに気合いを入れて頑張ろうというタイミングで思うように物事が進まなくなり、いい思い出がないんです。LDHとしてもライブが300公演以上中止になってしまったので、悔しかった思い出しかありません。

■グループ皆で個人の活動を盛り上げる“リアタイツイート”

――FANTASTICSのTwitterアカウントでは、いつもメンバーの皆さんがドラマの実況をする“リアタイツイート”をされていますが、どのような経緯で始まったものなのでしょうか。

FANTASTICS全員で主演ドラマをやらせていただいたときに、ファンの人が僕たちと一緒に見ているような感覚になれたら、そんな活動でドラマを盛り上げられたらという思いで始めました。その後も、メンバーが出ているドラマを他のメンバーも実況したりして、グループ皆でメンバー個人の活動を盛り上げていくことでFANTASTICSの名前が世間にもっと広がるよねということで、個人のドラマでも続いています。

――夜遅いドラマもある中で、とても熱心ですよね。

僕は特にSNSの使い方についてすごく気を使っているつもりです。これまでのドラマでも、頑張った分は結果に繋がると感じたので、今回は主演ということでより率先して盛り上げていければ。リアタイはもちろん、今の時代に欠かせない配信も見ていただけるように頑張ります。

――過去には、自らグループのSNSを運用させてほしいと手を挙げたことがあるとか。

今はグループのSNSはマネージャーさんに任せているのですが、当時は自分で投稿の内容を考えたり、こういうことをやりたいというアイデアを出したりしていて、TikTokもその流れで始めることができました。誰かに任せるのは楽ですが、やっぱり自分でやるほうが責任感を持てるし、何より好きでやっていることなので楽しいです。

――そんな楽しいSNS運用の中でも大変なことはありますか。

会員の方向けの公式モバイルサイトのブログ、Twitter、Instagram、Weibo、Facebookでの棲み分けは大変です。ブログではカジュアルな言葉使いでファンの方との距離を縮めてみたり、誰でも見られるSNSではより丁寧に発信していったりという使い分けを心がけています。その中でもキャラを出していかなければいけないですし、ブランディングは難しいなといつも悩みますね。

■子どもの頃から「将来社長になりたい」と意欲

――いつからブランディングに対して高い意識を持つようになったんですか。

ここまで考える必要はないのかもしれませんが、子どもの頃から「将来社長になりたい」と思っていたので、自分を自分でブランディングするのは当たり前だという意識がありました。将来踊れなくなる可能性もありますし、人生何が起こるか分からないので、表に立つお仕事だけじゃなく、裏方のお仕事も両方知っておいたほうがいいと思っています。

――社長に初めて憧れたきっかけは。

実は、すしざんまいの社長さんなんです。僕はずっと回転寿司屋さんでアルバイトをしていたくらいお寿司が大好きなのですが、すしざんまいの社長さんって、テレビに出て「まぐろをいくらで買った」と話したり、店に自分のフィギュアを置いたりと、自らが広告塔になっていますよね。そのスタイルで店舗を拡大している姿を見て、表に立つ社長ってかっこいいな、すごいなと思ったのがきっかけです。

――ちなみに、そんなSNSのプロの佐藤さんから、『アラクオ』ドラマのアカウントに対して「こんなことをしたら反響が期待できますよ」というアドバイスがあれば……。

えー! そんな!(笑)。

ABCテレビ・スタッフ:ぜひ!(前のめりに)

そうですね……、それこそ“アラクオ”に当てはまる25歳から30代の方が狙っていきたいメインターゲットになるので、そこはもちろん大事ですよね。あとは『liar』(22年、MBS/TBS)のときに感じたのですが、今の時代は若い子が、ラブシーンがあって親と見られないドラマを、部屋で1人で配信で見ているケースが多いんです。年代に合わせるとTikTokは一番大事だと思うし、続きが見たくなるような本編の切り抜きを縦型動画で配信するのはどうでしょうか。

ABCテレビ・スタッフ:やりましょう!

■FANTASTICSのリーダー就任で生まれた責任感

――具体的なアイデアがすぐに出てきて驚きました。今までのお話からも、佐藤さんが強い責任感をお持ちだと感じるのですが、その責任感が芽生えたきっかけはありますか。

やはりFANTASTICSが出来たときですね。EXILEに加入したときは最年少だったのでお兄さん方に甘えてばっかりだったのですが、FANTASTICSのリーダーに任命されたとき、HIROさんに「芸能界を知らない子たちにも、LDH魂や、“グループってこういうものだよ”ということを大樹から教えてあげてね」と言われたんです。そのとき、色々勉強しなきゃいけないし、発言にも気をつけなきゃいけない、後輩の面倒をたくさん見なきゃいけないなと、自然と責任感が芽生えたんだと思います。

――ありがとうございました。ドラマ本編はもちろん、SNSの活用も楽しみに拝見させていただきます!

地上派連ドラ単独初主演への意気込みや、先輩・岩田剛典へ出演ドラマの感想を伝えた際のエピソードを語った後編は6日公開予定。
■佐藤大樹
1995年1月25日生まれ、埼玉県出身。2011年に俳優、サポートダンサーとして活動を開始。2014年にEXILEに加入、2018年にFANTASTICS from EXILE TRIBEとしてもメジャーデビュー。俳優としても活躍の場を広げており、『HiGH&LOW』シリーズ、ドラマ『ワイルド・ヒーローズ』(15)、『liar』(22)、『理想ノカレシ』(22)、『Sister』(22)、舞台『錆色のアーマ』シリーズ、映画『ママレード・ボーイ』(18)、『センセイ君主』(18)、『4月の君、スピカ。』(19)、『小説の神様 君としか描けない物語』(20)などに出演。
■ヘアメイク:関東沙織、スタイリスト:椎名倉平、衣装:THE ME