公開初日を迎えたVシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th Anniversary』(監督:渡辺勝也)の舞台挨拶が16日、新宿バルト9にて開催され、主演を務めた5人の忍者ヒーローたちが20年前と同じハリケンジャケットを身に着け、ステージへとかけつけた。
『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th Anniversary』は、スーパー戦隊シリーズ第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002~03年放送)の20周年を記念して作られた映画である。物語の舞台を江戸時代に定め、時空を超えて現れたウラ七本槍のオイランダ、アウンジャの邪悪な陰謀を食い止めるため、疾風流、迅雷流という対立する流派の忍者たちが心をひとつにし、激闘に身を投じていく。時代劇の本場・東映京都撮影所で製作された本作は、伝統的な勧善懲悪・アクション時代劇に「特撮ヒーロー」の魅力を加えたことで、まさに痛快そのものの娯楽映画として結実している。
ハリケンレッド/椎名鷹介/鷹之介を演じる塩谷瞬は「今日は天気がむちゃくちゃ良くなり、最高の初日を迎えることができました!」と、梅雨の真っ只中でありながら朝からカラリと晴れ渡った天気の中、映画公開を迎えたことで、文字どおり晴れ晴れとした表情で客席のファンに挨拶した。『ハリケンジャー』が20周年を迎えたことについては「10年前に『10YEARS AFTER』を作ったときは、スーパー戦隊に新しい未来を切り拓くことができたと思いました。あれからさらに10年。世代が変わっていっても、自分たちがかつてやったことがちゃんと世の中に残ってくれているのは、俳優としてもヒーローとしても喜ばしいこと。これまで一生懸命頑張ってきて良かったなと、すごく感じています」と熱く語り、『ハリケンジャー』および「ヒーロー」のもつパワーの凄さを再確認した上で、『20th Anniversary』という「新たな命」を生み出すことができたと感謝の意を示した。
ハリケンブルー/野乃七海/なみを演じる長澤奈央は、『ハリケンジャー』が20周年を迎えたことについて「いま私には3人の子どもがいるのですが、小学校の担任の先生が当時『ハリケンジャー』を観ていて、『こんどまた(新作を)やるんでしょう。がんばってください』なんて応援してくださり、すごく嬉しく思いました」と、20年前にハリケンジャーを応援していた人と、予想外なかたちでめぐりあえている現状への喜びを示した。
ハリケンイエロー/尾藤吼太/吼太郎を演じる山本康平は、「10周年記念作品の『忍風戦隊ハリケンジャー 10YEARS AFTER』を撮影している最中、第2子が誕生しまして、ノブ(姜)の車でロケ先から病院まで送ってもらったことがありました。あれから10年。その娘がいまこの劇場に観に来ています」と、アニバーサリーにふさわしい運命的なエピソードを披露した。
カブトライジャー/霞一甲/一角を演じる白川裕二郎は、今や国民的人気を誇るムード歌謡グループ「純烈」のメンバーとして、超多忙な毎日を送っている。マイクを手にした白川が最初に発したのは「見渡す限り、中高年のみなさま、こんにちは!」と、20年を経て大人に成長したファンたちを軽妙な話術でイジる「純烈」仕込みの挨拶だった。挨拶の途中でも、シートに座ろうとしていたカップル客に「あ、ポップコーン、いいですねえ。何味ですか? キャラメル味。甘い感じでよろしいですねえ(笑)」などと呼びかける「イジリ芸」を披露し、隣の姜が「やりずらいなあ」とたじろぐ光景が見られた。
クワガライジャー/霞一鍬/一牙を演じる姜暢雄は、山本の第2子誕生が10周年記念『10YEARS AFTER』だったことをしみじみとふりかえり、「あれからまた10年が過ぎ、山本くんのお子さんが大きく成長してここへ来ていることが感慨深い。山本くんがずっと俳優を続けているからこそ、カッコいいヒーローの姿を見せられるわけです。僕もいま3歳になる子どもがいますので、あと7年はがんばれるかな」と、愛娘のためますますパワフルに俳優活動を続けていきたいと意気込んだ。
MC(宮島咲良)より、本作で鷹之介、なみ、吼太郎、一角、一牙を向こうに回して大立ち回りを見せる悪役・オイランダを演じる美人女優・陽月華の存在感についての話題を向けられた白川は、「撮影初日、ここにいる5人と陽月さんとで韓国料理店でご飯を食べに行ったんです。お会計をすませ、外に出ようとすると、店で働いていた女の子が『すみません、俳優さんですよね!』って僕たちに声をかけてくれた。どうもノブ(姜)の出ているドラマを観ていたらしく、ノブが嬉しくなっちゃって、『あいつ知ってる? 純烈だぜ!』って僕のことを指したんですね。そうしたら彼女らは『えっ、ズンレツ?』って(笑)」と、京都の若い女性店員に「純烈のボーカル・白川裕二郎」が認知されていなかったことへのショックを恨めしそうに語って、会場全体を笑いに包んだ。この「ズンレツ?」発言は6人の食事会のあと、白川、姜、陽月の3人が入った別の店でもカップル客から言われていたそうで、白川は「あのとき僕がみんなのお会計を支払ったんだけど、……金返せ!(笑)」と、陽月の話題からどんどん離れていき、どこにも持っていきようのないショックを姜にぶつける一幕も見られた。
ここでハリケンジャー(塩谷、長澤、山本)とゴウライジャー(白川、姜)に「シノビチェンジ&名乗り」をやってほしいとリクエストがあり、生シノビチェンジ&生名乗りが見られることになった。大張り切りの塩谷が勢いづきすぎて他のメンバーのタイミングを狂わせるハプニングがあったものの、二度目のチャレンジは見事成功。かっこいい忍風シノビチェンジと迅雷シノビチェンジを観ることができた。
塩谷、長澤、山本の華麗な「忍風戦隊ハリケンジャー」個人名乗り~全体名乗り。
白川、姜による迫力満点な「電光石火ゴウライジャー」個人名乗り~全体名乗り。
最後にマイクを手にした塩谷は「20周年記念作を作るにあたり、数年前から準備をしてきました。特にブルー(長澤)とイエロー(山本)は、裏方としてもいろんな努力をしてきたし、山本康平なんてゴウライジャーからは『製作さん』と呼ばれていたし……(笑)。こんなに楽しく作っていくことができた作品は他にありません。もし、この次があるのかどうかは、この作品(20th Anniversary)がどう育っていくかにかかっています。他のスーパー戦隊仲間たちに20周年のバトンを渡していくためにも、たくさんの人たちにご覧いただきたいと思っています。みなさんの力で、どうぞ応援をお願いします。このたびは、本当にありがとうございます。魂をこめた作品なので、ぜひ観てください。また、どこかでみなさんに会えたら嬉しいです!」と冒頭と変わらぬ物凄い熱量で客席に感謝の意志を伝え、いつかまた多くのファンのもとに戻ってきたいという強い意欲を見せた。
『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th Anniversary』は新宿バルト9ほか全国劇場で期間限定上映中。10月25日からはBlu-ray&DVDが発売される。
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