映画『水は海に向かって流れる』(公開中)の舞台挨拶が10日に都内で行われ、主演の広瀬すずをはじめ、大西利空、戸塚純貴、當真あみ、前田哲監督が登壇した。
同作は田島列島氏による同名漫画の実写化作。高校への通学のため、叔父の家に居候することになった高校1年生の直達(大西)は、親に黙って脱サラしたマンガ家である叔父(高良健吾)、女装の占い師(戸塚)、海外を放浪する大学教授(生瀬勝久)、そしてどこか冷めていて笑わない26歳のOL榊さん(広瀬)と、曲者揃いの人物とシェアハウスで暮らすことになる。共同生活を送るうち、日々を淡々と過ごす榊さんに淡い思いを抱き始める直達だったが、「恋愛はしない」と宣言する榊と自分との間には思いも寄らぬ因縁があることを知る。
同イベントは本編上映後に行われ、観客から大きな拍手を送られると、広瀬は「嬉しいです」と笑顔。周囲からの反響についても、「公開までにたくさん取材をしていただきましたが、感想がそれぞれ違っていて」と触れ、「だから余計に、公開されたら皆さんにどう届くのか良い意味でわからないので、友達や家族がどういう反応してくれるのか楽しみです」と語った。
この日、映画のイメージカラーである青を取り入れたコーディネートで登壇した一同。前田監督の青い帽子にMCが触れると、広瀬が「これ話していいですか? 私どうしても言いたい!」と声を上げ、戸塚からの後押しを受けながら「(監督は)昨日の夜にブルーを取り入れて欲しいと言われたみたいで、あの帽子は昨日、ブルーのマジックで塗られたらしいです(笑)。もともとは白だったみたい」と驚きのエピソードを披露。前田監督が「一生懸命『広瀬すず、広瀬すず……』と言いながら塗りました」と冗談交じりに言うと、広瀬も「怖いよ~、呪われてるよそれ(笑)」と返し、笑いを誘っていた。
おすすめのシーンについてトークが展開すると、大西は「榊さんがお母さんに会いに行くシーン」を挙げる。「初めて榊さんは自分の感情を吐き出す部分が僕は好きで。実際、僕も隣にいて飲み込まれそうで、いい圧がかかっていたので、おすすめです!」と広瀬の演技に感銘を受けたそう。しかし、実はこのシーンで思ったより怒った演技をしてしまったという広瀬は、「今までそういうシーンがなかったので、現場もしーんとしてしまって……。“あれ? 間違った?”と思ったのを覚えています(笑)」と撮影当時を振り返った。
一方、広瀬は大西演じる直達と當真演じる楓の高校生コンビのシーンをピックアップ。「お弁当を食べているところは、フゥ~と思いながら観ていました。あそこでお弁当食べる!? って(笑)。憧れが詰まった甘酸っぱいシーンでおすすめです」と青春を思わせる2人の演技を絶賛していた。
イベント終盤には、19日に25歳の誕生日を迎える広瀬に、バースデーサプライズを実施。戸塚が口ずさむバースデーソングをバックに、青を基調にしたバースデーケーキが登場すると、「すごい嬉しいです。この作品の思い出がまた1つ増えて幸せです。ありがとうございます」とこの日いちばんの笑顔を見せる。大人になったと感じることについて、「今まではお腹いっぱいが苦しかったんですけど、腹八分目の意味が分かるようになったり、朝活でマネージャーさんたちと走ってみたりして、それがすごく気持ちよくて。どんどん健康志向になっています」と実感を明かした。また、25歳で挑戦したいことを聞かれると、「今回はOL役でしたが、OLのシーンはないんです。働く女性役は少ない方なので、20代半ばでしか演じれない役どころをやってみたいなと、楽しみにしています」と意欲を見せていた。