「覇気(はき)がない」とは、マイナスなイメージのある言葉ですが、具体的にはどのような意味の言葉なのでしょう。

本記事では「覇気がない」の言葉としての意味や類語はもちろん、覇気がない人の特徴や原因を紹介。覇気がない人を脱するための対処法もまとめました。

  • 覇気がないとは

    「覇気がない」の言葉としての意味や、覇気がない人の特徴、直し方などを紹介します

「覇気がない」の意味とは

「覇気がない」の「覇気(はき)」とは、積極的に物事に取り組もうとする姿勢や、人の上に立とうとする志の強さや野望を意味します。

やる気や気合に満ちあふれている人、心に野望を抱いている人などは「覇気がある人」と言っていいでしょう。

「覇気がある」「覇気がある人」はポジティブな印象を持つ言葉です。一方で「覇気がない」「覇気がない人」は、消極的な姿勢や自信のなさが見られる状態、人物に対して使用されます。

「覇気がない」の類語・言い換え表現

「覇気がない」に似た言葉も併せて覚えておきましょう。

気弱な

「気弱(きよわ)」は、「覇気がない」と同様、ネガティブな印象の言葉です。

「気弱」は文字通り、気が弱いことを意味します。自分に自信がなく、意見を発信できない様子や、思い通りに行動できない様子を指します。

意志がない、意志が弱い

「意志」とは、物事を実現しようというはっきりとした気持ちのことです。

「意志がない」「意志が弱い」と表現した際には、何かを実現するための意気込みが無かったり、少なかったりすることを意味します。

なお、「意志」に似た言葉に「意思」があります。「意思」とは、自分の考えや思いを指します。「意思がない」とは、自分の考えを持っていない状態のことです。

「意志」は「意志を貫く」「意志が固い」「意志薄弱」のように、自分の信念に重点を置き、「意思」は「相手の意思を尊重する」「意思疎通」のように、気持ちや思いそのものに重点を置いた言葉です。

読み方は同じですが、意味は若干異なるため、使用する際はうまく使い分けられるようにしましょう。

気迫がない

「気迫(きはく)」は「物事に対して、ひるまずに強く立ち向かう精神力」を意味します。

「気迫がない」とは、物事に立ち向かう精神力や熱意、気合などが感じられない状態のことです。

覇気がない人の特徴とは

  • 覇気がない人の特徴

覇気がない人には共通する特徴があります。身近な人や、自分に当てはまる項目がないか、確認してみてください。

声が小さい

覇気がない人には、声が小さくボソボソと話す人が多いです。

声が小さいと、やる気がない、元気がないという印象を周囲に与えてしまいます。人によっては「自分と会話をしたくないから、声が小さいのかもしれない」と感じる人もいるでしょう。

「たかが声が小さいだけで」と思ってしまいますが、ハキハキとしっかり聞こえる声でしゃべる人は、それだけで気力が満ちているように見えます。

またあまりにも声が小さいと、周りとのコミュニケーションがうまく取れない要因にもなるほか、仕事に支障をきたす恐れもあります。

姿勢が悪くて雰囲気が暗い

覇気がない人は、姿勢が悪いことも特徴の一つです。

背中を丸めた猫背の姿勢はうつむき加減になり、元気がないような印象があるため、「覇気がない」と思われてしまいます。

うつむき加減だと声が通りづらかったり、表情が見えづらかったりするため、暗いイメージがなおさら加速してしまいます。

積極性がない

「覇気」は積極的に物事に取り組む姿勢を表すため、積極性のない人は「覇気がない」と感じられてしまう可能性があります。

指示されたことしかやらない、いつも受け身で意見を言わない人は「積極性がない」、つまり「覇気がない」と捉えられてしまうのです。

また、いつも家に閉じこもっていて活動的でない人も、覇気がないと思われてしまうでしょう。

顔色が良くないなど、具合が悪そうな見た目

顔色が優れない、なんだか気だるそうというような、思わず周囲が心配してしまうような見た目も「覇気がない」と思われる人の特徴です。

周囲の人は、「具合が悪いのでは」と心配になってしまい、何かを任せる気になりません。

笑顔が少なく不愛想

笑顔が少なく無愛想な人も「覇気がない」と感じられてしまいます。

覇気がないと言われる人は気弱な性格のタイプが多く、自分はコミュニケーションが苦手だと思っている傾向にあります。そのため、人とのコミュニケーションを無意識に避けてしまうことが多いでしょう。人と交流をせずにいると、相手に不愛想だと思われてしまいます。

また表情が硬く笑顔が少ないと、「怒っている」「何を考えているか分からず怖い」と誤解を与えてしまう恐れがあります。

「覇気がない」と言われる原因

  • 「覇気がない」と言われてしまう理由

できることなら周囲から「覇気がある人」と思われたいものですが、そのためには、覇気のなさを生み出す原因を取り除くことが重要です。

原因を把握し、できそうなものから解決していきましょう。

疲れが蓄積している

過労や寝不足による疲れは、早めに取り除かなければ、体にも心にも悪影響を与えます。

疲れが蓄積することで、目の下にクマができたり、だるそうな雰囲気や表情が出たりしてしまい、相手に暗い印象を与える可能性があります。

また疲れていると、見た目に影響があるだけでなく、実際に物事に取り組む意欲にも、影響してしまうでしょう。

悩み事を抱えている

プライベートや仕事など、何か悩みを持っていると、物事に集中することは難しいでしょう。

恋愛がうまくいかない、将来のキャリアに不安があるなど悩みは人それぞれですが、そのせいで業務中に上の空となり、返事がない、ミスが多いなどがあると「やる気がないのでは」と思われてしまいます。

自分に自信がない

覇気がない人の特徴として、声の小ささや積極性のなさが挙げられますが、それらは自信のなさが原因の可能性があります。

逆に自信があると、堂々とした振る舞いにつながり、それが覇気のある印象を与えます。

目標や熱中できるもの、熱中できることがない

「こうなりたい」という目標や、時間を忘れられる程に熱中できるものがあることは、日々の生活の質を高め、やる気を上げてくれます。

ただ決まった日常をこなすだけの生活を送っている人よりも、何か目標を持って日々を生きている人の方が、覇気があると感じるでしょう。

初めは小さなことからでも問題ありません。何か目標や楽しみを持って、それに向かって生きることで、普段の生活に一貫した方向性が生まれるでしょう。

「覇気がない」と言われないための対策

  • 「覇気がない」と言われないための対処方法

いざ覇気がある人になりたいと思っても何をすればいいかが分からない方のために、覇気がある人になるために手軽に始められる方法を紹介します。

目標を持つ

覇気のなさを解決するためには、前述のように「目標を持つこと」が大切です。

大きな目標が難しいのであれば、小さな目標でも構いません。プライベートに関する目標でも、仕事の目標でもいいので、何かしら目標を抱くことは、日々の生活に目的意識を与えます。

「今週末に焼き肉を食べるために、頑張ろう」「海外旅行に行くために、ボーナスを上げられるよう頑張ろう」のように、達成できそうな目標から設定してみましょう。

小さな目標を積み重ねることは、後に大きな野望を抱くことにもつながります。常に目標を掲げておくことで、モチベーションが上がり、自然と気分も上がるでしょう。

気分が上がれば自然と明るくポジティブな対応ができるようになり、周りからの印象も変えられるはずです。

感情を表に出す

怒りや悲しみの感情は、周囲に悪影響を与えかねないため、円満な社会人生活においては隠しておくことが無難です。いつでも冷静に落ち着いた態度を取れることは、すてきな長所です。

しかしポジティブな感情に関しては、表に出してみてはいかがでしょうか。喜びや期待、意気込みなどのポジティブな感情を出すことは、周りの士気を高めることにもつながるでしょう。

話し掛けても声のトーン、表情が変わらない人は「何を考えているか分からない」と思われてしまいます。一方で、ポジティブな感情を表に出す人は「いつも明るくて、エネルギーがあふれている」という印象を与えます。

ネガティブな感情は抑え込んだまま、ポジティブな感情のみを表現できるようになれば、自然と覇気がある状態に変化するでしょう。

姿勢や見た目に気を配る

覇気がない人は猫背で姿勢が悪い傾向がありますが、姿勢の悪さは相手からの印象を下げてしまう要因になりかねません。どれほど明るい人でも、うつむいて過ごしているだけで暗い印象を持たれてしまいます。

座っているとき、歩いているときなどに、意識して背筋を伸ばすようにするだけでも、周囲の暗い印象を払拭(ふっしょく)でき、自分の気持ちも前向きになるでしょう。

また、疲れを感じさせる顔のクマはコンシーラーなどで隠しておくといいでしょう。カサカサの唇も不健康で暗い印象を与えてしまうため、日頃からリップクリームなどで保湿しておくことがおすすめです。

チークや口紅などで顔に明るい色味を足すだけでも、血色があり、生き生きとした印象を与えられます。

覇気がない人でも、ちょっとしたことを意識すれば改善できる

「覇気がない」という言葉はネガティブな言葉のため、もし自分が言われたら大きなショックを受けるでしょう。

しかし、なぜそのように思われたのかを理解すれば、その点を改善して「覇気がある人」になることも可能です。小さな目標を持つ、姿勢を正すなどであれば、すぐにでも着手できます。

取り入れられそうな方法から実践してみてはいかがでしょうか。