SNSなどで「特大ブーメラン」「ブーメラン刺さってる」といった表現を目にすることがあります。しかし、はっきりとした意味や使い方が分からない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、「特大ブーメラン」の詳しい意味や由来の他、日常会話での使い方を、豊富な例文とともに紹介します。ビジネスでも使える言い換え表現や、特大ブーメランとなるのを避けるための注意点もまとめました。

  • 特大ブーメランとは

    スラングである「特大ブーメラン」の意味や使い方を紹介します

「特大ブーメラン」とは? 意味や由来を解説

早速、「特大ブーメラン」が意味することを詳しく見ていきましょう。

特大ブーメランとは、相手への批判が自分にも大いに当てはまることを意味する若者言葉

スラングの「ブーメラン」や「特大ブーメラン」とは、「相手を批判したにも関わらず、自分も同じような言動をしていること」を指摘する際に使う言葉です。

批判や悪口などのネガティブな文脈で使われることが多く、主にインターネット上や若者間で使用されます。

例えば「容姿で人を判断するな」と言う人が、「恋人は顔が良くないと嫌だ」と言っている場合、「特大ブーメラン」に当てはまります。

単に「ブーメラン」と言うよりも、「特大ブーメラン」の方が、激しい矛盾を感じるケースや、ダメージが大きいケースで用いられることが多いです。

「特大ブーメラン」の由来

そもそもの「ブーメラン」とは、投げると回転しながら飛び、自分の元に戻ってくる、オーストラリアの先住民発祥である道具のことです。

投げると返ってくるブーメランのように、相手に投げ掛けた発言が自分に返ってくるために、スラングの「ブーメラン」や「特大ブーメラン」という表現が広がりました。

「特大ブーメラン」の日常会話での使い方や例文

  • 「特大ブーメラン」を使った会話例

「特大ブーメラン」は、相手に指摘したことが自分にも当てはまっていた場合に、批判や揶揄をする際に使われる言葉です。

俗語のため、ビジネスシーンではなく、主に日常会話で用いられます。またほとんどのケースでネガティブな意味を持つため、本人に言うと失礼な人だと捉えられる可能性があるので注意しましょう。

  • Aさんはよく「あいつらは愚痴ばかりだから成功しないんだ」とくだを巻くが、まさに特大ブーメランである

この例文は、Aさんが愚痴を言う人の愚痴を言っている、つまり言動が矛盾していることを揶揄しています。

この場合、Aさんも成功しているとは言えないでしょう。

  • Bさんは彼氏に「家事ができない人と一緒に過ごす気はない」と言われたらしい。
    ひどい彼氏だとは思うが、彼女はいつも「家事ができない男なんてありえない」と言っていたので、特大ブーメランである

この場合は、普段のBさんの発言が、立場を変えて自分に戻ってきたことを指しています。

  • 昔「親が頑固すぎて困る」と愚痴っていた彼が、同じことを子どもに言われたと嘆いていた。
    かつての自分の発言が、特大ブーメランとなって返ってきたのである

この例文は、過去に批判をしていたことを、今になって自分がしてしまっている状況を表しています。

  • 「どんな理由があれ、遅刻することは罪だ」と後輩を責めている彼だが、そのうち特大ブーメランが刺さるだろう

この例文は、今は「自分はそんなことは絶対しない」と相手を責めていても、いずれ自分も同じことをしてしまう可能性を示唆するときの使い方です。

ブーメラン発言を避けるための注意点

  • 「特大ブーメラン」を避けるための注意点

特大ブーメランが刺さらないようにするための大前提は、「誰かを必要以上に批判するのは控えること」です。

他人を批判しない人、悪く言わない人に特大ブーメランが返ってくることはありません。特大ブーメランとは、自分が他人へ向けた批判と同じような行為をしてしまった際に、批判や揶揄として使われる言葉だからです。

特大ブーメランが返ってくる人は、他人を必要以上に非難することで、相手を傷付けている可能性があります。

そして仮に正しい主張であっても、過度に相手を責めると、自分も粗探しをされて責められたり、何か失敗をしたときにはやし立てられたりしてしまう、つまり「自分の発言が返ってくる」のです。

特大ブーメランの原因を作らないために、他人に対する必要以上の批判や非難はやめましょう。

「特大ブーメラン」の類語・言い換え表現

  • 「特大ブーメラン」の類義語

「特大ブーメラン」と似た表現や、言い換えができる表現について、例文とともに紹介します。少しずつニュアンスが異なるため、相手やシーンに応じて適切な言葉を選びましょう。

矛盾

「矛盾(むじゅん)」は、二つの物事が食い違うこと、辻褄が合わないことの例えです。

中国の故事で、「この矛(ほこ)はどんな硬い盾(たて)も突き通せる」「この盾は硬く、どんな矛をもってしても突き通せない」と言う商人に対し、「ではお前の矛でお前の盾を突けばどうなるのか」と尋ねたところ、答えることができなかったという話が由来です。

  • 彼の批判は、普段の彼の行いと矛盾している
  • 「浮気をするな」と主張しているのに、自分が浮気するとは矛盾している
  • 彼女を責めるのならば、君はまず自分の矛盾した行動を改めるべきだよ

自業自得

「自業自得(じごうじとく)」とは、「自分の行為によって起こったことの報いを、自分自身が受けること」を意味する、仏教由来の四字熟語です。

「業」とは自らの行いのことを指します。

主に悪い結果を招いた場合に、その原因を作った人に対し、自己責任を問うシーンで用いられることが多い言葉です。

下記の例文のような形で使用します。

  • 昨日の夜遅くまでゲームをしていたことが原因で、会社に遅刻してしまった。完全に自業自得だ
  • 勉強をせずに遊んでばかりだったので、強制的に塾に入れられたのは自業自得だ
  • 「ブラック企業に入って病むなんて自業自得だ」という人がいる。果たして本当にそうだろうか

自縄自縛

「自縄自縛(じじょうじばく)」は、「自分自身の言動や信念に縛られて、苦しい状況から抜け出せなくなること」を意味します。

下記のように、自らのせいで自分の行動が制限されているケースで使う表現です。

  • 体調を崩してしまったが、仕事は休めない。
    理由はいつも「風邪をひくなんて自己管理ができていないだけだ」と言っていたからで、自縄自縛だ
  • みんなの仲間に入りたいが、人と集まって騒ぐことを軽蔑していた自分が同じことをするわけにもいかず、自縄自縛である

棚に上げる、棚へ上げる

「棚に上げる」または「棚へ上げる」は、不都合なことには触れず、問題にしないことを意味する言葉です。

特に自分の欠点などについてそっとしておくことを指します。

以下の例文のような形で使用します。

  • 彼は自分のことは棚に上げて、部下の失敗を責めている
  • 自分のことを棚へ上げて人の批判ばかりしていると、いずれ痛い目に遭うだろう

自爆

「自爆(じばく)」とは、「自分にとって不利益なこと、自分を破滅させるようなことを自ら行うこと」を意味する言葉です。

下記の例文のように、自分で自分を追い詰めるに至った言動について揶揄する際に、よく使用される表現です。

  • 彼はろくに勉強をしないまま投資に手を出して、自爆した。数百万を損失したのだ
  • 浮気がばれた原因は、彼女にうまいこと誘導された僕が余計なことをしゃべって自爆したことだ

ネット用語の「特大ブーメラン」は、場面に応じて適切に活用しよう

「特大ブーメラン」とは、他人に行った指摘が自分自身にも当てはまっていることを意味する表現です。ほとんどのケースで、非難や揶揄などのネガティブな文脈で使われる言葉です。また、もともとはネット用語のため、意味がよく分からないという人も多いでしょう。

そのため、「特大ブーメラン」を軽率に使うのは控えることをおすすめします。

「特大ブーメラン」に類似した表現も幅広くあります。使う相手や場面・状況に応じて、適切に使い分けましょう。