東日本大震災の復興支援および震災の記憶を未来に残すことを目的に2013年から開催している自転車イベント「ツール・ド・東北」は、コロナ禍での中止やオンライン開催を経て今年10回目を迎える。都内では5月23日、オフィシャルサイクルジャージが初公開されたほか、ゲストのパンサー尾形貴弘さんらがイベントの魅力をあらためてアピールした。
エントリー受付は終了間近...!!
「ツール・ド・東北」は、順位やタイムを競うレースではなく、楽しく走ることを目的としたファンライド形式の自転車イベント。ヤフー、河北新報社の主催となる。「ツール・ド・東北 2023」は2023年9月16日、17日の両日に開催予定。今年は記念すべき10回目の開催ということで、昨年の「2コース / 参加ライダー約1,500名」から大会規模が拡大され、「2日間 5コース / 参加ライダー約2,100名」を募集した。
一般ライダー向け5コースのうち4コースのエントリー受付はすでに終了したが、「奥松島グループライド&ハイキング」は6月5日までエントリーを受け付けている。なお、グループライドの出走エントリーは抽選方式となる。
都内で開催のイベントでは、はじめにヤフー 執行役員の西田修一氏が登壇。これまでのイベントの歩みを振り返った。
大会をめぐっては「ツール・ド・東北 2020」がコロナ禍で中止となったものの、その翌年の「ツール・ド・東北 2021 特別大会」はオンラインで開催。そして昨年(2022年)は、3年ぶりにリアルイベントを実施できた。
「ツール・ド・東北には『応援してたら、応援されてた』というキャッチコピーがあります。これは『被災地を応援したい』という気持ちで参加したライダーたちが、いつしか沿道の声援に励まされていた、という現象から作られたコピーです。昨年は久しぶりのリアル開催となりましたが、たくさんのライダーが被災地に足を運び、エイドステーションなどで地元住民の方々とコミュニケーションをとるシーンを目にすることができました。これこそがツール・ド・東北の醍醐味なんだな、とあらためて認識した次第です」と西田氏。10回目を迎える今大会でも多くのブースやイベントを用意して、ライダーの方はもちろん、ライダー以外の方にも大いに楽しんでもらえるイベントにしていきます、と誓った。
続いて河北新報社 代表取締役社長の一力雅彦氏が登壇。東日本大震災から12年が経ち、東北地方も着実に復興の歩みを進めてきた、と話す。
そのうえで「ツール・ド・東北には自転車レースだからこそ味わえる体験、そして見えてくる風景があります。ペダルを漕ぎながら、街並みの移り変わり、復興の進捗状況を肌で感じ取っていただけるのもイベントの魅力です」と紹介する。ちなみにエイドステーションの数も昨年の4か所から10か所まで拡大する第10回大会。三陸の風光明媚な景観や地元の食を堪能してもらえたら、と期待感を口にする。
このあと共催自治体を代表して、南三陸町の佐藤仁町長が登壇した。佐藤町長は「ライダーの皆さんには、東日本大震災からの復興状況を定点観測のようにご覧いただいてきました。第1回大会の2013年当時は、まだ街中から瓦礫がなくなったばかりだった。いわば色のない世界を、しっかりと目に焼き付けるような思いで走リ抜けてもらったのを憶えています」と振り返る。
そして、これまでエイドステーションで振る舞われた地元の海の幸を使った料理が多くのライダーに力を与えてきたことにも触れ、地域の協力にあらためて謝意を示す。最後は「今大会も、どうか多くの皆さまにご参加いただけますように」とし、大会の成功を祈念した。
また、ツール・ド・東北 2023に協賛するプラチナパートナー各社から担当者が挨拶した。
ここで、第10回大会を記念した特別デザインのオフィシャルサイクルジャージ「ツール・ド・東北 応”縁”ライダー」が披露された。自転車競技の長い歴史を持つイタリアでスタイリッシュなデザインとして人気がある「PISSEI」(ピセイ)がデザインしたもので、一般価格は15,950円(大会をサポートするスタッフは特別価格12,650円で購入できる)。販売期間は2023年5月23日から7月7日まで、販売枚数は300着の限定品となっている。
芸能セッションには、道端カレンさん(モデル・タレント)、中西哲生さん(スポーツジャーナリスト / パーソナルコーチ)、谷真海さん(サントリーホールディングス CSR推進部 / パラリンピアン)、パンサー 尾形貴弘さん(お笑い芸人)が登壇。エイドステーションで振る舞われる地元グルメに舌鼓を打った。4人とも当日のレースに参加するという。