今回は、「無理を承知で」の意味や使い方・例文を紹介します。ビジネスシーンで、相手に対して仕事をお願いする際によく使用されるフレーズです。
「無理を承知で」の正しい使い方を知って、ビジネスでのコミュニケーションに役立ててくださいね。
「無理を承知で」の意味
「無理を承知で」は「こんなことは無理だと分かってはいますが」というニュアンスで使用されるフレーズです。ビジネスシーンにおいては、相手に難しいお願いをする際に使用します。
「無理を承知で」の使い方・例文
ここでは、ビジネスシーンに特化して、「無理を承知で」の具体的な使い方と例文をご紹介します。
「無理を承知で」の使い方
ビジネスシーンにおいて「無理を承知で」を使用される場面は、通常業務では依頼をしないような頼みごとやトラブルが起きて協力を要請する際などです。例えば、納期よりも早く納品してほしいと頼む際は、「無理を承知で相談なのですが、こちらの納品を明後日までにしていただくことは難しいでしょうか」といった使い方をします。
「無理を承知で」のビジネスでの例文
「無理を承知で」の具体的な例文を2つご紹介します。
- 「インフルエンサーの投稿をきっかけに商品が飛ぶように売れ、店頭の在庫が尽きかかっております。そこで無理を承知でお願いいたしますが、追加で発注を受けていただけませんでしょうか。」
これは小売店から工場への追加発注の依頼です。予想外の売れ行きに普段は定期で行っている発注とは別に、臨時で発注をしたい場面で使用しています。
- 「先方から予定を前倒しして事業を進めたいと相談を受けております。無理を承知で申し上げますが、こちらのシステムの納品を今週中にお願いできませんでしょうか。」
営業部からシステムエンジニアへ、納期を繰り上げて納品できないか依頼をする場面にて使用しています。
「無理を承知で」の類語・言い換え表現
ここでは、「無理を承知で」の類語・言い換え表現を紹介します。
大変恐縮ですが
「恐縮」とは、ありがたさや申し訳なさを感じて身がすくむような気持ちになることです。何かお願いをするとき、お礼をするときなどさまざまな場面で使用でき、非常に便利なフレーズです。
「大変恐縮ですが」を使用する際に気をつけなければいけない点は、このフレーズが表しているのは、あくまで心苦しさや申し訳なさといった気持ちです。したがって自分のミスにより相手に迷惑をかけてしまって謝罪をする際などには、不適切です。
謝罪時には「大変恐縮です」ではなく、「大変申し訳ございません」と謝罪の言葉を述べましょう。
誠に勝手を申し上げますが
「誠に勝手を申し上げますが」は、自分の都合や判断で迷惑をかけてしまう場合に使用されます。具体的には、自分の都合や自社の都合でお願いをする場面やお断りをする場面で使用されることが多いです。
具体的には、「誠に勝手を申し上げますが、今回のお話については見送りたいと思っております」といった使い方をします。
不躾なお願いではございますが
「不躾」には、無礼であることや礼儀をわきまえていないという意味があります。したがって「不躾なお願い」は、相手にとって手間であったり急であったり、さらにこちらからの一方的なお願いであることを意味します。
また特に失礼にあたるお願いではなくても、上司や取引先などの目上の人へ依頼をする際に使用される場合もあります。
「不躾なお願いではございますが、ぜひ御社にお引き受けいただきたく存じます」といった使い方をします。
ダメ元ですが
「ダメ元」は「ダメで元々」の略語で「ダメであることはすでに分かっているけれど」というような意味があります。「ダメ元」は、カジュアルなフレーズでフォーマルな表現ではないため、ビジネスシーンで使用するには適していません。カジュアルに話せる関係の人に対して使用しましょう。
「ダメ元ですが、この顧客にもアプローチしたいと思っています」といった使い方をします。
「無理を承知で」の英語表現
「無理を承知で」の英語表現は「I know this is a lot to ask, but」です。直訳すると「多くのことを頼んでいることは分かっているが」となりますが、「無理なお願いだということは承知していますが」というニュアンスになります。
- I know this is a lot to ask, but can you join tomorrow's online meeting?
無理は承知なんだけど、明日のオンライン会議に参加してくれない?
「無理を承知で」を上手に使いこなそう
「無理を承知で」の意味や使い方について詳しく解説してきましたが、しっかりと理解できましたでしょうか。
「無理を承知で」の正しい使い方を覚えておけば、誰かに仕事を頼みたいときや取引先へお願いをするときなどに役立ちます。ビジネスシーンで周りの人とうまくコミュニケーションを取っていくためにも、ぜひ覚えておいてくださいね。