2023年5月3日より期間限定上映が行われる東映Vシネクスト『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』の最速上映舞台挨拶が4月27日に東京・新宿バルト9で開催され、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』および『機界戦隊ゼンカイジャー』の主要キャストが登壇。スーパー戦隊の長い歴史の中でも屈指の個性派作品2つがぶつかりあう本作の見どころを語りあった。

  • 上段左から鈴木浩文、柊太朗、別府由来、森日菜美、世古口凌、下段左から志田こはく、石川雷蔵、樋口幸平、駒木根葵汰、増子敦貴

『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』は、人間やキカイノイドを「柏餅が食べたくて仕方のない体質」に変えるカシワモチワルドが再び襲来する「ゼンカイジャー編」、桃井タロウと“お供”たちが再会を果たす「ドンブラザーズ編」そして2つの戦隊が力を合わせ、強大な敵に戦いを挑む「VS編」の3部構成。それぞれが独自の道を突っ走りすぎる『ゼンカイジャー』と『ドンブラザーズ』の持ち味が十二分に活かされている上に、「まぜるな危険」と言われた「両戦隊の共闘」は、本作だけでしか観られない予測不可能でスペシャルなアクションが続出。2作品のファンなら文句なしに楽しめる娯楽作品に仕上がっている。

MCを務めるスーパー戦隊親善大使・松本寛也の呼び込みで、ドンブラザーズ、ゼンカイジャーのキャストがステージに現れた。今回、拍手や手拍子だけでなく「発声」での応援もOKとなり、客席からは大きな歓声やキャスト陣の名前を叫ぶ声も鳴り響いていた。

ドンモモタロウ/桃井タロウ役の樋口幸平は「本当に“笑える”作品になっています!」と、本作が超娯楽作品だということを強調しつつ、挨拶した。

サルブラザー/猿原真一役の別府由来は「予告編を観ていただけたらわかるとおり、だいぶハチャメチャな感じでやらせていただいています」と、樋口と同じくコミカル風味の強い内容だとアピールしながら挨拶。途中、別府がつい咳き込んでしまい、言葉が途切れる瞬間があったが、即座に客席から「がんばれ~!」とヒーローショーを応援する子どもたちのような歓声が飛び、別府を勇気づけた。

オニシスター/鬼頭はるか役の志田こはくは「上映前ということで、ネタバレしてしまわないか不安ですが、映画の魅力をたくさんお伝えできれば……」と、上映前の期待でいっぱいの客席にまばゆい笑顔を向けながら挨拶した。

イヌブラザー/犬塚翼役の柊太朗は「この映画は、ゼンカイジャーのように全力全開で、ドンブラザーズのようにハチャメチャ、どちらもいいとこどりの作品です。みんなで楽しみながらこの時間を過ごしたい」とアピールした。途中、別府と同じく言葉に少し詰まったのだが、すかさず客席からの「がんばれ~!」コールを受け、さわやかな笑顔で挨拶を行った。

キジブラザー/雉野つよし役の鈴木浩文は「そうそうたるメンバーが入場するというとき、最初に出てくるのはどんだけ恥ずかしかったか!」と、今回の舞台挨拶のトップ入場だったことへのプレッシャーがあったことを打ち明けた。すると樋口から「ドンブラザーズのリーダーは、あんただ!」と、年長者を立てる樋口の優しい言葉が飛び、鈴木をなごませた。鈴木は続けて「たっぷりドンブラザーズのエキスが注入された、意味のわからん映画になっているので、楽しんでください!」と、視聴者の予想のナナメ上を飛んでいったテレビシリーズ同様、本作でも『ドンブラザーズ』独特の突き抜けたコメディ要素が入っていると語ってニッコリ微笑んだ。

ドンドラゴクウ/ドントラボルト/桃谷ジロウ役の石川雷蔵は「ゼンカイジャーのみなさんと共演して思うのですが、衣装的に僕は“あっち側”の人じゃないのかな(笑)」と、ドンブラザーズメンバー随一の派手な衣装を身に着けた自身の立ち位置が『ゼンカイジャー』に近いという見解を述べ、笑いを取った。

ゼンカイザー/五色田介人役の駒木根葵汰は、客席の拍手を手ぶりでコントロールした後「ちょあ~~~~っ!! 1年ぶりにゼンカイジャーが帰ってきました~~~!! ただいま!!」と、猛烈なハイテンションで『ゼンカイジャー』メンバーの帰還をファンと一緒に喜んだ。そして「え~、マスターの正体からお話をさせていただきますと……」と『ドンブラザーズ』にレギュラーで登場していた喫茶「どんぶら」のマスターで、ゼンカイザーブラックにチェンジもする「もうひとりの五色田介人」の存在に触れ、謎に包まれていたマスターの正体がわかるのでは?というファンの期待を煽ったが、周囲から「危ねえ~~っ!(笑)」と言われて止められてしまった。駒木根は続けて「マスターの正体は、これから映画を観てのお楽しみ」と語り、客席に明るい笑顔をふりまいた。

ツーカイザー/ゾックス・ゴールドツイカー役の増子敦貴は、駒木根のハイテンションぶりに「ぜってえ負けねえ」と張り切り「みんな~、ただいま~!! 映画を観る前に、みんなのハートを奪っていこうかな(笑)」とキザなセリフで客席の女性ファンを沸かせた。そして「映画を観終わったら、絶対に柏餅が食べたくなりますから、よろしくお願いします」と、劇中でゾックスが大量の柏餅を独り占めする予告映像のとおり、柏餅が物語の鍵となることを示した。また、MCの松本から「アレやんなくていいの?」と促された増子は、客席に向かって元気よく「みんな、ひさびさの……ヨホホーイ!!」とゾックスのキャッチフレーズを叫び、ファンからの熱い声援を浴びた。

フリント・ゴールドツイカー役の森日菜美は「ただいま~!」と言おうとしたところ、ファンが掲げていたメッセージに引っ張られてつい「おかえり~!」と間違え、周囲からの笑いを誘っていた。改めて森は「みんなに会いたかったよ~! 面白そうなことにはアタマから突っ込め~イエ~イ!」と、フリントのように元気のよい挨拶と、にこやかな笑顔をファンに向けた。

ステイシーザー/ステイシー役の世古口凌は「短い時間ではありますが、みなさん楽しんでいってください」と、控えめに挨拶。「それだけでいいの?」と言葉の少なさを心配する松本に対し、駒木根は「かわいいから、いいんだよね~(笑)」とナイスフォローを入れ、会場をひときわなごませた。

ここで松本からキャスト陣に「マスコミ記者の面々が記事にしたくなるよう、心に刺さるPRを考えてください。挙手制で」というお題が飛び出た。

最初に手を挙げたのは増子だった。増子は「この映画で僕は“柏餅王”になっています。王といえば、いま日曜の朝放送している『王様戦隊キングオージャー』ですね。本当の王様は、この俺さまだ!」と、劇中でゾックスが「柏餅王」となって人々から柏餅を奪い、独占するキャラに変貌していることを説明し、キングオージャーに負けない「王」を演じていることをアピールした。

柊太朗は「テレビシリーズで僕は、特撮ヒーローの“聖地”と言われている岩舟山(爆破や戦闘シーンに使われる名物ロケ地)に行ったことがなかったのですが、この映画でやっと行くことができました! めっちゃ嬉しくて、それだけです(笑)」と、長い間、タロウや猿原、雉野、はるかたちと「別行動」を取っていた関係で、なかなか行くことができなかった念願のロケ地で撮影できた喜びをしみじみと語った。

森は「これ、絶対記事になりますよ。野球の偉人の言葉を借りますからね! ゼンカイジャーとフリントは、永久に不滅です!(笑)」と、ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄氏が読売巨人軍選手を引退するときに発した言葉をヒントにして考案した“名言”を発し、ニコリと笑った。

世古口は「スーパー戦隊は先輩も後輩も、全員ひっくるめて仲間であり、友であり、ブラザー(兄弟)だということが感じられる作品になりました!」と、ドンブラザーズの名前から「ブラザー」を持ってきて、両戦隊に限らずすべてのスーパー戦隊が仲間同士なんだと澄んだ目で客席を見据えながら、力強く語った。

樋口は「『ゼンカイジャー』は今までのスーパー戦隊シリーズの“殻”を破った作品ですし、次の『ドンブラザーズ』も負けないくらいハチャメチャな1年間を過ごせたと思っています。この2作が組み合わさった映画は、これからのスーパー戦隊史にしっかりと残る作品ではないか」と語り、突き抜けた面白さで攻めた2つの戦隊が融合する本作に大きな期待をかけてもよいことをアピールした。

駒木根は「実は僕、2役やっているんです。ゼンカイジャーの介人と、ドンブラザーズの介人(マスター)。そこでモノ申したいことがあります。本作のポスターに僕の名前はひとつしかない!」と、PRではなくまさかの問題提起を始め、松本をあわてさせた。

石川は駒木根の「2役」発言を受け、「僕なんて、一応『3人格』あるんですよ。しかも今回の映画でワンチャン『もう1役?』 これ、いい見出しが作れそうじゃないですか。『石川雷蔵、映画で第4の人格が!?』いけるでしょ(笑)」と、マスコミ向けに見出しの提案までする大サービスぶりを見せた。

別府は劇中で「教授」と呼ばれ、俳句を詠むことを至上の喜びとしている“わびさび”に長けた人間・猿原を演じているだけあって、即興で俳句にチャレンジすることに。最初は少しとまどったものの、別府は落ち着いた声で「縁できる みんなが大好き 柏餅(かしわもち)」という句を見事に詠んだ。

志田もまた、マスコミ向け見出しの提案を行い「私はみなさんが大好きです! 映画観てくださいね!」と、明るく元気な声で語って周囲をにこやかにさせた。

PRのトリを務めた鈴木は「一言だけ、言わせてください」と前置きし、コホンと咳払いをした後、いきなり大声で「みほちゃ~~~~ん、観てる~~~!?」と、テレビシリーズでの雉野の決めゼリフを叫び「1年間、これに助けられてきました」と、雉野つよしのキャラ人気に大きな貢献を果たしたセリフへの愛着をうかがわせた。

最後に、キャストを代表して駒木根と樋口がマイクを握った。まず駒木根は「制作が決まったとき、撮影しているときも、早くみなさんに観てもらいたいという一心でおりました。ゼンカイジャーが帰ってきたのも、ドンブラザーズにも携わらせていただいたのも、いろんな方たちの支えのおかげです。ここから先も、ドンブラザーズやゼンカイジャーを背負って、お仕事に励みたいと思っています。映画をご覧になった後も、今ここにいるキャストみんなの応援を、よろしくお願いします。そしてマスコミの方々、僕の記事をたくさん書いていただいて、タグ付けのほうもお願いします(笑)」と、近年では珍しい「スーパー戦隊2作品連続レギュラー」を果たすことのできた喜びや、共演者との絆の強さを噛みしめるかのようなスピーチを行った。

駒木根の合図で、キャスト全員と客席のファンが「おれたちはいつまでも“全力全開だ~~!!”」というコールを行い、会場を熱気で包み込んだ。

続いて樋口は「ドンブラザーズの映像作品としてはひとまずのラストとなる今回の映画は、本当に僕たちの“集大成”だと思います。今まで1年間、ドンブラザーズをやってきたことのすべてが映画に出ています。ドンモモタロウ/タロウを演じると決まってから、もしも『ドンブラザーズとゼンカイジャーが映画をやったら、どうなるんだろう?』と期待し、待ち望んでいた部分もありました。念願かなって、こうしてファンのみなさんの前に立つことができて、とても幸せです。映画のすべてをしっかり目に焼き付けてくださり、ドンブラザーズとゼンカイジャーがみなさんの記憶の中に残り続けてほしいですし、そんな作品になっていると思います。みなさん、笑って映画を楽しんでください!」とスピーチし、作品の出来栄えに強い手ごたえと自信をのぞかせた。

樋口もまた、客席につめかけた『ドンブラザーズ』『ゼンカイジャー』のファンたちに向かって「今日来てくれたお前たち、これでお前たちとも“縁が出来たな~~~~っ!!”」とタロウになりきって力強くコール。2作品および今回の映画を熱く応援してくれるファンに、大きな感謝の気持ちを伝えた。

『暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー』は5月3日より新宿バルト9ほか全国劇場にて期間限定上映。9月27日より、東映ビデオよりBD&DVDが発売される。

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