「キュートアグレッション」という言葉をご存知ですか? 見聞きしたことはあっても意味は分からないという方もいるのではないでしょうか。今回はキュートアグレッションとはどのような心理状態なのか、具体例や研究事例についても紹介します。

キュートアグレッションとは

  • キュートアグレッションとは

    キュートアグレッションについて

キュートアグレッションとは、自分がかわいいと思った対象を目の前にしたときに、対象をつねったり、食べたり、締め付けたりしたくなってしまう衝動のこと。 かわいい対象とは、赤ちゃんや小さい動物、ペットなどさまざまです。

また、かわいいものを見た時に、歯を食いしばったり自分の手をつねったりする行動も当てはまる衝動です。

現実世界の人や動物だけではなく、アニメやキャラクターにその感情を抱く人もいます。

キュートアグレッションの具体例

  • 赤ちゃんのほっぺを食べたくなる
  • 飼っている犬をつねりたくなる
  • 可愛いぬいぐるみをギューッと抱きしめたくなる

キュートアグレッションの心理についての研究事例と見解

  • キュートアグレッションの心理についての研究事例と見解

    実際に行われた実験について

可愛いものを見て、「大切にしたい」ではなく「つねりたい」「食べてしまいたい」となるのは、なんとなく矛盾している感じがしますよね。なぜこのような心理になるのでしょうか。 ここでは、キュートアグレッションの心理の研究事例と見解を解説します。

イェール大学の心理学者2名による実験

イェール大学で行われた実験は、男女109人を対象に研究されました。 対象者に以下の3つの画像を見せます。

  • かわいい子犬
  • 面白い子犬
  • 落ち着いた老犬

そして見る前に渡しておいた気泡緩衝材を、自分の感情に従って潰すように指示した結果、かわいい子犬を見たときが、もっとも激しく気泡緩衝材が潰されたということがわかりました。

かわいいものを見ると、衝動的に何かを壊したい・攻撃したいという欲望が出るということが分かる実験です。

認知神経科学者アナ・ブルックス氏の見解

研究実験の結果を掲載した上で、認知神経学者アナルブルックス氏の見解を紹介します。 アナブルックス氏は、人間がドーパミンを過剰に分泌することで攻撃的になる傾向を持つ生物であることを解説しています。キュートアグレッションは、脳内回路でドーパミンが行き場を無くした結果起こる反応とのことです。

つまり、キュートアグレッションは異常ではなく、誰にでも起こり得る感情なのです。

キュートアグレッションについて正しく理解しよう

  • キュートアグレッションについて正しく理解しよう

    まとめ

キュートアグレッションの意味や、過去に行われた研究実験を解説しました。 誰にでも起こる可能性がある衝動で、自分で感情をコントロールすることでその衝動の波を抑えられます。

もし、かわいいものを見たときに衝動を感じたとしても、慌てず落ち着いて時が過ぎるのを待ちましょう。