東急電鉄と日本IBMは、両社が共同で開発した「状態保全(CBM)支援システム」を活用した鉄道設備の状態モニタリングを4月下旬から運用開始すると発表した。
状態保全(CBM)支援システムは、鉄道設備のデータをリアルタイムで伝送し、クラウド上で参照できる「モニタリング機能」と、蓄積したデータを分析することで得られる「リスクスコア可視化機能」をあわせ持つ。
これまでは現地に出向いて設備状況を確認する必要があったが、今後は取得したデータを遠隔で確認でき、効率的に検査を行えるようになるという。取得したデータが一定の条件を満たした場合はアラートで知らせ、設備故障の兆候を察知できるようにする。
運用開始時点では、転てつ機のみをモニタリング機能の運用対象としており、351台中43台にデータの伝送機能を搭載する。今後、更新時期に合わせて段階的に置き換える予定とのこと。
リンクスコアの可視化は、一定期間蓄積した鉄道設備のデータを分析し、現状のコンディションと設備ごとの重要性をかけ合わせ、総合的に算出する機能。マトリクス表示にもとづくリスクを5段階で評価し、優先してメンテナンスすべき対象を可視化する。経験や知見にもとづくこれまでの判断に定量的な評価基準を加えることで、より効率的なメンテナンス計画の立案と実施に役立つとしている。