「平成仮面ライダー」シリーズの歴代「主役ライダー」のスーツアクションを務めてきた伝説の男・高岩成二の持ち味を100%活かし、仮面ライダー・スーパー戦隊・ウルトラマンなど多くの特撮ヒーロー作品で手腕をふるう坂本浩一監督が作り上げたアクションコメディ映画の第2弾『グッドモーニング、眠れる獅子2』が、ひかりTVで配信されている。

  • 小栗有以(おぐり・ゆい) 2001年生まれ、東京都出身。2014年『AKB48 Team 8 全国一斉オーディション』に合格し、4月3日に発足したチーム8のメンバーとなる。以後、歌手・モデル・俳優としてテレビ、ラジオ、映画、舞台と幅広い分野で活躍を続ける。 撮影:大塚素久(SYASYA)

「アイドル」と「アクション」の融合を目指した痛快エンターテインメントの前作を踏襲して、今回もトップアイドル・小栗有以(AKB48)を相棒に迎え、高岩扮する九條和真の本格バトル・アクションが炸裂する。小栗が演じるのは、一流シェフを夢見ているキッチンカーの若きシェフ・柚木朱音。行方不明の父が残した借金を返済しようと孤軍奮闘する朱音を助けるべく、九條は見習いシェフとして意外な「料理の才能」を発揮する。

配信開始を記念し、本作のヒロイン・朱音を演じた小栗有以にインタビューを敢行。大きな夢を果たすべく、ひたむきに頑張る朱音の魅力を打ち出すべく、いかなる工夫・努力があったのか。貴重な撮影裏話の数々をお楽しみいただきたい。

――『グッドモーニング、眠れる獅子2』出演にあたり、前作『グッドモーニング、眠れる獅子』をご覧になったときの感想を聞かせてください。

映像がとても綺麗で、アクションも凄い作品でした。私は「仮面ライダー」に詳しくなくて、歴代ライダーを演じられた俳優さんのこともよく知らなかったのですが、それでも「きっと、仮面ライダーが大好きな人たちにとってエモいんだろうな」ということはすぐ分かりました。内容も面白くて、この第2弾に私が出演できるんだと思うと、うれしかったです。

――元傭兵としての戦闘能力を隠しつつ、小栗さん演じるキッチンカーシェフ・朱音を陰ながら支えるべく奮闘する見習いシェフ・九條和真を演じた高岩さんと初めてお会いしたときの第一印象はいかがでしたか。

最初にお会いした瞬間から、とても優しく、頼もしい雰囲気をかもし出していらっしゃいました。撮影ではずっとご一緒していましたので、どんどん距離が縮まっていったと思います。

――朱音は九條のことを「おっさん」と呼んで最初は邪険に扱っていますが、次第に彼を信頼し、素直な気持ちで接していくようになっていきます。小栗さんと高岩さんのそのままの関係性が画面に表れているような印象ですね。

恐れ多いですけれど、役のセリフですので何度も「おっさん!」と思い切り言わせていただきました(笑)。実際の私はあそこまで強い感じで接してはいないですが、高岩さんを信頼し、助け合っている関係性は役と同じだと思います。

――小栗さんはどんな人とでもいきなり気さくに話ができるタイプですか。

人見知りはしないほうですけれど、やっぱり初対面だと近づきにくく、すぐには話しかけられません。そんな中で、高岩さんとは身にまとっている優しさオーラのおかげで、すぐ打ち解けられたんです。

――高岩さんは仮面ライダーシリーズで歴代主役ライダーのスーツアクターを務めてきた「伝説のアクション俳優」です。小栗さんが思う「仮面ライダー」のイメージはどんなものでしょうか?

ヒーロー、カッコいい、男の子の憧れ……というところですね。女の子の私から見ても、仮面ライダーはカッコいいな~って思います。高岩さんも、ふとした立ち姿の頼もしさがすごかったです。まさに、私にとって頼れるヒーローでした。

――朱音は一流シェフを自認し、キッチンカーでありながら高級料理しか出さないプライドを持っていました。小栗さんご自身は料理の腕前に自信がありますか。

実家暮らしなので、普段料理はしないです(笑)。でも今回は一流シェフという役柄ですし、料理は手慣れている感じを表現するため、包丁の使い方やフランベのやり方など、いろいろと特別に指導をしていただきました。私にとって新しい特技ができたという思いです!

――キッチンカーの人気メニューとなった「戦場メシ」の作り方を九條から教わる朱音のシーンでは、料理の練習と並行してなぜか大きな鍋を抱えたり、フライパンをラケットのように振り回したり、短距離ダッシュを繰り返したり、スポーツトレーニングが加わっていて、かなりコミカル色を強めていましたね。

あの特訓シーンは大変だったんです。坂本監督がいつカットをかけるのか、タイミングがわからないので、ずっと全力で走り続けたり、鍋やフライパンで謎の筋トレをしたり(笑)。料理と関係あるのかないのかわかりませんよね。練習を終えたあと、朱音が「疲れた~~!」と言っているのは台本にない、私のアドリブです。ほんとに疲れ果てていたので、自然な形で言葉が出てきました。もともと体を動かすことは好きな方なのですが、あの特訓はさすがにハードすぎました。

――朱音がキッチンカーの宣伝ビラを配る際、チアガールやネコ耳メイド、民族衣装など次々とコスチュームを変えるシーンは、とても華やかでした。ああいったコスプレシーンの撮影をやってみて、どう思われましたか。

衣装がクルクルと変化するのって、見ていて楽しいですよね。朱音は衣装チェンジが多かったので、ぜったい楽しんでいただけるなと思っていました。後でうかがったのですが、チアガールのコスチュームは坂本監督が手がけた『仮面ライダーフォーゼ』(2011年)で使われたものなんだそうです(風城美羽)。こんな裏話もありますので、ぜひ仮面ライダーファンのみなさんにアピールできたらうれしいです。