女優の宮本信子が、4月30日にスタートするABCテレビ・テレビ朝日系ドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(毎週日曜22:00~)に出演することが26日明らかになった。

宮本信子 (C)ABCテレビ

岡田惠和氏の書き下ろしとなる同作は、清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠という今年の日本アカデミー賞でそれぞれ優秀助演女優賞、最優秀主演女優賞、新人俳優賞を受賞した3人が「人生とは、家族とは、愛とは」をテーマに女性3人の友情を紡ぐハートフルストーリー。足の不自由な母との2人暮らしを支えるため休みなくバイトを続ける岸田サチ(清野)、家族から縁を切られながらも退屈な毎日に楽しみを求めてタクシー運転手を続ける野田翔子(岸井)、両親との縁が浅く借家暮らしを送りながら祖母と工場勤務を続ける樋口若葉(生見)……離れた場所に住み、お互いの存在も知らない3人があるラジオ番組をきっかけに運命的な出会いを果たす。そして心を通わせ始めた彼女たちにある“奇跡”が起き、行き詰まっていた人生が静かに動き出すことに。

今年で芸歴60年を迎える宮本は、1984年の主演映画『お葬式』でブレイクすると、多種多様な役どころで数々の映画・ドラマに出演してきた。今作で演じるのは、生見が演じる若葉の祖母、富士子。裕福な暮らしから没落し、今は若葉と2人、同じ食品工場で働きながらかつて住んでいた豪邸の近くにやっと生活できる程度の小さな家を借り暮らしている。過去の栄華が忘れられない富士子の日課は、元自分の家の様子を双眼鏡でのぞき見ること。現住人のぜいたくな暮らしぶりに舌打ちし、自分たちのみじめさと比較しては、本気か冗談か、金目的の結婚を孫娘に勧めるなど、苦虫を噛み潰すような日々を過ごしている。

どこか滑稽で口から出る言葉はほぼ皮肉だという富士子と、そんな富士子以外に話し相手もいない若葉の暮らしは、そこはかとなくドライ。その根底には二人共通の闇が存在している。人生に大きな影を落とす、取り除けないしこりを抱えながら生きる祖母と孫娘を、宮本と生見がどう表現していくのか、次第に明らかになる家族関係にも注目だ。

■宮本信子 コメント

岡田さんから富士子役のオファーを頂戴し、すぐに「出演させていただきたい!」とお返事しました。今まで演じたことのない役柄で、岡田さんがこれまでと違う役を意識的に書いてくださっているのかなと感じながら取り組んでおります。役づくりでまず始めたのは、舌打ちの練習。舌打ちしない人生を送ってまいりましたので、自然に出すのはなかなか難しいのですが……。芝居についても、もちろん色々考えてはいますが、現場に立って、孫と暮らす家を見て、そこから得られる感覚で変わっていくだろうと思っています。

このドラマでは、今を生きる個性の違う3人の女性たちが本当によく描かれていて、非常に共鳴できる作品になっていると思います。少し毒を含んでいる岡田脚本もすごく素敵! ぜひとも、日曜の夜ぐらいはこのドラマを見てくださいませ。