BMW「XM」が日本初公開となった。BMWのSUVシリーズで初めてとなる「M」専用モデルであり、M専用モデルで初めてのプラグインハイブリッド車(PHEV)となるXMは、究極の走りと極上の快適性というアンビバレントな魅力が同居する欲張りな1台に仕上がっている。

  • BMW「XM」

    BMW「XM」が日本上陸!

獰猛なラグジュアリーカー?

ビー・エム・ダブリューは原宿の「ヨドバシJ6ビル」(渋谷区神宮前)にてポップアップ・エキシビジョン「FREUDE by BMW - CONNECTED THROUGH TIME」を開催する。期間は3月4日から4月4日までで入場は無料。会場にはBMW史上2台しかないM専用モデルの「M1」と「XM」が展示してある。

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  • M専用モデル第1弾として1978年に登場した「M1」

MモデルはBMWが開発する高性能マシンのこと。中でも、M専用に開発されたモデルはM1とXMしかないそうだ。例えば「M3」という高性能車は「3シリーズ」のMモデルという位置づけなのだが、XMは何かのMモデルではなく、M専用に作ったクルマなのである。「Mとラグジュアリーの融合であり、運転のみならずBMWブランドの伝統を最も感じられるクルマ」というのがビー・エム・ダブリュー社長の長谷川正敏氏さんによる解説だ。

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    「XM」のボディサイズは全長5,110mm、全幅2,005mm、全高1,755mm。ホイールベースは3,105mm。車両重量2,710kg

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    パワートレインは4.4LのV型8気筒BMWツインパワー・ターボガソリンエンジンのプラグインハイブリッド。バッテリー容量は29.5kWh。システム全体での最高出力は653PS、最大トルクは800Nm。PHEVは充電すれば電気自動車(EV)のように電気だけで走れるが、「XM」のEV走行距離はフル充電で90kmに達する

XMのフロントデザインはBMWのラグジュアリーモデルが採用している上下2分割のツイン・サーキュラー&ダブル・ライトが目を引く。キドニーグリルはクロームの縁取りで高級感が増している。サイドで目立つのはウィンドウを囲む「アクセント・バンド」だ。

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    金色で縁取られた大きなキドニーグリルが激しく自己主張するフロントマスク

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    ホイールは標準で23インチ。ハイパフォーマンスタイヤを装着した22インチも選べる

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  • どっしりとして力強いリアには見どころが2つある。左右のショルダー部分に入るBMWのエンブレムと縦に並んだ「Mデュアル・エギゾースト・テールパイプ」(マフラー)だ

インテリアはMらしい意匠とラグジュアリーが併存する独特の雰囲気。運転席周りは専用のMレザー・ステアリング・ホイール、赤のエンジン・スタート/ストップボタンを備える一方、リアには独自の「Mラウンジ・コンセプト」を取り入れ、ゆったりと快適に過ごせる空間を作り出している。

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  • 内装はビンテージ・レザーを使ったBMW Individualフル・レザー・メリノ・シートを採用

XMはMのパフォーマンスとBMWが培ってきたラグジュアリーカーの知見が同居する欲張りなSUVだ。Mにふさわしい走行性能を持ちながら、例えばガラスの厚さは「7シリーズ」と同等で静粛性が高かったりと快適性の追求にも余念がない。クルマ本来の走りの楽しみを追求するMモデルには本来ならば装着しない後輪操舵機能も、XMには付いている。このクルマがあればスポーティーな運転も楽しめるし、後席に乗って静かで快適な移動体験を味わうこともできるわけだ。

内装は4色、ボディカラーは7色から選べて、ホイールのサイズも選択できるXMだが、日本仕様な何を選んでもワンプライスの2,130万円。とても高級だが、長谷川社長によればラグジュアリーな商品の市場にはコロナ以降もしっかりと需要が残っているどころか、モノによっては2桁成長を見せている分野すらあるそうなので、XMの売れ行きについてもあまり心配することはないのかもしれない。