JR東日本千葉支社は22日、京葉線の新駅、幕張豊砂駅の報道陣向け内覧会を実施した。幕張豊砂駅は新習志野~海浜幕張間に位置し、ダイヤ改正の行われる3月18日に開業。幕張新都心の拡大に合わせ、新駅が設置されることになった。

  • 幕張豊砂駅の高架ホームをE233系が通過

  • 幕張豊砂駅は3月18日に開業する

新駅の近くにイオンモール幕張新都心があり、地域やイオンモールとJR東日本が話し合って駅の設置を決定。駅名案を公募し、JR東日本千葉支社による選考で「幕張豊砂」に決定した。

京葉車両センターに隣接する幕張豊砂駅は、自然光を取り入れやすい膜屋根の駅であり、鉄骨造りに。下りホームは地平、上りホームは高架の二層構造となっている。

■新型の改札機を設置、「STATION BOOTH」も

駅舎は南向き。券売機は多機能券売機が1台、従来型の券売機が1台、チャージ専用機が1台あり、1か所だけ未設置の空間がある。乗車駅証明書発行機も備えられ、一部時間帯で遠隔対応などの場合に使用する。指定席券売機は設置されていない。

  • 改札口周辺

  • 構内案内図

  • 券売機などを設置したスペース

改札機は交通系ICカードのタッチ部分が斜めになった新型のものを使用。QRコードリーダー読取り装置を備えた改札機も準備されていた。

改札内コンコースに入ると、「STATION BOOTH」が設置されており、ビジネスでの利用者も想定しているとわかる。コンコースの奥にトイレがあり、温水洗浄便座付きの個室も用意された。

  • 二層のホームに関する案内も

  • 改札機は最新型のものを設置

  • スギ材と自然光のコンコース

  • ビジネス対応設備も用意

  • 内装材の説明

  • スギ材を使用したコンコース内のベンチ

壁面の内装材は千葉県産のスギ材を使用。この材料を用いたベンチもコンコース内に設置されている。天井を見上げると、膜屋根によって自然光が入りやすくなっており、昼間の時間帯に照明を明るくしないで済むように工夫されている。

■ホームは二層、エレベーターが興味深い構造に

幕張豊砂駅のホームは二層構造となっている点が特徴。高架の上りホームに上がると、スペースが広く取ってあり、朝の混雑時などに役立つ設計に。ベンチはコンコースと同じくスギ材を使用したもので、背もたれこそないものの、ホームに対して直角に座ることが想定されている。

下りホームは地平だが、コンコースから階段またはスロープで上がる構造になっている。下りホームは上りホームと比べて若干狭かった。上りホームと同様のベンチが設置されている。

幕張豊砂駅では京葉線の列車(10両編成)だけでなく、武蔵野線から直通する列車(8両編成)も停車するため、上りホーム・下りホームともに武蔵野線直通列車の利用者に向けた表示が掲げられていた。なお、どちらのホームにもホームドアは設置されていなかった。

  • 武蔵野線利用者向けの表示

  • 行先表示も木目を意識

  • 開業を祝う横断幕が見えた

  • ホームに対して直角に設けられたベンチ

  • 地平ホームから見たコンコース

  • 複数層のホームを行き来できるエレベーター

ホームが二層に分かれているため、エレベーターが興味深い構造になっている。コンコースのフロアでの出入口と、下りホーム・上りホームでの出入口の向きが異なる上に、コンコースフロアと下りホームフロアの高さの差が小さい。エレベーターはガラス張りで、内部の構造を見やすくなっている。下り・上りホーム兼用で、ホームが二層という条件だと、このようなエレベーターの設置が合理的となるようだった。

JR東日本千葉支社鉄道事業部モビリティ・サービスユニットの新井一慶マネージャーは、「新駅の誕生でわくわくしています」とコメント。幕張新都心の発展に新駅が寄与し、このエリアの回遊性や利便性が向上することを期待していると述べた。幕張豊砂駅の特徴として、「自然光を取り入れた明るい駅」となった点を挙げた。