パリのルーブル美術館といえば「モナ・リザ」。この世界で一番有名な絵画を、生で見るよりも間近に体感できる映像イベントが、東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で始まりました。

これは、 NHKがこれまでに8K撮影した「モナ・リザ」「ミロのヴィーナス」といったルーブル美術館が誇る至宝の数々を、横7.2メートル、高さ4メートルの巨大なLED8Kモニターで上映するもの。約20分間のその映像は、たとえルーブルに足を運んだとしても見ることができないほどまで作品に接近し、見たことのない角度から彫刻を映し出すなど、驚きと発見に満ちたものとなっています。

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」は、世界一謎の多い肖像画ともいわれる

  • かの有名なモナ・リザの微笑みに、どんどん迫っていく

  • こちらを見つめるようなモナ・リザの瞳。絵全体に細かなヒビが入っているのがわかる

「肉眼で熟視しても見れないディテールまで見ることができ、我々専門家が、これまで見ていたようで見えていなかったという気づきもありました」と、美術の専門家としてこの企画に携わった東京大学大学院教授の三浦篤さん。当初は“ルーブルまで行けない人のため”の鑑賞企画と考えていたところ、この超クリアで高精細な映像を見て、生でもこれほどのディテールは見られない、と認識をあらためたそう。「美術鑑賞の幅を拡げ、作品の理解を深めるという意味でも意義深いコンテンツ」だといいます。

  • ヤン・ファン・エイク「宰相ロランの聖母」は、実寸サイズは縦66センチほどの絵画だ

  • 絵の右上では、天使が聖母マリアの背後から冠をかぶせようとしている。その冠のきらびやかな細工までくっきりわかる

  • 絵の中央にズームイン。バルコニーから外を見ている2人は、この絵を描いたヤンとその兄といわれている

8K映像で紹介されるのは「モナ・リザ」「ミロのヴィーナス」「サモトラケのニケ」「ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」「宰相ロランの聖母」の5作品。生で鑑賞するのとはまた違った、深くて濃密な新しいアート鑑賞を体験してみてはいかがでしょうか。

  • この人たち、実際にはたった1ミリほどなんですって!

Coproduction 8K NHK - Musée du Louvre

■information
「8Kだから見えてくる ルーブル美術館 空間を超えた映像アート体験」
期間:2月14日~2月26日(11:00~18:00)、入場無料
場所:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](東京オペラシティタワー4階)