住所非公開かつ週4日のみの営業、完全会員制焼肉店「八面六秘(はちめんろっぴ)」が2月1日、東京の新橋にオープンする。しかも手がけるのは予約困難な人気店をそろえる一石三鳥グループだ。会員とその同行者だけが足を踏み入れることができるという、秘密の花園に一足先に潜入してきた。

秘密の花園「八面六秘」とは?

新橋の「厳選焼鳥 一石三鳥」や「厳選焼肉 一石三鳥」らを手がけるHuman Qreateは、ブライダル業界出身オーナーの米田拓史氏のもと、コンセプトに共感した料理人や、サービス業の最前線で長く実績を積んだスタッフが集結。顧客が喜ぶ "サプライズ"の理念をベースに、独自のルートで仕入れた上質な食材を職人が最高の状態で提供する。

  • 店内

今回新たにオープンする「八面六秘」という店名は、「八面六臂」という言葉が由来。「八面六臂」は、多方面で、めざましい活躍をすること、一人で何人分もの活躍をすることを指すそうだ。

店名を「六臂」から「六秘」に変えたのは、秘められた魅力があるからだと米田氏は話す。予約サイトもなく、看板もない隠れ家店「八面六秘」は、質を極めた肉が次々と登場し、VIPコースでは高級ワインが原価で飲めるなど、訪れた人にしか知り得ない体験がそこにある。

ツウな大人も歓喜する美食の数々

「本当にお肉を愛する"肉ツウ"のお客様に向けて最高の状態の焼肉をお届けしたい」という想いのもと、使用する食材を厳選している「八面六秘」。スタッフが実際に現地を訪れ、生産者と会い、試食した上で納得した食材を仕入れている。

コースは年間700頭しか出荷されない銘柄牛「純但馬うすなが牛」をはじめ、ツウな大人も歓喜する肉本来の旨味を最大限極めた構成だ。それを16年間にわたり老舗焼鳥店や焼肉店などで腕を磨いた肉職人・MURO氏が至高の一品へと仕立てる。

  • 上塩タン

コースはおまかせコース(15,000円)とVIPコース(18,000円)の2コースのみ。いずれもインクルーシブスタイルで、このコース価格に30~40種類のアルコールやモクテル、ソフトドリンクの飲み放題も含まれている。さらに先述した通り、VIPコースであればケンゾーエステイトや高級ワイン、ソンマッコリなども原価で追加注文可能だ。

舌の上でとろけるサーロインユッケ

今回はVIPコースの中から一部をご紹介しよう。お店の名刺代わりとして登場する「サーロインユッケ」は、時期に応じてベストな銘柄牛のサーロインを使用している。一般的にイメージするユッケと違い、なんと"このまま"食べられるという。

  • この日は岩手水沢牛を使った「サーロインユッケ」

まず一枚目は卵黄に絡めていただく。卵はその日の仕入れ状況に応じて、濃厚で肉の色味との相性も良い赤やオレンジがかったものが提供される。

この日はパプリカ(赤ピーマン)を使い、鮮やかなオレンジ色の黄身が特徴の「蘭王」というブランド卵が添えられていた。サーロインユッケは大きくスライスされていることにより、上質な脂の甘さを舌の全面で受け止められる。味の濃いトロトロの卵黄と醤油ベースの下味がお酒を欲してしまう。

  • 「え、これ焼かないの?」と思う人も少なくないはず。そう、実はこのまま食べることができるのだ

二枚目はネギとフライドガーリックを包んでいただくのがおすすめ。カリカリと香ばしいガーリックとネギの香味が、サーロインのうまさを引き立てる。

上質な脂がしみ出る上塩タン

  • この日の上塩タンは「純但馬うすなが牛」を使用

焼いている際に脂がじんわり表面ににじみ出てくるタンは質が高いが、「上タン塩」はまさにそれを体現している。適度な厚さのタンだが、歯切れがよくサクサク食感とやわらかさが感じられる。お好みでレモンと、数種類をブレンドして作る自家製ワサビをつけて。

部位に合わせてタレを使い分け! 「2種のタレで喰らう盛り合わせ」

試行錯誤の末、完成したという「2種のタレで喰らう盛り合わせ」は、揉みダレとつけダレの組み合わせの妙が光る。この日は純但馬うすなが牛のカメノコとミスジが登場した。

カメノコは繊維が細かい赤身で、焼きすぎると身が硬くなってしまうため、サッと焼き、醤油ベースのつけダレでいただく。赤身のしっかりとした味わいがありながら、ほぐれるようにやわらかい食感で、ほのかに甘い醤油ベースのつけダレとよく合う。

肩の部分であるミスジは、力強い味わいでありながら繊細な脂が特徴。こちらは生姜とブラックペッパーソースを使った揉みダレをつけていただく。パンチがありつつも後味爽やかなタレが寄り添う。

まるでステーキ! 約80グラムとボリューム満点のヒレ肉丼

コースの極めつきは「大衆焼肉の最終形態」とオーナーも称する「ヒレ肉丼」だ。厚さ1センチメートルを越え、重さ約80グラムというフレンチのメインとして登場してもおかしくないボリュームのヒレ肉を焼き、豪快に白米の上にのせる料理だ。

  • VIPコースでは一人一枚のヒレ肉が使われる。この日は岩手水沢牛

ロースターで適度に肉を休ませつつ、丁寧に焼き上げたヒレ肉は、茶碗に盛られた白米の上にお布団のようにのせられる。先ほども紹介した卵黄をトッピングし、「2種のタレで喰らう盛り合わせ」などで登場したつけダレのどちらかをまわしかけていただく。

ヒレ肉は箸でほぐれるほどやわらかく、赤身ながらほのかにバターのような上質な脂と、ヒレ肉ならではのうまみがじんわりと口の中に広がっていく。あらゆる肉にあわせてきたことで肉の旨味が加わった"つけダレ"は、濃厚な卵黄と肉とあいまって、食べ終わるのが惜しくなるおいしさだ。

  • 「ヒレ肉丼」

締めの「名物! 出汁冷麺」

締めには「名物!出汁冷麺」が登場。サバと牛の2種類の出汁を使うことで、冷たくてサッパリした味わいながらも、サバの深い味わいと牛の奥行きあるコクが感じられる。

  • 名物!出汁冷麺

さらに、麺の上に手作業でクラッシュしたサバ出汁の氷が清涼感をアップし、柚子を散らすことで香りと風味が引き立つ。ほどよく弾力のある麺は、盛岡冷麺を使用。花穂紫蘇とネギが彩りと香りの広がりをプラスしている。


なお、「八面六秘」に来店するためには会員になる必要があるが、2月1日~4月30日の期間、第二弾の会員を一石三鳥グループ公式Instagramと、電話で受け付けている。会食やデート、特別な日のお祝いなど、切り札の店としてチェックしておくのが良さそうだ。